ジャンル:デッドプール お題:ねじれた人間 制限時間:1時間 読者:54 人 文字数:1306字 お気に入り:0人
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ねじれた人間 ※未完


スパデプ


体をよじると、ひどい痛みが胸を刺した。思わずうめき声をあげながらまぶたを開いて視線をやると、胸からは鈍色の鉄パイプが生えていた。並列に地面には四本並んだそれは、デッドプールの背中から突き刺さり、肋骨や内蔵を食い破って、頭を外へと突き出していた。知覚すると、身悶えするような激痛が、熱さを伴って全身をめぐり始める。思わず体をのたうち回らせながら、うわ言のように、だれか、と声がこぼれた。だのに、口からこぼれたその音は信じられないことに笑いに似た物すら含んでいるのだった。だれか、ねえ、いないの、俺ちゃんのこと助けてよ、突き刺さって動けないよ。こんなの、誰だってまともに取り合うわけがないな、とデッドプールは思った。薄汚い廃工場の一つ、お綺麗なヒーロー達ならば絶対に来ないところだ。何があったのかは、思い出せなかった。自分自身の身に降り掛かったことなのに。ただ、少し視線を向けた所に、誰かのちぎれた足が落ちていたから、きっと自分は何か宜しくないことをしたのだろうと思った。とっくの昔に善悪なんてものは自分から消えているけれど、世間的に糾弾される、あまり宜しくないことをしたことは確かだろう。
デッドプールは身じろぎした。パイプの形に沿ってぴたりと塞がっていた傷口が、無理矢理の力で開かれ、湿った音が響く。それに合わせて、デッドプールの、少し開かれた唇の隙間からも、聞く人間をぞっとさせるようなおぞましい悲鳴がこぼれた。デッドプールは笑った。自分の口からこぼれた音が工場内に反響するさまが、まるでホラー映画に出てくるモンスターの鳴き声のようだったので。
喉だけを震わせながら脱力し、ぼんやりと開け放たれた天窓から見える月を見上げていると、不意にその光に影が差した。

「楽しそうだね」

言いながら、その影はひどく軽い様子で地面に降り立った。相変わらず口元に笑みを張り付かせるデッドプールに、その影は「あのさ」と続ける。

「いつも言ってるけど、簡単に人を殺すな」
「すぱ、」
「君がヒーローになろうとしてることは知ってるし、今回だって君の行動のおかげで女性は助かったけど、でもそれとこれとは」
「すぱ、でぃ…ぬい、て」

笑いながら紡がれる言葉に、スパイダーマンはほんの少し口を閉じた。腕を組み、目を眇めて上から下までデッドプールを眺めたあと、仕方ないとばかりに軽く飛び上がり、デッドプールの突き刺さっているパイプの上に降り立つ。衝撃で揺れるパイプに傷口を抉られて、苦悶の声を上げるデッドプールに怯んだのも一瞬で、直ぐに腕を伸ばした。

「ほら、掴みなよ」

デッドプールは、痺れた両の肩を無理矢理に動かして腕を上げた。拍子に指先に落ちていた血液が心臓へと巡り、胸を焼く熱さが増す。
ぞんざいに伸ばされた両の手首をしっかりと捕まえ、スパイダーマンはデッドプールの体を引き上げ始めた。聞くに耐えない、パイプが肉の中を引き摺る音、擦れ合う骨の音に表情を歪め、顔を逸らしながら、スパイダーマンは徐々にデッドプールを引き上げた。

「っ~〜っあ゛、ッがっ」
「デッドプール、変な声出すなよ」








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