ジャンル:アイドルマスターsideM お題:空前絶後の小説 制限時間:30分 読者:326 人 文字数:1623字 お気に入り:0人
[削除]

真面目に書くんじゃ!

先生はいつも本を読んでいる。読 んでいない時もないことはないが、基本的には本を読んでいる。
 先生は熱心な読書家だ。いつだって本を手放さない。手放さ過ぎて、たまに人にぶつかりそうになる。人混みがどうやら苦手なようで、時折ふらふらしている。そこも含め、ミステリアスな魅力に溢れている、九十九一希とはそういう男だ。
 先生はよくメモをとる。その言葉はどれも詩的な表現で、自分にはとても綺麗なものに見えてしまう。
 あれが、先生の内側から湧き出る言葉なのだろうか。だとしたら、彼はあまりにも自分とは違いすぎる。先生と自分が違うことなどわかっていた筈なのに、その差が少し寂しいと思った。
 先生も、涼に何かを変えられたのだろうか。自分のように、何かを。その言葉の流れ出ているであろう、心の奥底にある柔らかで繊細な何かを。

 涼はいつもキラキラしている。テレビに映っていた頃の彼は彼女であったし、ふわふわのスカートをはいて、柔らかな曲線美を露にしていた。
 一度だけ、彼が彼女だった頃に雑誌を買ったことがある。彼女の特集が組まれていたその雑誌には、彼女のファンの言葉が綴られていた。
 彼女が彼になった頃。その発表に世間が揺れた。雑誌はひっきりなしに彼を取り上げ、下世話なゴシップが民衆を湧かせた。
 彼の特集を組んだ雑誌には、彼が彼女だった頃のファンのコメントが載っていた。曰く、酷い裏切りだと。
 裏切りとはなんであるか、自分は首をかしげた。彼は、嘘をつくことをやめ、己を素直に表現したのだ。それが裏切りなどと、どうして言えるのか。不思議で仕方がなかった。

 そんな彼らとユニットを組み、アイドルとなったことは、自分の人生において、最大のターニングポイントと言えるだろう。
 自分から見た彼らは、いつだってキラキラしていた。
 それに対して自分がキラキラしていたか、輝いていたか、実のところあまり自信がなかった。
 はなまる笑顔とはよく言ったもので、己の笑顔だけには自信があった。裏を返せば、それ以外にはあまり自信がなかったのだ。
 家柄上、あまり友人と気兼ねなく遊ぶこともなく。どうにも世間と隔絶されている意識があったからなのだろう。
 会話は嫌いじゃない。だが、どうしても隠し事に後ろめたさを感じてしまう己の繊細さが憎らしかった。そんなことを感じずにいられれば、もっと好きなように友人を作れたのではないか。そもそも、隠すようなことさえなければ、こんな想いはしなくて済んだのではないか。
 それでもなお自分が彼らと一緒に居たことは、ちょっとした奇跡だったのかもしれない。
 彼らのそばは不思議と居心地がよかった。アイドル活動をしている間は、家のことも忘れられた。ある種の逃避だったことは否めないかもしれないが、それでもあの頃の自分にとって、勿論今の自分にとっても、彼らは代えがたい存在として心を占領していたのだ。

 自分達の個性はてんでバラバラだったが、それが逆によかったのかもしれないと今なら思う。知らないものだからこそ、お互いを知ろうとしたし、知っていくことが何より楽しかった。
 それぞれがもつ視点は全く別の方向を向いていて、いつだって、同じものを違うもののように見ていたのだ。その違いが、何より面白かった。
 
 そうして自分達はアイドルとして活動を続けてきたし、これからも続けていく。そのつもりだ。
 しかしまあこうして振り返り、思い返すとはなんとも難しいものである。
 今回の寄稿に辺り、少しばかりの手心を加えてくれた先生と涼に感謝しつつ、この長文と乱文を読んでくれたファンに、最大限の感謝を述べたいと思う。
 結局のところ、何を書きたいか途中でよくわからなくなってしまったのだが、ようするにこれからもはなまる笑顔で頑張っていく所存なので、どうか自分達のことを見守ってほしい。

某月某日某所にて カブト ダイゴ

エッセイへの寄稿

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:捨てられたパイロット 制限時間:30分 読者:24 人 文字数:773字 お気に入り:0人
漂流してから52時間が経過しようとしていた。否、正確には、通信機の不調で母艦の座標が特定できなくなり、訓練生時代に座学で習った漂流時マニュアルを思い出して内蔵ラ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:小説家たちのサーカス 制限時間:30分 読者:29 人 文字数:688字 お気に入り:0人
冬馬の家には恋人の伊集院北斗が暮らしているが、翔太の家にも、御手洗家の次女の婚約者として北斗が暮らしている。二重生活ではない。それぞれの家の伊集院北斗は、それぞ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:かゆくなる夕飯 制限時間:30分 読者:25 人 文字数:891字 お気に入り:0人
天ヶ瀬冬馬の得意料理はカレーだが、いつもそれしか作らないわけではもちろんない。「……おなかすいたなぁ……」夜中に二公演、仮眠を挟んで明け方からアンコールをもう一 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:見憶えのある怒り 制限時間:30分 読者:28 人 文字数:895字 お気に入り:0人
グラスの中で、氷が溶けていくのを見詰めている。何がきっかけでそうなるのか、氷は均一に溶けていくのではなく、氷の山のてっぺんに窪みを作って液体となってそこに貯まり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:ゆるふわ愛されダンジョン 制限時間:30分 読者:32 人 文字数:1131字 お気に入り:0人
ゆるふわ愛されダンジョンと、ピンクのふわふわした看板が掲げられた迷路の入り口で、冬馬は途方に暮れていた。「早く入ろうよ。冬馬」なんとなく。すごくなんとなく、北斗 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:生かされたヒロイン 制限時間:30分 読者:120 人 文字数:867字 お気に入り:0人
カットの声がかかって、地に倒れ伏した俺は目を開いた。飴で湿ったコンクリートの上。頬に小石が喰いこんで落ち着かない。スタッフの「OKです」という言葉に、身体を起こ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:箱の中の恋 制限時間:30分 読者:116 人 文字数:1237字 お気に入り:0人
仕事が終わって、報告の為に事務所に向かう。任された仕事は無事こなしたと、忙しそうにデスクに向かう番長さんにそう告げるために。そんなこと電話の一本入れてしまえばそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:純白の職業 制限時間:30分 読者:147 人 文字数:433字 お気に入り:0人
くるくると巡る毎日の中、衣装を変え、表情を変え、視線を変える。進む先はいつだって自分の正面。真っ直ぐに前へ、前へ。胸を張って顔を上げて、時に人を魅了する笑顔を浮 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:みりんPはレジェという深海に沈む ジャンル:アイドルマスターsideM お題:走る失敗 制限時間:30分 読者:328 人 文字数:536字 お気に入り:0人
【雨クリ】満天の星々を見上げながら葛之葉は小さく息を吐く。溜息と呼ぶには軽く、呼吸と呼ぶには重い息が一瞬視界の端を白く染めて消えた。何か起きたら星を見上げるのは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ざくP ジャンル:アイドルマスターsideM お題:女の旅行 制限時間:30分 読者:814 人 文字数:873字 お気に入り:0人
前日に準備はしていた。朝は朝食の一時間前には目覚めて、身支度もある程度整えておいた。それでもシーツを整え、歯を磨いて髪を纏めなおした頃には時間ぎりぎりだった。 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:進撃の巨人 お題:名付けるならばそれは奈落 制限時間:4時間 読者:7 人 文字数:1030字 お気に入り:0人
[R18]リヴァハンです。格好いい兵長も格好いい分隊長もいません。n番ぜんじだよ!ってお話です。えっちかくの初めてです。「っ__ふ、やば…」ハンジは自分の身体が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:許せない挫折 制限時間:1時間 読者:6 人 文字数:2656字 お気に入り:0人
一度立てた誓いがある。誰にではなく、己自身に。この混沌の街を誰かが侵してしまわないように。あの頃ですら平和とは程遠かったが、その危うい均衡を余所者の誰かによって 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:進撃の巨人 お題:君の吐息 制限時間:1時間 読者:4 人 文字数:289字 お気に入り:0人
*モブハン死ネタ(?)注意*横たわるあなたの美しい身体。そこで広がる深紅の血液。「分隊長、生きてますか…!」傷にさわらないようにそっと抱き寄せる。体温も、流れる 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ワールドトリガー お題:冷たい凶器 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:1634字 お気に入り:0人
ぱっと光った。輝いて散っていく。思い思いにちらばっていく花火の、どことも知れない行き先を思いながら、残った煙だけがゆらゆらとくすぶって、花火たちを捕まえられな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:血界戦線 お題:やわらかいパラダイス 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:851字 お気に入り:0人
人間がどれだけ脆いものかを知っている。ぐらりと指先に伝わる肉の柔さを知っている。どの人間にも皮膚があり筋肉があり骨があり内臓がある。主にすべてを真っ二つにしてい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:進撃の巨人 お題:平和と猫 制限時間:4時間 読者:10 人 文字数:2797字 お気に入り:0人
連続投稿を失礼致します。何でもドンと来いという方向けの、捏造と妄想の産物です。サネウリを連想させる描写があるので、苦手な方はご注意下さい。 幼かった私は、あの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:輝く悪 必須要素:長編の冒頭として書くこと 制限時間:30分 読者:10 人 文字数:944字 お気に入り:0人
首領の死体が上がったのは、夏の始まりのことだった。港近く。汽水域の河辺に、ぼんやりと浮いた白い顔。ヘドロに汚されて、煤けて見えていた。――何時、誰が、何処で。蜂 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:求めていたのは嵐 制限時間:30分 読者:13 人 文字数:1035字 お気に入り:0人
(不健全のような……そんなことはないような)乱れる息に思考を散らされながら、ふと思った。これは、さながら荒天に漕ぎ出す小舟のようだと。遮光のカーテンを掻い潜る月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:血界戦線 お題:楽しかった草 必須要素:映画 制限時間:1時間 読者:12 人 文字数:2794字 お気に入り:0人
水曜日の寝床はルーシー。赤茶けた髪とそばかすの散った頬、大ぶりの眼鏡ばかりがよく目立つ。出会った当初はこんな混沌の街に不似合いの田舎娘だった。仕事さぼって腹減っ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:プリパラ お題:限りなく透明に近いうどん 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:608字 お気に入り:0人
「ねえねえ、みれぃ!今日、このコーデでおそろライブしよ!」「良いっぷりよ~☆」コーデの数だけマイチケをスキャンしてね。お友達のトモチケもスキャンできるよ。きらき 〈続きを読む〉