ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:穢された計算 制限時間:15分 読者:193 人 文字数:1818字 お気に入り:0人
[削除]

あんこは・・・うまい。

「うーん、」

歌仙兼定は、先ほどほつれを直したばかりの真っ白だったはずの鶴丸の衣装を見て、どうしたものかと困り果てていた。

少しお茶を飲もうかと、その部屋を離れている間に、汚れやほつれ、きれいにしたはずだった真っ白なそれが、なぜだか、
茶色の何かで汚れていた。

が、誰もいないし、


「・・・あぁ、僕の計算が台無しだ・・・」

せっかくいろいろと気をまわして、普段やんちゃばかりをする彼だが、彼なりに努力をしているとねぎらうつもりだったのに、
これでは僕がやらかしたも同然じゃないか。

誰なんだこんなことをしたやつは。

とにかく固まっていても仕方ないと、慎重に持っていた湯呑を少し離れたところにおいてそこへと座り、机の上に置いてあったその衣装の
汚れたところを見る。

「・・・・あんこか?」

甘い匂いがし、近づいてみるとどうやらあんこがついているらしいことがわかった。
茶色だと見えていたそれは、どうやらつぶあんだったらしい。

それにしても誰がこんなこと、と普段お菓子をよく燭台切光忠に作ってもらってはいろんなところで食べているのを見かける短刀を
思い出す。

が、さすがにそれだけで彼らのせいだとするのは早すぎるだろう。
それに、そういう子たちは基本黙っていられなくなって誰かしらから謝ったほうがいいといわれて、素直に出てきてくれるのだ。
間違ってもこんな黙っていなくなる、ということはないだろう。
粟田口は、品がいいから一期一振に言われ、きちんと座って食べろと言われているし、ほかの短刀も多少やんちゃなところはあるが、
にしてもこんな僕がお茶を汲みにいった少しの間にここにきて、すぐいなくなるなんてことは逆にないだろう。

頭を悩ませため息をつきながらも、早急にそのあんこをこすらないように丁寧に手拭いでぬぐうが、やはり少ししみになってしまい
そうなそれに、頭を抱えながら立ち上がりそれをもって早急に水洗いしよう、と
心に決め障子をあけて外に出ると

何やら顔をしかめ、いつにもましてぶつぶつと何かをつぶやきながら思いふけった様子の俱利伽羅に出くわした。


「・・・っ・・・!!?」

廊下を行ったり来たりしていた倶利伽羅は僕に気づかなかったようで、ぶつかりそうになって慌てて顔を上げたと思ったら僕の手元と
僕の顔を見てさらにびくっと驚いた顔をした。

と思ったら急にうつむいて、うろたえた様子を見せ始め、倶利伽羅らしくもない態度に頭をひねる。

この様子は・・・・。

どうしても今の出来事に絡めて考えてしまう自分に、まずは倶利伽羅に確認だ、と思い

「もしかして、この衣装について何か心当たりがあるのか?」

と尋ねる。

するとまたびくっと反応した倶利伽羅が珍しくたどたどしく顔を上げ、こちらを申し訳なさそうにしながら見た。
とはいっても、この衣装を気にしているというよりは、いつもの僕の怒号が落ちないかどうか、気にしている様子だ。
まぁ、今回のことは、僕がみんなが来るかもしれない部屋で縫物をして、それを放ったらかしにして少しでも離れてしまったことにも
原因があるからそこまで怒るつもりはないんだけどね。
実際こうやって話そうかどうかちゃんと迷ってくれていたみたいだし、実際うちの連中が何をしでかすかわからない連中だとわかってい
ながらもこんなものを放置しておいた僕も僕だ、相手が相手なら、いつも鶴丸に驚かされているからとまたとんでもない仕返しもして
いたことだろう。

「今回のことは僕も悪い。

鶴丸には、ちゃんときれいにして返しておくよ」


まぁ不注意は誰にでもあることだ、と詳しく聞かずとも状況を把握した僕がそういうと倶利伽羅は一言だけ、
悪い、
と言って僕から背を向けた。

「・・それにしても、君があんこだなんて珍しいね?

この様子だとおはぎ・・・かな?」

光忠くんが作ってくれそうなあんこのものと言ったら・・・落ちるぐらいだから、おはぎだろうけど、それにしても不注意は不注意でも
倶利伽羅がそんな不注意をするほど夢中になってそれを食べていたというのも不思議な話だ、と少しだけ気になって聞くと

「・・・・・ずんだだけじゃない、・・・おはぎも好きになった」

そうつぶやいた倶利伽羅のうっすらとした笑みに、


僕もつい汚れた衣装のことも忘れそうになりながら笑ってしまったのだった。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:羽白@白鮭 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:灰色の僕 制限時間:15分 読者:94 人 文字数:905字 お気に入り:1人
髭膝習作。安定のメリバ(SS)「兄者」 そう言って僕を呼ぶ弟を認識するといつも他の……多分幻聴にかき消される。それは友切の頃の記憶であったり、分かたれたばかりの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:羽白@白鮭 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:腐った猫 制限時間:15分 読者:59 人 文字数:985字 お気に入り:0人
※救われない「兄者、それはどうした。」 本丸でこそこそと動いていたらふと弟に話しかけられた。とはいえ弟はもともと僕の行動に敏感だったから隠し通せるなどと思っては 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:私の仕事 制限時間:15分 読者:286 人 文字数:556字 お気に入り:0人
※歌さに、闇落ちした刀の破壊。 目前に立つは、何度見ても愛しきこの本丸の一口。されど彼が翳すのは忠義でなく、煌めく黒い刃。「主は後ろに」 審神者の傍に、彼が在っ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:帝王の狂気 制限時間:15分 読者:225 人 文字数:578字 お気に入り:0人
※男→←審←←←歌、殺害 彼は、王だった。「何でも僕に相談してくれ」 歌仙兼定は初期刀だった。就任したての審神者を導き、この本丸を形成した。内番の当番表、戦闘の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:恋の諦め 制限時間:15分 読者:328 人 文字数:555字 お気に入り:0人
※歌さに(男←審←歌)、殺害、死体 審神者に男が居ると知った時。諦めよう、と思った。「でも、無理だったなあ」 審神者の頭部を抱えて歌仙兼定は笑う。体はどこかへ捨 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:不本意なゲーム 制限時間:15分 読者:366 人 文字数:827字 お気に入り:0人
※へし歌へし、死ネタ。 かり、かり。爪をやする音。「刀でも爪は伸びるんだな」 へし切長谷部がふと零す。ここは歌仙兼定とへし切長谷部の部屋。狭くなってきた本丸で、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:殺された爆発 制限時間:15分 読者:356 人 文字数:728字 お気に入り:0人
「無念だ」 審神者の死骸が転がる庭にて、歌仙兼定は物思う。天候は曇り。なれど辺りは嫌に明るい。燃える本丸。木と肉と骨の焦げた臭い。風流とは程遠い。「貴様らにこの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:素人の抜け毛 制限時間:15分 読者:317 人 文字数:808字 お気に入り:0人
廊下をすれ違いざま。へし切長谷部の鼻腔からぴんと一本の毛が生えていることに気がついた。「君、鼻毛が出てるよ」 歌仙兼定は、取り敢えず声をかけてやる事にした。あ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:苦い愛人 制限時間:15分 読者:389 人 文字数:689字 お気に入り:0人
※へし「歌仙兼定」 妙に冷たいへし切長谷部の声。「……はいはい」 ああ、これは抱くか抱かれろと言っている声だ。気付いて明日は自分が非番だった、と身を任せる。間髪 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ささ@絵垢 ジャンル:刀剣乱舞-ONLINE- お題:これはペンですか?違うわ、それは喜劇 制限時間:15分 読者:416 人 文字数:794字 お気に入り:0人
※腐向け、にっかせ、みんな死ぬ。 カリカリ。カリカリ。真夜中に響き続ける小さな音。「何を書いているんだい?」 それはペン先が紙をひっかく音。にっかり青江はその音 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:進撃の巨人 お題:平和と猫 制限時間:4時間 読者:5 人 文字数:2797字 お気に入り:0人
連続投稿を失礼致します。何でもドンと来いという方向けの、捏造と妄想の産物です。サネウリを連想させる描写があるので、苦手な方はご注意下さい。 幼かった私は、あの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:輝く悪 必須要素:長編の冒頭として書くこと 制限時間:30分 読者:6 人 文字数:944字 お気に入り:0人
首領の死体が上がったのは、夏の始まりのことだった。港近く。汽水域の河辺に、ぼんやりと浮いた白い顔。ヘドロに汚されて、煤けて見えていた。――何時、誰が、何処で。蜂 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:求めていたのは嵐 制限時間:30分 読者:10 人 文字数:1035字 お気に入り:0人
(不健全のような……そんなことはないような)乱れる息に思考を散らされながら、ふと思った。これは、さながら荒天に漕ぎ出す小舟のようだと。遮光のカーテンを掻い潜る月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:血界戦線 お題:楽しかった草 必須要素:映画 制限時間:1時間 読者:11 人 文字数:2794字 お気に入り:0人
水曜日の寝床はルーシー。赤茶けた髪とそばかすの散った頬、大ぶりの眼鏡ばかりがよく目立つ。出会った当初はこんな混沌の街に不似合いの田舎娘だった。仕事さぼって腹減っ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:プリパラ お題:限りなく透明に近いうどん 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:608字 お気に入り:0人
「ねえねえ、みれぃ!今日、このコーデでおそろライブしよ!」「良いっぷりよ~☆」コーデの数だけマイチケをスキャンしてね。お友達のトモチケもスキャンできるよ。きらき 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:あんさん腐るスターズ! お題:彼と夕方 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:786字 お気に入り:0人
行きと違って帰りは足取りが重い。学校に向かう時は、あの子に会える喜びでいっぱいだ。家に帰る時には、あの子と一旦お別れをしなければならない。また明日ね、彼はそう言 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:Fate/GrandOrder(腐) お題:勇敢な体 制限時間:30分 読者:13 人 文字数:1122字 お気に入り:0人
槍弓「ヘマすんじゃねーぞ」「君に言われたくはないな。あの魔獣と違わないその猪突猛進ぶりには驚かされる。…ああ、君は猪ではなくフリスビーに飛びつく犬だったかね?」 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル: お題:意外!それは沈黙 制限時間:30分 読者:7 人 文字数:1474字 お気に入り:0人
意外!それは沈黙雲雀×夢ヒロインテーブルの上には今朝郵便受けに入れられていた手紙が並べられている。私はその中で、一際可愛らしい装飾がなされたハガキを手にとって、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:小説の魔法使い 制限時間:30分 読者:13 人 文字数:1117字 お気に入り:0人
青ざめた指先の向こう。あまりにも頼りなく薄い刃物。今にも折れそうな不銹鋼だが、僅かに引くだけで的確に肉を削ぐ。寸分の狂いもない腕前。苦痛に喘いでいた大男から鉛玉 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:バンドリ!ガールズバンドパーティ!ー お題:鳥の雨 制限時間:30分 読者:9 人 文字数:1424字 お気に入り:0人
雨がちな日に生まれたんだなあって思ってた。私は、子供の頃から、あの《キラキラドキドキ》を見つけた日から、星空を見るのが大好きで。大好きなお友達。お父さん。お母さ 〈続きを読む〉