ジャンル:アイドルマスター お題:近い芸術 制限時間:30分 読者:139 人 文字数:1269字 お気に入り:0人

春香さん誕生日記念2017。

 題名のない写真展。
 ぶらぶらと当ても無くウインドウショッピングを楽しんでいた私の目に、そんな看板が飛び込んできた。ビルの一室でちょっとした展覧会をやっているみたい。
 不肖・天海春香、曲がりなりにもアイドルの身として、こういうところに足を運んで、少しは芸術の審美眼というものを身に着けたほうが良いかも? ただでさえ普通とか、特徴が無いとか、そんなことをしょっちゅう言われるし……。
 いやいや、ちょっとネガティブ過ぎた、前向きで行こう。この後は特に予定もないし、ええ、特に予定もないし! ちょっと見ていこうかな。あんまり入場料高かったら諦めることにして。なにせ、この後も、明日も、明後日も、特に予定のないアイドルですからね。

 薄暗い階段を上がる。うちっぱなしのコンクリートはひんやりとして、そのまま空気まで、冷たい。
 果たして階段を上りきった目の前に、道路に出ていたのと同じ看板があった。すぐ目の前の一室でやっているみたいだ。簡素な机とパイプ椅子の受付に、女性がひとり座っている。
「すみません、題名のない写真展って、ここであってますか?」
「ええ、こちらですよ。ご自由にご覧下さい」
 ご自由に? もしかして、無料?
「お金はいいんですか?」
「ええ、個人製作の、ちょっとした発表会みたいなものですから。お気に召して頂ければ、幸いです」
 では遠慮なく。部屋の大きさからしてそんなにたくさんは展示できないだろうし、趣味みたいなものなのかな?
 扉を開けて、中に入る。その瞬間。
 目の前に、大きな、大きな。写真が一枚。
 多分、女の子の写真だ。何故『多分』なのかって、それは、真っ黒なシルエットだったから。着ている服、多分ステージ衣装だと思うけど、それがスカートだから、多分女の子。
 真っ直ぐにこちらを向いて、両手を胸の前で、祈るように組んで。見ようによってはまるで遺影のようにも見えるけれど。
 私は、この子は歌ってるんだと、直感的に思った。
 叫ぶように、祈るように、この世界に私はいるんだって、宣言するかのように。必死に歌っているんだって、そう思えた。
 うちの事務所で、そういう歌い方をするのは千早ちゃんかな?
 ふふ、千早ちゃんももっと楽しく歌える日がくればいいのにな。そんな物思いをする私の頬を、何故だか、涙が一筋流れた。
 あれ? と思った時には、もう涙は止まらなくて。どんどん、涙が溢れて。
 ああ、きっと、この女の子は。歌っても、歌っても、何もないんだ。
 歌うことで、伝えたいことがないんだ。いや、なくなってしまったんだ。ただ、歌うだけで、からっぽな。

 ……私は、歌うことで、私が、楽しく歌って、それで何がしたいのだろう?

 びくん、と体が跳ねた。気付けば少し日が傾いて、窓から入る日差しに茜が混じりつつある。
 真っ黒な女の子の写真を前に、少し物思いに耽ってしまっていたようです。
 大丈夫。私は、歌う楽しさを知ってる。それが素晴らしいことだって知ってる。それをみんなに伝えたくて、歌ってるんだ。

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