ジャンル:おそ松さん【腐向け】 お題:贖罪の銀行 制限時間:30分 読者:249 人 文字数:851字 お気に入り:0人

【BL松】贖罪の銀行【カラ一】

「どうしてカラ松は、こんな俺にも優しくしてくれるの」

何時も通りの何分かの祈祷の後、隣にいたシスター――一松に尋ねられた。
彼は少し前、この教会で働き始めたシスターである。
雨の中、傷だらけで倒れていた所を俺が助けたのだ。

彼は自分に自信が無いのか、何時も自身を卑下する様な物言いをする。

「…それは、お前のことが大切だからだ」
「……本当に?」
「ああ」

一松は俺にとって、とても大切な存在だった。
嘘などつくはずがない、大切なのだから。

「……」

一松は少し俯くと、嬉しそうに微笑んだ。
人見知りで照れ屋なところも、すごく愛らしい。


「…大切、か」

良い言葉だと思う。
それは「愛」の象徴であると言えるからだ。
誰かを愛し、誰かに愛されることで初めて自分は生きているのだと実感できる。
愛無くして人は生きられない、そう思っている。

……だけど俺は以前、その「愛」を自ら棄ててしまった。
あの時の空虚な気持ちは、もうずっと忘れられないだろう。


……俺には悪魔の友達がいた。
赤く綺麗な瞳を持った、優しい悪魔。
周りの人は悪魔に気をつけて、と言っていたが、彼なら心配はいらないと俺は知っていた。
毎日毎日一緒に遊んで、ずっと一緒にいた。

俺はその悪魔といつしか、……恋人同士になっていた。

しかしある時起こった宗教戦争で、その悪魔は人間に捕らえられ、殺されてしまったのだ。
あの時、戦の業火を恐れて俺が逃げ出さなければ。
彼は殺されなかったかもしれないのに。


今更後悔してももう遅い。
もう、あの悪魔は帰っては来ないのだ。
そう思っていた。
何年も何年も、そう言い聞かせて来た。

だけどそんな時、一松が現れた。
彼はあの悪魔によく似ていて、今度こそ守りたいと思った。
だから俺は一松を守り、「贖罪」をしようとしたのだ。

一松を守ることが出来たなら、贖罪の銀行に預けた金銭は俺の過去を覆い隠すほどになるだろう。

それがせめてもの……罪滅ぼしだ。










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