ジャンル:アイドルマスターsideM お題:空前絶後の小説 制限時間:30分 読者:302 人 文字数:1623字 お気に入り:0人
[削除]

真面目に書くんじゃ!

先生はいつも本を読んでいる。読 んでいない時もないことはないが、基本的には本を読んでいる。
 先生は熱心な読書家だ。いつだって本を手放さない。手放さ過ぎて、たまに人にぶつかりそうになる。人混みがどうやら苦手なようで、時折ふらふらしている。そこも含め、ミステリアスな魅力に溢れている、九十九一希とはそういう男だ。
 先生はよくメモをとる。その言葉はどれも詩的な表現で、自分にはとても綺麗なものに見えてしまう。
 あれが、先生の内側から湧き出る言葉なのだろうか。だとしたら、彼はあまりにも自分とは違いすぎる。先生と自分が違うことなどわかっていた筈なのに、その差が少し寂しいと思った。
 先生も、涼に何かを変えられたのだろうか。自分のように、何かを。その言葉の流れ出ているであろう、心の奥底にある柔らかで繊細な何かを。

 涼はいつもキラキラしている。テレビに映っていた頃の彼は彼女であったし、ふわふわのスカートをはいて、柔らかな曲線美を露にしていた。
 一度だけ、彼が彼女だった頃に雑誌を買ったことがある。彼女の特集が組まれていたその雑誌には、彼女のファンの言葉が綴られていた。
 彼女が彼になった頃。その発表に世間が揺れた。雑誌はひっきりなしに彼を取り上げ、下世話なゴシップが民衆を湧かせた。
 彼の特集を組んだ雑誌には、彼が彼女だった頃のファンのコメントが載っていた。曰く、酷い裏切りだと。
 裏切りとはなんであるか、自分は首をかしげた。彼は、嘘をつくことをやめ、己を素直に表現したのだ。それが裏切りなどと、どうして言えるのか。不思議で仕方がなかった。

 そんな彼らとユニットを組み、アイドルとなったことは、自分の人生において、最大のターニングポイントと言えるだろう。
 自分から見た彼らは、いつだってキラキラしていた。
 それに対して自分がキラキラしていたか、輝いていたか、実のところあまり自信がなかった。
 はなまる笑顔とはよく言ったもので、己の笑顔だけには自信があった。裏を返せば、それ以外にはあまり自信がなかったのだ。
 家柄上、あまり友人と気兼ねなく遊ぶこともなく。どうにも世間と隔絶されている意識があったからなのだろう。
 会話は嫌いじゃない。だが、どうしても隠し事に後ろめたさを感じてしまう己の繊細さが憎らしかった。そんなことを感じずにいられれば、もっと好きなように友人を作れたのではないか。そもそも、隠すようなことさえなければ、こんな想いはしなくて済んだのではないか。
 それでもなお自分が彼らと一緒に居たことは、ちょっとした奇跡だったのかもしれない。
 彼らのそばは不思議と居心地がよかった。アイドル活動をしている間は、家のことも忘れられた。ある種の逃避だったことは否めないかもしれないが、それでもあの頃の自分にとって、勿論今の自分にとっても、彼らは代えがたい存在として心を占領していたのだ。

 自分達の個性はてんでバラバラだったが、それが逆によかったのかもしれないと今なら思う。知らないものだからこそ、お互いを知ろうとしたし、知っていくことが何より楽しかった。
 それぞれがもつ視点は全く別の方向を向いていて、いつだって、同じものを違うもののように見ていたのだ。その違いが、何より面白かった。
 
 そうして自分達はアイドルとして活動を続けてきたし、これからも続けていく。そのつもりだ。
 しかしまあこうして振り返り、思い返すとはなんとも難しいものである。
 今回の寄稿に辺り、少しばかりの手心を加えてくれた先生と涼に感謝しつつ、この長文と乱文を読んでくれたファンに、最大限の感謝を述べたいと思う。
 結局のところ、何を書きたいか途中でよくわからなくなってしまったのだが、ようするにこれからもはなまる笑顔で頑張っていく所存なので、どうか自分達のことを見守ってほしい。

某月某日某所にて カブト ダイゴ

エッセイへの寄稿

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:生かされたヒロイン 制限時間:30分 読者:92 人 文字数:867字 お気に入り:0人
カットの声がかかって、地に倒れ伏した俺は目を開いた。飴で湿ったコンクリートの上。頬に小石が喰いこんで落ち着かない。スタッフの「OKです」という言葉に、身体を起こ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:箱の中の恋 制限時間:30分 読者:94 人 文字数:1237字 お気に入り:0人
仕事が終わって、報告の為に事務所に向かう。任された仕事は無事こなしたと、忙しそうにデスクに向かう番長さんにそう告げるために。そんなこと電話の一本入れてしまえばそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:純白の職業 制限時間:30分 読者:124 人 文字数:433字 お気に入り:0人
くるくると巡る毎日の中、衣装を変え、表情を変え、視線を変える。進む先はいつだって自分の正面。真っ直ぐに前へ、前へ。胸を張って顔を上げて、時に人を魅了する笑顔を浮 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:みりんPはレジェという深海に沈む ジャンル:アイドルマスターsideM お題:走る失敗 制限時間:30分 読者:297 人 文字数:536字 お気に入り:0人
【雨クリ】満天の星々を見上げながら葛之葉は小さく息を吐く。溜息と呼ぶには軽く、呼吸と呼ぶには重い息が一瞬視界の端を白く染めて消えた。何か起きたら星を見上げるのは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ざくP ジャンル:アイドルマスターsideM お題:女の旅行 制限時間:30分 読者:772 人 文字数:873字 お気に入り:0人
前日に準備はしていた。朝は朝食の一時間前には目覚めて、身支度もある程度整えておいた。それでもシーツを整え、歯を磨いて髪を纏めなおした頃には時間ぎりぎりだった。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ミドリ ジャンル:アイドルマスターsideM お題:ゆるふわな行動 制限時間:30分 読者:519 人 文字数:824字 お気に入り:0人
あたたかい小春日和の昼下がり、事務所のソファでうとうとしていたら、るいがピンクに色づいた梅の花を持ってきた。事務所近くのフラワーショップで売ってたから買ってきた 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:まつえー@つづキチ全盛期 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:憧れの階段 制限時間:30分 読者:472 人 文字数:1261字 お気に入り:0人
「ここ、ここなんだよ」 もう自分が生まれる前のバブル期に建てられ、年月を重ねて白茶けてきた『近代的なビル』に囲まれた、これまた白茶けた石張りの広場。遊歩道に上が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ミドリ ジャンル:アイドルマスターsideM お題:うへへ、博物館 制限時間:30分 読者:400 人 文字数:1219字 お気に入り:0人
「虹が綺麗っすねー」事務所から見える広い青空に、鮮やかな虹がかかっている。都会にある事務所から見える虹の存在は珍しく、四季は外を見て思わず声を上げた。視線を落と 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:青葉 和 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:幼い消しゴム 制限時間:30分 読者:616 人 文字数:1268字 お気に入り:0人
ボロッと消しゴムの一部が欠けるのを見て、山下次郎は苦笑した。「力入れすぎですよ、はざまさん」 山下はコロコロと、自分の座っているところまで転がってきた消しゴム 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:青葉 和 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:緑の宇宙 制限時間:30分 読者:549 人 文字数:1013字 お気に入り:0人
【sideM やまはざやま】 教育バラエティの一環で、俺たちS.E.Mはちょっと遠出のロケに出ていた。 どちらかというとフィールドワークの要素が多く、三人の中で 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:BanG Dream! お題:不本意な夫 制限時間:30分 読者:7 人 文字数:1649字 お気に入り:0人
山吹亘史が、やまぶきベーカリーを軌道に乗せるまで、なにも苦労しなかったわけではない。 全国各地で、商店街の空洞化が叫ばれる昨今である。東京の、それも文教地区に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:忍たま乱太郎 お題:大人の帰り道 必須要素:しゃっくり 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:397字 お気に入り:0人
妙なことをいう、同行人の顔にはこちらがどれほど苦労しようと、表情は浮かばない。その一瞥で裂かれそうな眼が、雄弁に物を語るのを見たのは同じ学園に在籍していた、あ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ツキウタ。【腐】 お題:消えた火 制限時間:30分 読者:12 人 文字数:2247字 お気に入り:0人
五幕のifの世界です。兎王国の軽い設定を拝借しただけの、五幕の内容は読んでないので、ネタバレにはならない&解らない前提の捏造甚だしいifのお話。パンフ届くのが待 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:進撃の巨人 お題:君の宿命 制限時間:4時間 読者:7 人 文字数:2773字 お気に入り:0人
エレンが楽園を出てマーレ国に向かう少し前の設定です。クルーガーに一方的に話しかけるという内容です。オリキャラが一人いる上に、妄想と捏造を多々含みます。「楽園に居 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ガールズ&パンツァー お題:人妻の血痕 制限時間:15分 読者:29 人 文字数:1116字 お気に入り:0人
どうしようどうしようどうしようどうしよう……。コレは絶対にまずい。こんなのがばれたら、黒森峰は終わりだ。だが、私には一切実に覚えがない。だけど、私のティーガーに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ガールズ&パンツァー お題:許せない寒空 制限時間:30分 読者:27 人 文字数:1697字 お気に入り:0人
あったかもしれなかったガールズ&パンツァーすでにここに私が到着してから1時間が経過している。待ち合わせの時刻は30分は悠に超えている。本土の気候は、もうすぐ五月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:小林さんちのメイドラゴン お題:早い錬金術 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:1351字 お気に入り:0人
「小林さん小林さん!見てくださいよ!」トールがなにやら声を弾ませてリビングへとやってきた。こういう時は大抵わけのわからんものを持ってくるのだ。この前はダレダカに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:僕のヒーローアカデミア お題:きちんとした旅行 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:309字 お気に入り:0人
「寒い…。」思わず呟かずにはいられなかった。寒さを誤魔化すように走ると溶けかかった雪がぴしゃぴしゃと不快な音をたててきた。 空を仰げば雨と雪が混ざったようなも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ガールズ&パンツァー お題:初めての消しゴム 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:816字 お気に入り:0人
「ペコ、これ、消しゴムかけてくれる?」「……はい」私はダージリン様から原稿を受け取り、こしこしとその上に消しゴムを転がして行きます。この『ネリケシ』というのは初 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:大人のボーイズ 制限時間:1時間 読者:16 人 文字数:2454字 お気に入り:0人
「大人の雰囲気って、憧れるな…」国木田、太宰、乱歩が事件の調査に出かけ、与謝野、鏡花が買い物に出かけたのどかな昼下がり。全ては、敦のこの独り言から始まった。「ど 〈続きを読む〉