ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:愛すべき修道女 制限時間:15分 読者:105 人 文字数:757字 お気に入り:0人

モチーフの幻惑

「彼女、ユウリに似てるよね」

テレビを見ていたある夜に、ヴィクトルが声をあげた。
リモコンを握りしめたてそのままに、ソファから腰を浮かせている。
見るとそれは18世紀フランスで一世を風靡したある画家の、若き日の油絵だった。
中心に年若い修道女を配置し、右上には十字架、左上の小窓から漏れる燻んだ太陽光が、彼女を照らし出していた。

「どこが?」
「うーん、確かにそう言われると困るんだけど」
「しかも女性だし」

彼女はどう見ても僕とは似ても似つかない。
彼女は修道女らしくなめらかな黒色した被り物をしているが、少しはみ出た髪は栗色だった。
整った鼻梁はすぅっとのびて、外国人らしい、整って大人びた表情をしている。
テレビの中ではその絵はとっくに消えてしまい、ヴィクトルはスマートフォンで探し出したその修道女を、
様々な角度から眺めて首をひねっている。
僕が女っぽい、ということを言いたいのではないことはわかっている。
ヴィクトルはよく直感で物を言い、そのあとで説明を考える癖のある人だ。

ソファ越しにスマートフォンを覗く。
改めて、美しい絵だ。けれど見つめているととても苦しくなる。
この画面のどこか一箇所に、とても強い、見る者の力を吸い取る何かが埋め込まれている感じだ。
それはまるで聖痕のようで、呪いのようなーー

「目だ」

ヴィクトルが白い指をその薄暗い絵に突き刺した。美しい彼女の目の上に。
ああ、そうだ。そこだね。
彼女の目は鈍色に光り、何も考えていないようで、けれども僕らへの明確な語りを秘めていた。

「ユウリの、目だね」

それはいつの、どんな時の僕の目なのか。なんとなく尋ねるのは憚られた。

テレビでは賑やかなコメディアンがコメントをしており、僕はバスタブに湯を溜めに行くことにした。

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