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黄色い魔法使い




雪が降る外を、ゆうたは1人で歩いていた。また、アニキとケンカした。いつもは双子を活かそうってうるさいくらい言ってくるくせに。なんでこんな時だけ、勝手に違うことするんだよ?

「あ、ゆうたくんっ!」

気が滅入り、寒さと相まって、翠くんじゃないけど死にたいなと思っていた時だった。後ろからもう聞き慣れた声が聞こえた。

「ゆ、ゆうたくんっ?!聞こえてるでござるか〜?」

忍くんだった。仲良くなってからは、よく喋るようになって。今では、向こうから話しかけてくれるようになった。

「どうしたの、忍くん?こんな所で会うなて奇遇だね。どっかお店入って、ごはん食べる?奢るよ。」

忍くんは少しの間無言だったけど、少ししたら小さな声でこう言った。

「拙者のおすすめのお店があるでござる。そこに案内するでござるよ〜。」

そう言った忍くんに案内されてやって来たのは、カレー屋さんだった。チェーン店とかじゃない、個人経営の少し汚いお店。

「び、ビーフカレーふたつ、お願いするでござるっ。」

緊張した面持ちで、忍くんが俺のぶんも頼んでくれた。なんでも、ここのビーフカレーは絶品らしい。
運ばれて来たビーフカレーをスプーンで1口食べてみた。レトルトの味じゃない、家庭の味とでも言うような味がした。心が暖かくなるような、そんな味だった。

「…ふふ。おいしいね、ここのビーフカレー。」

「やっと笑ってくれたでござるね、ゆうたくん。」

忍くんはほっとした顔をして、自分の分のカレーを頬張った。

「…魔法使いみたいだね。」

黄色くて暖かい魔法に、俺は救われた気がする。

「ありがとう、忍くん。」

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