ジャンル:ワールドトリガー お題:知らぬ間の風邪 制限時間:30分 読者:506 人 文字数:1026字 お気に入り:0人

三輪米な米屋と東さん ※暗い



「……何故、こんなことをした?」

東は静かに尋ねた。向かいに座るのは一人の少年。

「すいませんって、反省しましたって、俺も三輪も」
「何故、と俺は聞いているんだ」

東はもう一度繰り返した。実際不可解だった。彼らはある日突然姿を消して、ある日突然見つかった。
ーー有名な自殺の名所で、警察に保護されたのだ。

「何故って、三輪が」
「三輪が?」
「言ったんですよ。『死にたい』って。俺、『ネイバーは全て殺すんじゃえねぇの』って言ったんですけど、『そんなのどうでもいい』って言うから、本気だなって」
「……で?」
「思ったんで、こんな所じゃダメだなぁって。適当に調べて、そのままノリで電車乗って……いやほんと、迷惑も心配もかけちゃってすいません。三輪っていうか、俺が悪いです。あいつまだ寝込んでるんですよね。いや、着いたと思ったらあいつぶっ倒れて、無理させてたんだなぁって。俺が無理矢理連れ回したから……」

米屋はそう言って、俯いた。本気で反省しているようだ。反省?反省って何を。
何を反省しているんだ、こいつは。

「……米屋、お前、なんのつもりで三輪を連れて行ったんだ」
「なんのって、いや、自殺の為ですけど」
「……三輪のか」
「そういや誕生日近いしなって……あっ、そういうのってダメなんでしたっけ。自殺ほうじょ?でしたっけ……」
「まぁ。それもある。未遂とは言え犯罪だ。お前には1週間の謹慎が命じられるだろうな」
「あー……。も、って他にもあるんすか」

若干ゲンナリとして言う米屋。東は自分が何かとんでもない思い違いをしていたのではないかと思い出す。いや、むしろそうであってほしい。そうでなければつじつまがあわない。少なくとも、東の生きる世界では。

「……米屋。三輪とは何なんだ。……友達、なんじゃないのか」
「え?そうですけど」
「……友達の自殺を、止めもしなかったのか」
「本人が望んだことですし……あんなことがあったから、しょうがないかなって」
「……」

友の自殺に協力する。
違和感が拭えない。こいつは、こいつは、明るすぎる。あまりにも躊躇いを知らない。

「……三輪が、自殺したら、どうするつもりだったんだ」

苦々しいものを思いながら、東は問う。
米屋は言った。正直に。真っ直ぐに。
年頃の少年としては、正直過ぎるほど、ありのままに。

「そんなの、決まってるじゃないですか」

「一緒に死ぬつもりでしたよ、ふつーに」

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