ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:わたしの嫌いな小説 制限時間:1時間 読者:231 人 文字数:1526字 お気に入り:0人

スペルビ・スクアーロの献身


※お題をまるっと無視した気持ち悪い話です。

 スクアーロは驚いた。
 いくら探しても姿の見えない同僚がようやく見つかったと思ったら、深夜のキッチンでワイン瓶を片手に、リコッタクリームたっぷりのカンノーリを頬張ってやたらと上機嫌にしていたのである。帰還後の報告を完璧に無視して、業務用冷蔵庫の前で胡坐をかき、指という指をクリームでべとべとしている女の姿を見て若干の殺意が芽生えたが、まあ酒盛りの後に甘いものを欲するのは国民性故であるのでそこは否定しきれないスクアーロだった。ちなみに報告無視も割といつものことだった。
 驚いたのは、そのだらしない姿にではない。彼女の左腕が、目新しいギプスでがっちり固められていたからである。
「おいなんだあそれ」
「一昨日やっちゃった、えへ」
「大したことない任務でいちいち骨折ってんじゃねえぞお」
「ヒビ入っただけだって」
 彼女は親指をぺろりと舐めながら平然と言った。スクアーロはものすごく嫌そうに柳眉を顰める。事実、女は怪我の絶えない奴で、十ある指のうち、実はその半分は既に感覚がないような状態である。それでも最近はまともになってきていると思っていた矢先にこの有様。この女に単独任務は向かないと常々感じているのだが、生憎向き不向きで仕事を選別されるような生易しい職場ではなかった。
「さっさと治せめんどくせえ」
「一週間で骨折が治るあんたと一緒にしないで」
「おいルッスーリアいねえのか?」
「それね、私も聞いたんだけど、まだモスクワにいるって」
「う゛ぉい、昨日戻るはずじゃなかったのかあ」
「ロシア男とよろしくやってるみたい」
 真新しいギプスには、イタリア語の卑猥なスラングがこれでもかと書き殴られていた。ただ女はそれを微塵も気にしていない様子で、勢いよくボトルを傾けている。こういうしょーもない真似をするのは、身内だとあのバカ王子とカエルくらいだなと思ったが、めんどくさいのでスクアーロは口にしなかった。
「いつもなら持ち帰ってるだろおが」
「なんかね、こないだ法改正があったみたいで」
「はあ?」
「死体持って帰るのちょっとめんどくさいんだって、そうなの?」
「俺が知るか、掻っ捌いて豚に混ぜりゃすぐだろおが。っは、関税払うだけで済むな」
「ミンチ肉とメイクラブ? スクアーロあなた、とんだ変態の発想よそれ」
「ああ!?」
 にやにやしている足元の女にイラッとしたスクアーロは、長い足を躊躇なく振るって女を蹴り飛ばした。狙っていたわけではないが(いや、内心ちょっと狙ったかもしれない)、ちょうど下品な左腕にヒットしてしまい彼女は悶絶しながら床に転がる。女が手にしていた瓶も転がって、赤ワインをもろに被ったぐちゃぐちゃの姿に、スクアーロは己の嗜虐心がいい感じに満たされていくのを感じた。
「ったいな!! あんたそもそも何しに来たの!」
 床に転がりながらキレる彼女に、スクアーロは一通の手紙を放った。次の任務だ。
「……ん、三十二時間後にジャッポーネ? え、すぐじゃん」
「俺も行くからなあ」
「は? 単独って書いてるけどこれ」
「るせえ、それまでにその腕何とかしろお」
「なんとかって」
「俺が知るかあ」
「っあんた山本と遊びたいだけでしょ!?」
 ボスのお使いを嫌々完遂したスクアーロは、もう用はないとでも言うように凶悪面で大きな欠伸をすると、ぎゃあぎゃあ騒ぐ彼女を無視してさっさとキッチンを出ていく。綺麗なローキックをお見舞いしたことで彼女のぎりぎり繋がっていた橈骨が遂に折れたことにも気付かないで、任務に同行してやると決めた自分の献身的な振舞いに、それはもう甚く感動しているスクアーロだった。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:発狂クソババア(公式アカウント) ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:有名なヒーロー 制限時間:1時間 読者:582 人 文字数:1735字 お気に入り:1人
将来の夢は、巨大ロボットだった。 あまり帰ってこなかった父親だったけども、それでも男らしいし、めいいっぱいはしゃぎ疲れて寝てしまうまで遊んでくれる父が好きだっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:蒼師 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:平和とサーブ 制限時間:1時間 読者:1025 人 文字数:965字 お気に入り:0人
「お待たせ」「…え?」目の前に置かれたティカップが取り上げられる。「疲れた顔をしてるからミルクティを淹れてきた…と言ったはずだけど。それすら聞こえてなかったかい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:蒼師 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:狡猾な料理 制限時間:1時間 読者:1250 人 文字数:2058字 お気に入り:1人
「ねえ、本当なの?アラウディ。本当にさせてくれる?」「僕が嘘をついたことはあるかい」「うん」「…即答だね」アラウディは苦笑する。しかし事実なのだから仕方がない。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:是空@わりと鬼畜な人 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:女の川 制限時間:1時間 読者:899 人 文字数:1669字 お気に入り:0人
※ 暴力描写あり月も闇に隠される新月の夜。風も穏やかな河原に立ち、アラウディはゆっくりと空を見上げる。遂行すべき任務は終わったのだから、さっさと宿にしている旅 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:是空@わりと鬼畜な人 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:免れた血痕 制限時間:1時間 読者:979 人 文字数:1714字 お気に入り:0人
※流血表現あり※雲雀さんが父親、アラ様が息子の血縁の無い親子設定※雲雀さん35歳。アラ様15歳の設定です。時計の針は午前一時をさし、世界はすっかり寝静まったか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:蒼師 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:暗黒の朝 制限時間:1時間 読者:974 人 文字数:1246字 お気に入り:0人
「ほう」ジョットは楽しそうに笑った。「拙者は…止めておくべきだと思うのでござるが…」雨月は柔らかな笑顔で止めるべきだと勧めた。「いやあ、ここはしてみるべきだろう 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:是空@わりと鬼畜な人 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:永遠の道のり 制限時間:1時間 読者:1454 人 文字数:1969字 お気に入り:0人
秋の空気に混ざる夏の残り香が強くなる夜。高い位置で輝く月に視線をやりながらアラウディはベッドを下り、フローリングに落としたシャツを手にする。普段であれば目を覚ま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:是空@わりと鬼畜な人 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:どこかの死 制限時間:1時間 読者:1049 人 文字数:1631字 お気に入り:0人
※流血、暴力的描写あり。死ネタ。――― ああ、あなたはどこまでも酷い男だね。どす黒い雲が覆い尽くす空。バケツをひっくり返したような雨が地を打ち付け、全身がずぶ濡 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:蒼師 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:未熟な微笑み 制限時間:1時間 読者:1124 人 文字数:1001字 お気に入り:1人
「…今日も暑そうだな」雲雀は院内の窓から外を見た。真夏の太陽が目に眩しい。外は想像を絶する暑さなのだろう。休憩中にはいつも仮眠を取る。僅かな時間にでも体を休めて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:蒼師 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:輝くにわか雨 制限時間:1時間 読者:1010 人 文字数:1270字 お気に入り:1人
「雑魚ばかり…大量の群れ、本当にイラつくよね」雲雀は荒々しくトンファーを振り抜いた。その一撃で面白いように人が飛ぶ。「歯ごたえがないにも程が…」遠くからの気配。 〈続きを読む〉

伊織の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:伊織 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:わたしの嫌いな小説 制限時間:1時間 読者:231 人 文字数:1526字 お気に入り:0人
※お題をまるっと無視した気持ち悪い話です。 スクアーロは驚いた。 いくら探しても姿の見えない同僚がようやく見つかったと思ったら、深夜のキッチンでワイン瓶を片手に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊織 ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:謎の野球 必須要素:芥川賞 制限時間:1時間 読者:234 人 文字数:1635字 お気に入り:0人
その男はパーソナルスペースを侵されることがとにかく我慢ならない性質で、しかも残念ながら己の領域を侵犯されようものなら即座に物理攻撃で排除するような横暴な真似が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊織 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:純粋な正義 制限時間:1時間 読者:220 人 文字数:1527字 お気に入り:0人
自分のことを、氷の彫刻のように思っていたことがある。 お祭りの時期にストリートで見かけるような、或いは熱気渦巻くパーティ会場の片隅で時折目に入るような、あの繊 〈続きを読む〉