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遺伝子のいたずら

向かいに座る息子の表情は固く、こちらに大人二人が座るのはかなり大人げないことだと、少しだけ息子に同情しそうになった。彼は怯えているというより、顔色をなくしていた。幼い頃も、叱られる前にこんな顔をしていた。それでは駄目だ、と気を取り直し、俺は言った。
言い訳を聞こうか
腹の中は煮えくり返っていたが、俺は冷静に訊いた。息子の目の前にあるグラスの表面から水がしたたり落ちていた。縁に小さな水たまりができていた。彼は水にも手を付けていない。こちらも同じだ。入店した客への礼儀としてやってきた店員は、水の入ったグラスとメニューを置いて、注文も案内もせずに静かに立ち去った。空気を読んだのだろう。
……自棄になってた
そうだろうな
そうでなくては困る。十五歳。分別はついている。身の回りのことも、判断も、己でできて当然の年齢だ。
真隆は目立った才能はない。けれど、誰にでも愛される良い人間に育った。俺にはできなかったことだ。きっと生来の気質の問題なのだろう。大きな病気もなく、健康に育った。健康に、育った、はずだった。
(自棄になった原因を話すだろうか)
向日葵のように育った真隆だったが、どうしてか、恋愛関係が捻くれてしまった。俺の中の一部が、あいつが悪い、と憤慨していたが、こういうことに関して、外野がとかく言ったところで無駄で、逆に火に油を注いでしまうことにもなる。俺は慎重に慎重を重ねた。それに、自分の親に恋愛関係を指摘されるほど嫌なものはないだろう。
真隆
……ごめんなさい。馬鹿なことをしたと思ってる。もうしない
(俺の息子にこんな顔をさせるなんて、あの野郎)
俺の一部が一人で盛り上がっていたが、俺は深呼吸した。
わかればいいんだ
隣に座っていた緑間が、ため息をついてから言った。
赤司、お前も人のことを言えた義理ではないし
……え?
真隆が驚いたように顔を上げる。
緑間
親子っていうのは、そんなところも似るんだな
緑間は俺を見降ろしながら、そんな俺の過去の黒歴史をそっと公表した。

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