ジャンル:刀剣乱舞 刀さに お題:ダイナミックな牢屋 制限時間:30分 読者:299 人 文字数:1053字 お気に入り:0人

夏はあっという間

夏はあっという間に過ぎてしまう。
それはきっと、四季の夏も、人生の夏も。

「うん、夏はあっという間だ」
「何を言ってるんだ、あんたは。向こう二月ばかりもずっと、暑いままだったじゃないか。
それに……夏なんて、一年したら、また来るんだろう」
「うん、また来るけれど。……それは今年の夏とは、きっと違うものなんだよ」
「? よく、わからない」
「去年の夏は、三日月や博多が来たばかりで。日本号探しに灼熱の宴を繰り広げていたでしょう?」

冷房を利かせた執務室で、次に練度を上げる刀剣男士を選定しながら、夏は短いと独り言をしたら。
ぜんぜんそんなことは無いと、人の身を得て一年そこらの彼は、そういうのだった。

「確かに、やっていたことは違う。だが、夏は夏だ。人の営みの中でずっと、夏は来て、去っていった。
だからまた来るだろう。この先も。夏は、来るだろう?」

人の身を得てこそ一年そこらではあっても、彼は齢五百年を優に超える、付喪神の宿るほどの古い銘刀だった。
そういわれると、彼が刀の身で過ごしてきた夏は、審神者に使われる前にも、そしてきっと後にも、あるのだろう。

「そう、夏は、また来るねえ」
「そうだ。だから、季節が変わるのは、見ていればいい。あっという間だ」
「あっという間、かあ……」
「ああ」

夏が去ってしまうのは惜しいと、そう思ったのだ。
審神者として、人として、燃え盛る夏が去ってしまうのは、きっと寂しいと思ってしまう事なのだ。
去ってしまうとわかると、引き止めたくなるのだと思いながら、正対していた近侍の刀に手を伸ばして触ろうとすると、その手を払われる。

「仕事中だ。あんたお得意のなでなでとやらは、仕事が終わってからにしてくれ」
「あら、つれない」
「仕事が終わってからでないと、落ち着いて堪能できないだろう……べつに、なでなでとやらが嫌なわけではないからな」
「そお?」
「仕事が終われば、休息をしてもいいだろう。夏が過ぎれば、秋が来るだろう?
俺は、秋の方が好きだからな。陸奥守は栗やいもを焼いてくれるし、兄弟は茸を探してきてくれるし。
旨い喰いものが多いから、秋は好きだ。あんたの仕事について心配しなくていいから、仕事が終わるのは好きだ」
「まあ、嫌じゃないならいいけど」
「撫でられるよりは、手入れされる方が好きだからな?」

払われて膝に置いた手の上に、手甲が付いたままの骨ばった手が乗せられる。

「そら、わかったら仕事をしてくれ。あんたの夏が、終わってしまう前に」

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