銀河鉄道に乗って ※未完




昔々、私はある物語に囚われていた。

その物語は綺麗な映像のアニメ映画で。
諸般の事情があってぎこちなくなった幼馴染の二人が、子どもだけで銀河鉄道に乗って冒険をする話。

一緒に笑って泣くうちに、自分達を縛るしがらみから、遠く離れた宇宙の果てで。
元のように和解して、中の良い幼馴染に戻って、どこまでも、どこまでも一緒に行こうと約束する話。

だけど、そのうち片方は、死んでしまったお母さんに呼ばれて、二人の暮らす街よりも、その上を通る銀河鉄道の通る線路よりも、うんとうんと遠い所に、一人で向かって行ってしまう。

そうしてひとりぼっちになった片方の男の子は一人、元の街で目覚めて。
そうして……知ってしまうのだ。幼馴染が、友達を救う為に川に飛び込んで、死んでしまったんだってこと。

私はそのアニメが本当に好きで、人の死が何か分からないのに、何度も何度も、フィルムが擦り切れるまで見ていた。

そして、そんな素敵な話のことを、色々な友達に言って回った。
けれど、私と同い年の子たちにそれは難し過ぎて、しかも幼い私の言葉じゃ大人にも上手く伝えられなくて。
誰も、ちゃんとは聞いてくれなかった。

けれどーーたった一人だけ、私のそんな詰まらない話を、真剣に聞いてくれた男の子がいた気がする。

凄く綺麗な子で、話をしたのもーーまるでその物語に出てきた、イギリス海岸みたいに綺麗な場所だったから。
もしかしたら、寂しい私が作った、夢の男の子なのかも知れない。

けれど、その夢の男の子は私の話を神妙な顔で聞いてくれて、私の伝えたいことをしっかりと理解してくれた。

「ね、僕ら、もっと大きくなったら、どこまでもどこまでも一緒に行こうね」
「うん、約束だよーーくん。お母さんが呼びに来ても、行っちゃうダメだよ」
「うん、きみもね。お母さんが呼びに来ても、道に猫ちゃんがいても、勝手に何処かにいっちゃ、ダメだよ」

そう言って、まるで銀河鉄道が走って行く道のような溢れるような夜明け間近の星空の下で、私たちは指切りをした。

おさまさかそれが、今すぐ破られる約束だなんて思わなかったのだ。

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