ジャンル:Undertale お題:淡いぬるぬる 制限時間:1時間 読者:194 人 文字数:2578字 お気に入り:0人

3巻が手に入らない

*ネタバレ注意
*Pルートだよ
*お題そんなに関係なくなっちゃった。


(3巻が手に入らないのよね……)
 ゴミ捨て場に流れ着いたビデオ・ケースの外箱をながめ、Alphys博士は思案していた。箱の中身はUndyneが見つけてきてくれた人間界で人気らしいアニメシリーズだ。
 最初は絵柄が受け付けなかったのであるが、そんなことは1話を見る間にどうでもよくなってきた。ストーリーが存外に面白く、Alphysはすっかりそのアニメに熱中していた。
 しかし、どうにも古いものらしく、3巻目だけがどうしても手に入らない。悔し気に目を凝らし、かすれた説明を読みながら、彼女はため息をついた。なんの因果か、ダブった4,5巻だけは二組ずつあって、そちらはUndyneの友達に貸していた。
 こればかりは、地上がうらやましいものである。地上に出られたら、いつ放送できるか分からないアニメの続きを待ち続けることもないのだろう。……多分。

「それで、今日も1巻と2巻なのか?」
 修理したビデオデッキとブラウン管テレビを持ち込んで、AlphysとUndyneは、Undyneの家でアニメの鑑賞会を開いていた。無機質に点滅する映像が、彼女たちの横顔を照らしている。
「先に4,5を見て、3巻はあとで見ればいいんじゃないか?」
「Andyne、せっかくだけど……」
「?」
「ああ、いや、えーっとね……つまり、私はネタバレは最後まで取っておきたいんです」
「そういうものか?」
「だって、抜けてたら居心地が悪くない?」
「うーん……そうだな」
 Undyneは、ストーリーを追うのも好きだが、その順番にはこだわらない。どちらかといえば、お気に入りのシーンを重視するタイプだ。本当は、4と5を先に見ても良かったのだが。けれど、ちらりと横目でAlphysを見ると、そんな気は早々に失せていた。
「まあ、分からなくもないな」
「俺様はもう見ちゃったけどな、ニェヘ!」
「おお、来たのか」
 やってきたPapyrusに、Undyneは場所を開ける。
「あ、こ、こんにちは……」
 Papyrusは、どれから見ようが大して気にしないようだ。4と5を借りていたPapyrusは、なんと最終巻から見始めたらしい。ネタバレ(をされるの)が嫌いなAlphysからすれば信じられない行為だが、それでも楽しんでいるらしい。
「で、どうだった?」
「あの……あ、詳しいことはそのー、内緒にしてもらえると……」
「ああ、最高だったぞ! 俺様には1巻での主人公の安否が気になるな!」
「良い訓練になっただろう」
「そうよね1巻の、あの、主人公が実は超能力者だって気が付いて悪の組織のトラックに撥ね飛ばされて一時は死を覚悟するシーン、あれはとても古典的って言えるほどだけど、でも是非最後まで見てほしいの、そうしたらトラックが実は伏線で運転しているのがヒロインの親だって展開が」
「Alphys博士は詳しいな!」
 Undyneは笑って、Alphysの肩を叩いた。ひんやりした体温が伝わってきて、Alphysは身じろぎした。
「大丈夫、きっと主人公は悪になんか負けないさ」
(私が気にしてるのは……つまり、その、最終的に主人公がどのヒロインとくっつくかってことなんだけど……ああ、あと、主人公の親友に立ってた死亡フラグも気になるわ……。っていうか、その、親友とくっつくってことはないのかしら? きっとないわよね。明らかにヒロインってあの子だし……ああ、もう、もやもやするわ)
「3が見つかればいいんだけどな」
 何度も繰り返して見たテープはかすれて、再生もほとんどおぼつかなくなっていた。けれど、どうしても3巻は見つからないのだった。Alphysはぱたりと携帯電話のボタンを押した。「【考察】3巻の展開予測してみたwwwwwwwwww」。考察というよりは淡い伏線を基にした、こじつけに近いそれはかなりの分量になっており、いよいよpart5に到達しようとしていた。

***

 Waterfallには、今日も滝の上から新しいゴミが流れてくる。そこから新しいものを見つけるのは、地下に閉じ込められたモンスターたちの一部のささやかな楽しみだ。
 いつもと違うのは、地下に落ちてきて、いつのまにか彼らと友達になった小さな人間がいることである。
「兄弟! そいつは逆さまだ!」
「heh、本当か?」
 拾ったマンガ雑誌をぱらぱらめくっていたSansは、Papyrusに怒鳴られて肩をすくめた。
「ンガア! これは、と思ったら……7……じゃなくて1か」
 Undyneは拾ったビデオを放り投げる。後ろでそれをキャッチした人間は、じっとそれを眺めていた。
「なんだ? 知ってるのか?」
 YESと答えると、UndyneとAlphysの視線は、一斉に人間に向いた。
「し、知ってるの?」
 Alphysは、がくがくと人間を揺さぶった。
「あのシリーズを見たことあるのね! 知ってるのね!」
「人間! 吐け! どうなるんだ!」
「やめて! ネタバレは聞きたくないわ!」
「いや、吐くな!」
 Undyneはあっさりと手のひらを返す。
 人間はこくりと頷いた。
「ああ、でも、推しが死ぬのかだけ……いやいや、それも、それももったいないわね……死ぬっていうのも見せ場の一部だったりするし……あのーでも、カップリングだけ……いや、やっぱりやめておいた方が良いのかな……」
 Alphys博士はぶつぶつと言う。Undyneは人間の手を引っ張ると、物陰に連れて行った。
「おい、人間、あたしにだけ内容を教えろ。いや……うん、特に深い意味はないのだが」
 人間は、Undyneに身を寄せてひそひそと囁いた。
「嘘だろ!」Undyneの怒声が響き渡った。青い決意を帯びた槍が、どこからともなく現れる。
「嘘をつくな、人間、お前……あたしは、あたしは信じないぞ、そんなの!」
「Undyne!? 落ち着いて、何があったの!? いや、言わないで!」
「落ち着け! 落ち着くんだ! ……Sans!? どこへ行った!? Sans!」
 響き渡った怒声に、エコーフラワーが小さく言葉を返していた。

 彼らが地上に出られるのは、もう少し先の話になる。

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