ジャンル:血界戦線 スティレオ お題:簡単なマンション 必須要素:ギター 制限時間:15分 読者:131 人 文字数:1047字 お気に入り:0人

BGMは何にする?

のんびりとした夜。くっきりと白い霧の中から流れ込むネオンだけが、そっと部屋の床を極彩色に染めていた。時折、何かが空を横切る影が流れては、窓枠の向こうへ消えていく。
そんなミニシアターを眺めながら重心を軽く後ろに倒せば、ギシリと体の下のベッドが軋む音がする。安過ぎず高過ぎず、庶民的なお値段で手に入れられる中で最高級のベッドも、人間2人を上に乗せれば耐え切れず喘ぐのもしかたない。そもそも、コレは独り暮らし向けのベッドで、2人で寝ることを想定されていないのだから。

「……レオ、観客に無視されたシンガーは、黙るしかないんだが?」

ぼんやりと色々な事を考えていたら、隣から抗議の声がする。自分以外のもう一人、ベッドにとっては想定外の重さの犯人。粗雑で簡素な子の一室には似合わない、洗練された雰囲気の伊達男。…………そして、言い添えるなら、自分の恋人。その恋人は、隣で古ぼけたアコースティックギターを片手に、どこの国の歌か分からない歌を、のんびりと歌っていたのだ。
低く掠れて甘い歌声をBGMに、ありきたりな夜のミニシアターを楽しんでいたのだけれど、どうやらお気に召さなかったらしい。ほんのり酔っていると見える顔が、途端に幼く拗ねた表情を見せる。この人は、時々こうした子供じみた独占欲を見せることがある。そういうときは、決まって大きな弟が出来た気分で、優しく抱き締めて独占させてあげるのだ。
だけれど。今日は、生憎それをするには邪魔がある。すらりと組んだ長い脚の上に居座る、ダークオークカラーのギターだ。それをどけてしまうと、きっとまた拗ねるだろうし、それでもこの体勢のままじゃご機嫌斜めなままだ。

「んー……俺は俺なりに楽しんでいたんですけど……」
「その割には、下ばっか見て、拍手もくれないじゃないか」

彼の方を見て弁解するように言うも、どうやら斜めになったご機嫌はそのまま固まってしまったらしい。上半身をこちらに捻ってじっと見つめ返しながら、ぶすくれたように言い返してくる。普段の伊達男が見る影もない不細工になってしまっている。けれど、両者にとってその体勢は僥倖だった。上体を捻ったことで出来た隙間に、自分の体を滑り込ませて首筋に抱き付く。そうして、そっと口づけをする。

「ちゃんと聞いてましたよ。素敵なうたでした」
「……そっか」
「ええ。だから、眠たくなっちゃって」
「ん、わかった。」

ぱたり、と倒れて、くすりと笑う。
ありきたりな夜は、こうして更けるのだ。
いつものように。

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