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苦い鳥

どうして。
どうして。
どうして。

つきることのない疑問と、それに連なる怨嗟の声。
どうしてこんなことになってしまったのかと。
なぁ。
お前には。

『視えていたんじゃないのか?』

そうとも。
そうだとも。
俺には視えていた。全て。
『あの人』があんな運命を辿ることも。

『あの人』が生き続ける未来があったことも。

「迅」
「……敵は倒したよ」
「……そうか」
「うんーー最上さんが」
「……」
「最上さんが、助けてくれた」
「……そうか」

ねぇ、視えてたんだよ、俺。

お前は悪くないなんて言わないでよ。

誰か俺を責めてくれ。

皆優しいから。

優しすぎて。

「……お前のせいだって、言ってくれない?」
「だめだ、それは言わない。いくら迅の頼みでもな」
「でもさ、俺は」
「視えたからって、迅が責任を感じる必要はないだろう?」
「助けられたかも知れなかったんだ!!」
「……」
「俺なら、助けられたかも、知れなかった。なのに」
「……迅」
「……」
「それ以上何か悪いことを言ったら、渾身の右ストレートをお見舞いしてやる」
「……お前、本気?」
「視えただろう?」
「……うん、まぁ」
「なぁ、迅。お前はもうこれからのことを視るべきだよ」
「……」
「お前の力は、未来の為にある。いつか最上さんを戻せる未来が、あるかもしれない」
「……」
「お前は、その手で何をするんだ?迅」




「……苦いなぁ」

手に遺るのは、重くて黒い、苦い鳥。





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