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私と絶望、時々インドカレー





「ただいま……」

マンションの一室、連日の勤務と残業に追いやられた竹井久は無気力に革靴を脱ぎ捨てては、おぼつかない足取りでリビングに向かった。

「んグッ!んグッ!」

彼女が初めにやった事は冷蔵庫にしまってある缶の発泡酒を飲み干す事だった。

「ぷはァ〜!!これよね!これ!」

琥珀色の液体、程よい炭酸、身体に染み渡るアルコール、何よりも安物特有の紛い物染みた味が疲れきった彼女には丁度良かった。

「ははっ……」

涙の粒がカーペットにシミを作る。

悲しんでもいないのに、辛くもないのに、怒ってもいないのに、嬉しくもないのに、涙が止まらなかった。
無表情の顔から零れ落ちる涙は限界を諭していたのだ、現状の限界、どうしようもない様をありのままに表現している。

「どうしてこんな生活を……私は……」

だが、趣味のインドカレー作りが残っている。

後輩を自分のマンションに集めよう。
インドカレーを振舞ってから、牌に青春をかけた日々を語らおうではないか。

そうと決まれば過去の仲間に電話をかける。

「まこ、あのね――」

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