ジャンル:おそ松さん お題:忘れたい境界 必須要素:ギター 制限時間:4時間 読者:255 人 文字数:1691字 お気に入り:0人

トト子の飴と鞭により成立するバンド松の話

「ねえみんな、トト子のバックバンドやってみない?」
 幼馴染の女の子は、大事な話があるの、と言って六つ子を部屋に集めると、単刀直入にそう言った。曰く、商店街のイベントで音楽祭が企画されており、商店街の一員かつ元アイドルとしてトト子ちゃんにも参加要請がきているが、せっかくの音楽祭なのだから、録音した音源ではなく、是非、生演奏で、という話になっているらしい。
「トト子、歌と踊りはできるけど、楽器の演奏はちょっとね~」
「そんなの俺達だってそうだよ、楽器なんて、子どもの頃、音楽の時間にちょこっとやっただけで、あとはぜーんぜん」
「僕も小中でのリコーダーくらいしか経験ないなあ」
「僕、歌うのは好きだけど、楽器は難しいよね!」
「フッ……俺はたまに屋根の上でギ――「一松兄さんはどう?」――えっ」
「なんでおれ?」
「あっそうか一松、お前、このあいだここに来たときに、V系バンドみたいな格好してたじゃん、ギター持って」
「あ、あれはファッションっていうか、人前で演奏できるほど僕、うまくないよ……」
「僕も、ピアノで弾けるのって、”猫ふんじゃった”くらいだからなあ」

 う~~~ん。トト子ちゃんのお願いならなんでもきいてあげたいけど、ちょっと練習して出来るようになるものでもないし。残念だけど、と断る空気を察したのか、トト子ちゃんから報酬が提示される。

「ちなみにコンクール形式で、優勝賞金は100万円、副賞は熱海温泉1泊2日、七名分よ! トト子、みんなと一緒に温泉、行きたいな~」

「トト子ちゃんと温泉……!?」「仲の良い異性との温泉旅行……行き着く先は……」「も、もしかしてポロリも」「湯けむり……」「セクロス!?」「風呂上がりのトト子ちゃんか……」

「やるぜみんな! おれたち六つ子の本気を見せてやるんだ!」
「「「「「オー!!!!!!」」」」」



 やる気になった六つ子が向かったのは、市内の公民館。建物の中で一番大きい部屋に、いろんな楽器が所狭しと並べられていた。 
「どれでも好きな楽器を選んでいいジョー?」
赤塚地区商店街企画・音楽祭のスポンサーは、ミスター・フラッグ。なんと、音楽祭の参加者に、楽器の無料貸出を行っている。

「これアコースティック・ギターってやつ? 一回弾いてみたかったんだよね~」
「フッ、エレキギターを爪弾く……俺!」
「へえ、ヴァイオリンなんてあるんだ」
「この太鼓、タブラっていうのか……間違えても目立たなそう……」
「ねえねえ僕シンバルやっていい!? 《ジャーン!!》 うるさいね!」
「あっ、キーボードだ。こんなにいろんな音が選べるんだ」

~30分後~

「なんか飽きちゃった。もうハタ坊に温泉連れて行ってもらえば良くない?」
「フッ……指が痛い」
「やっぱり初心者がいきなりヴァイオリンって無理だよね、せめて教えてくれる人がいないと」
「えっ、みんな帰るの?じゃあおれも……」
「ボウエッ!」
「ボク夕方から予定入ってるからそろそろ帰って着替えなくちゃ」

「なんっっで開始30分でダラけてんだクソ童貞どもおおおおお!!ちったあ根性みせんかい!!」
般若のような恐ろしい顔で罵声を浴びせられふっとばされて固まった六つ子たちを、今度は半眼で見つめるトト子。
「……って、怒っても仕方ないわね。元々、無理言ってお願いしてるの、トト子なんだし。――いいわ、そんなあなたたちに、トト子から重大発表があります。今回の音楽祭、ミスター・フラッグがスポンサーということで、政財界の大物・芸能関係者が多数、出席することになりました。いち商店街の企画としてはありえないほど大規模な音楽祭よ。この音楽祭で注目を浴びれば、メジャーデビューも夢じゃない! そこで!」
コホン、と咳払いをひとつ。
「この音楽祭で優勝できたら、一泊二日の熱海温泉で、トト子と混浴する権利をあげます!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」

やる気を取り戻した六つ子を眺めながら、トト子は思う。
さて、この宣言でいったい何分保つことやら。

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