ジャンル:デッドプール お題:ねじれた人間 制限時間:1時間 読者:89 人 文字数:1306字 お気に入り:0人
[削除]

ねじれた人間 ※未完


スパデプ


体をよじると、ひどい痛みが胸を刺した。思わずうめき声をあげながらまぶたを開いて視線をやると、胸からは鈍色の鉄パイプが生えていた。並列に地面には四本並んだそれは、デッドプールの背中から突き刺さり、肋骨や内蔵を食い破って、頭を外へと突き出していた。知覚すると、身悶えするような激痛が、熱さを伴って全身をめぐり始める。思わず体をのたうち回らせながら、うわ言のように、だれか、と声がこぼれた。だのに、口からこぼれたその音は信じられないことに笑いに似た物すら含んでいるのだった。だれか、ねえ、いないの、俺ちゃんのこと助けてよ、突き刺さって動けないよ。こんなの、誰だってまともに取り合うわけがないな、とデッドプールは思った。薄汚い廃工場の一つ、お綺麗なヒーロー達ならば絶対に来ないところだ。何があったのかは、思い出せなかった。自分自身の身に降り掛かったことなのに。ただ、少し視線を向けた所に、誰かのちぎれた足が落ちていたから、きっと自分は何か宜しくないことをしたのだろうと思った。とっくの昔に善悪なんてものは自分から消えているけれど、世間的に糾弾される、あまり宜しくないことをしたことは確かだろう。
デッドプールは身じろぎした。パイプの形に沿ってぴたりと塞がっていた傷口が、無理矢理の力で開かれ、湿った音が響く。それに合わせて、デッドプールの、少し開かれた唇の隙間からも、聞く人間をぞっとさせるようなおぞましい悲鳴がこぼれた。デッドプールは笑った。自分の口からこぼれた音が工場内に反響するさまが、まるでホラー映画に出てくるモンスターの鳴き声のようだったので。
喉だけを震わせながら脱力し、ぼんやりと開け放たれた天窓から見える月を見上げていると、不意にその光に影が差した。

「楽しそうだね」

言いながら、その影はひどく軽い様子で地面に降り立った。相変わらず口元に笑みを張り付かせるデッドプールに、その影は「あのさ」と続ける。

「いつも言ってるけど、簡単に人を殺すな」
「すぱ、」
「君がヒーローになろうとしてることは知ってるし、今回だって君の行動のおかげで女性は助かったけど、でもそれとこれとは」
「すぱ、でぃ…ぬい、て」

笑いながら紡がれる言葉に、スパイダーマンはほんの少し口を閉じた。腕を組み、目を眇めて上から下までデッドプールを眺めたあと、仕方ないとばかりに軽く飛び上がり、デッドプールの突き刺さっているパイプの上に降り立つ。衝撃で揺れるパイプに傷口を抉られて、苦悶の声を上げるデッドプールに怯んだのも一瞬で、直ぐに腕を伸ばした。

「ほら、掴みなよ」

デッドプールは、痺れた両の肩を無理矢理に動かして腕を上げた。拍子に指先に落ちていた血液が心臓へと巡り、胸を焼く熱さが増す。
ぞんざいに伸ばされた両の手首をしっかりと捕まえ、スパイダーマンはデッドプールの体を引き上げ始めた。聞くに耐えない、パイプが肉の中を引き摺る音、擦れ合う骨の音に表情を歪め、顔を逸らしながら、スパイダーマンは徐々にデッドプールを引き上げた。

「っ~〜っあ゛、ッがっ」
「デッドプール、変な声出すなよ」








同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ツキウタ。【腐】 お題:消えた火 制限時間:30分 読者:1 人 文字数:2247字 お気に入り:0人
五幕のifの世界です。兎王国の軽い設定を拝借しただけの、五幕の内容は読んでないので、ネタバレにはならない&解らない前提の捏造甚だしいifのお話。パンフ届くのが待 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:進撃の巨人 お題:君の宿命 制限時間:4時間 読者:2 人 文字数:2773字 お気に入り:0人
エレンが楽園を出てマーレ国に向かう少し前の設定です。クルーガーに一方的に話しかけるという内容です。オリキャラが一人いる上に、妄想と捏造を多々含みます。「楽園に居 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ガールズ&パンツァー お題:人妻の血痕 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:1116字 お気に入り:0人
どうしようどうしようどうしようどうしよう……。コレは絶対にまずい。こんなのがばれたら、黒森峰は終わりだ。だが、私には一切実に覚えがない。だけど、私のティーガーに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ガールズ&パンツァー お題:許せない寒空 制限時間:30分 読者:17 人 文字数:1697字 お気に入り:0人
あったかもしれなかったガールズ&パンツァーすでにここに私が到着してから1時間が経過している。待ち合わせの時刻は30分は悠に超えている。本土の気候は、もうすぐ五月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:小林さんちのメイドラゴン お題:早い錬金術 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:1351字 お気に入り:0人
「小林さん小林さん!見てくださいよ!」トールがなにやら声を弾ませてリビングへとやってきた。こういう時は大抵わけのわからんものを持ってくるのだ。この前はダレダカに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:僕のヒーローアカデミア お題:きちんとした旅行 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:309字 お気に入り:0人
「寒い…。」思わず呟かずにはいられなかった。寒さを誤魔化すように走ると溶けかかった雪がぴしゃぴしゃと不快な音をたててきた。 空を仰げば雨と雪が混ざったようなも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ガールズ&パンツァー お題:初めての消しゴム 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:816字 お気に入り:0人
「ペコ、これ、消しゴムかけてくれる?」「……はい」私はダージリン様から原稿を受け取り、こしこしとその上に消しゴムを転がして行きます。この『ネリケシ』というのは初 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:大人のボーイズ 制限時間:1時間 読者:14 人 文字数:2454字 お気に入り:0人
「大人の雰囲気って、憧れるな…」国木田、太宰、乱歩が事件の調査に出かけ、与謝野、鏡花が買い物に出かけたのどかな昼下がり。全ては、敦のこの独り言から始まった。「ど 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:メルクストーリア お題:幸福な場所 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:702字 お気に入り:0人
「そういえば、昨日の件は?」「昨日?」「ほら、エルバスの街で変てこな音がって」「ああ、あれね。いひひ」「無事に解決っていうかー。なんともなかったっていうかー」「 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:バンドリ!ガールズバンドパーティ! お題:消えた流刑地 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:972字 お気に入り:0人
日菜のことを避け続けてきた。いつからだっただろうか。彼女が言うように、昔は、ほんの小さな頃は仲良く遊んでいた気がする。だけど、年の近いきょうだいだったら、多く 〈続きを読む〉