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意外と鈍い長男さま 【おそカラ】

 なぜあの時逃げなかった、1時間前の僕。おそ松兄さんに声を掛けられたとき、あ、これ面倒くさいやつだって分かってたじゃん。
「ねぇ、トッティ、聞いてるぅ?」
おそ松兄さんが下唇を前に突き出しながら僕の体を揺すってくる。
「はいはい、聞いてるよ」
「俺ね、昔からアイツ見てるとなんか変なの!」
「うんうん、カラ松兄さんでしょ」
「昔からアイツの笑った顔とか見ると、それだけで嬉しかったんだけどさぁ、なんか特に最近、あいつと目があったりしたら心臓キュッってなるんだって。なぁ、これなんだと思う? 俺、病気?」
「あーもー、何度も聞いたから。そんなに昔から好きなら告白すればいいじゃない」
なげやり気味に言ってみたら、それまでピーピーうるさかったおそ松兄さんの声がピタリと止まった。
「……は?」
「なに」
ずっといじっていたスマホから目を離して横を向くと、目を大きくして固まっている我らが長男がいた。
「え、なに、どうしたの」
パッと俯いてしまったおそ松兄さんの顔を下から覗き込むと、真っ赤な顔で泣きそうな顔をしていた。
「お、俺……好きなの? カラ松のこと?」
「えぇ……」
なんなのこの人、普段こんなに自分勝手なくせに、自分の気持ちに気が付いてないとか。長年の恋なだけあって、こじらせてんなぁ。

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