ジャンル:テニスの王子様 お題:許されざる消費者金融 制限時間:30分 読者:247 人 文字数:1295字 お気に入り:0人

消費者金融「山吹」 ※ネタ出し

消費者金融「山吹」の朝は早い。
とはいっても、構成員が構成員なだけに人が集まりだすのはせいぜい昼過ぎなのだが、それに異議を申し立てるとそいつは知らず知らずのうちに消えてなくなっていることが常なので、誰も何も言わなくなった、というのが真意である。
「ふあ、あ」
丁寧にセットされたオレンジの髪をふわりと揺らし、千石はソファに横たわりながらひとつ欠伸を漏らした。外は晴天だというのに彼は事務所から出るそぶりを一つも見せない。集金は部下に任せて、彼自身は事務所番―もちろん、そういう体のさぼりである―というのがいつもの日常であった。ここ消費者金融「山吹」はいわゆる闇金と呼ばれる類のそれで、しかしそれが堂々と横行できているのは、彼の人当たりの良さと、構成員のとんでもない腕っぷしの強さがあるからであろう。この土地で仕事を始めるようになってからまだそう日は経っていないはずだが、同業はおろか上納金をせびる町の用心棒さんたちも一向に姿を見せないのは、そういった背景があった。
「…亜久津、おそいねえ」
千石はいつもならそろそろ現れるはずの同僚のことをふと思い出した。時計の針はてっぺんを回り次の一周のためにちくたくと働いている。今日は一緒にお昼食べに行こうって約束したのに、相変わらずだよなあ、亜久津は。
よっこらせ、と彼は先ほどまで身を預けていたソファから身を起こした。電話でもかけてみようかな、と携帯を操作すると、ほぼ時を同じくして彼のほうから着信が入ってきた。ワンコールで電話に出る。
「もしもーし、亜久津?今日遅くない?」
「るせえ」
聞きなれたぶっきらぼうな返答が返ってくる。電話口の向こうからかすかに男のうめき声が聞き取れて、今日も亜久津は元気だねえ、と日向ぼっこを楽しむ爺さんか何かのように感想を述べると、亜久津はふん、と鼻を鳴らすばかりでまともな答えは返してくれなかった。中身のない通話。彼と職場を同じくするようになって何度かかかってくるようになったが、口から生まれた千石君、と称されるほどの彼はこの通話に亜久津が何を求めているのか見当もつかなくて、この時間にはいまだに居心地の悪さを感じていた。そもそもなんでかけてくるんだろう。俺がかけてもとってくれることほとんどないくせに。思い出してみると、彼がこの中身のない通話を仕掛けてくるのは決まって彼が誰かを殴ったであろう後だった。何かを俺に伝えたいのだろうか。しかし何度頭をひねってみても、陽光に反射して輝くオレンジの頭から妙案が生まれてくることはなかった。
「集金は」
「え?」
唐突に彼に話しかけられて、間抜けな声が口から漏れ出る。電話の向こうの彼はそれにまたいら立ちを募らせたようで、すこし声を張り上げて再度俺に尋ねてきた。
「集金。きちんと聞いてろ」
「ああ、何人かが行ったよ。珍しいね、亜久津が集金の心配なんて」
「心配なんざしてねえよ。広場前西通りに来い」
ぶつん。
「あ、切れた」
いきなりの呼び出しにも、もうなんだか慣れてしまった。ついでに飯も食ってこよう、と千石はソファにかけていたジャケットを翻し、事務所を後にした。

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