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データベースじゃかなわない

素晴らしい経験をしたね、それは「」

マーリンがそんなふうに評価するのを、俺は意外なことに思った。
マーリンは俺のベッドの上で枕を抱えてニコニコと笑っている。俺は机に備え付けられた椅子に座って彼を見ている。いつもの構図だ。何かある度俺はこうしてマーリンにあったことを伝える。
今回のメイントピックは、当然新宿でのことだ。出会った人について、起こった出来事について、思ったことについて、俺は語る。きっとマーリンは全てをお見通しなのだろうけれど、まるで初めて聞いた時のように興味深い素振りを見せてくれる。それが嬉しい。

「マーリンは、ミステリも嗜む?」
「そも、読書という習慣がないからな。でも有名な話はだいたい知ってるよ、知識として」
「それはなんというか、別次元だなあ」

百科事典にデータをぶち込んでるみたいなもんだろう。検索エンジンは全てを教えてくれるけど、じゃあ検索エンジンは全てを知っているのかと言われたらそれはとても難しい。そもそも知ってるってなんだろう。情報があるということを『知っている』というならば人間が機械に勝てやしない。
でも人間にしかできないことがあるということは、それはやっぱり違うんだろう。

「キミは?ミステリーも読むのかい」
「うーん、あれだな、コナン」
「ドイル?」
「漫画だよ」
「あ、僕のイマイチわからない方のやつ」

きっとマーリンは俺の好きなマンガのあらすじも本当は全部知ってるんだと思う。仮に今知らなくたって、ちょっともすれば全部知ることが出来る。
それでも彼は、わからないと言った。

「もしかしたら、ちゃんとミステリーを嗜むのは初めてかもなあ」
「どういう意味?」

首を傾げると、マーリンが自分の隣をぽふぽふと叩いた。導かれるがままに俺は彼の隣に座る。
とびきり楽しそうな、キラキラと輝いた顔でマーリンが俺の顔をのぞき込む。

「だって、キミは探偵なんだろ。面白いお話を紡いでよ」
「……俺はただのマスターだよ」

推理力も洞察力もあったもんじゃない。それでも、彼が望むならなれない探偵ごっこをもう一度やってみてもいいかもしれないと思った。
なんでも知ってるあなたの、知らないことを教えてあげるよ。

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