ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:いわゆる孤独 制限時間:15分 読者:155 人 文字数:638字 お気に入り:0人

大人一枚ください

 美術館でチケットを買うとき、はじめて、あ、今日は1人なんだな、と思った。

 今日は週に一度の休日で、珍しくヴィクトルが遠い知り合いに会いに行くから、と朝から出かけて行った。僕は、丁度いいや、気になっていた美術展を見に行って、ぶらり途中下車よろしくサンクトの街をぷらぷらしてみようと足取り軽く家を出た。ヴィクトルと一緒だと案内してもらえて安心なのはいいけど、逆に自分の好奇心に任せて散歩をするようなことはできない。なんとなく、どこというわけでなく行って見たいところがあるような気がした。

 まずは地下鉄に乗る前にカフェに。テラス席で人の往来を眺めながらカプチーノをすする。サンクトはまだ秋といえど寒くて、行き交う人の服はすでに冬だった。ご主人様に連れられて姿勢正しく軽やかに歩く犬を見かけて、お留守番にさせてしまったマッカチンのことを思った。

 次は古本屋。行くつもりがあったわけじゃないけど、なんとなく最寄り駅じゃなくて、二番目に近い駅から地下鉄に乗ろうと歩いていて、本屋かなと近づいたのが古本屋だった。ヴィクトルと古本屋に来たことがないことに気づいて、彼が中古の本を好まないのかなと思った。手当たり次第に気になる本を開いてみたけど、まだロシア語の長文が読めない僕に、店主のおじいさんの目が厳しいようだったので、そこそこにして出た。

 そうして到着した、目的地の美術館。チケットを買おうとして受付に声をかけたとき。ああ、1人だなあと思った。今までずっと、1人だった。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:綺麗な失敗 制限時間:15分 読者:43 人 文字数:1028字 お気に入り:0人
ただいま、と言ってドアを開けた瞬間の勇利の顔ったら。ちょうど持っていた鍋を落とすのかと思うほどぎょっとして、おれの姿を何回も見直した。「ヴィクトル?」 他に誰 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:うわ・・・私の年収、百合 制限時間:15分 読者:75 人 文字数:489字 お気に入り:0人
「エンゲージリングは年収の3倍のものを選ぶ」「へえ、なぜ?」「なんでだろう、でもこっちではよく言われていることなんだよ」長いこと使っていないせいでチカチカ揺れる 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:あいつと小説の書き方 制限時間:15分 読者:74 人 文字数:706字 お気に入り:0人
「その人は僕が見たこともない目をしていたんだ」あいつは熱に浮かされたような声でそう話した。事実、アルコールにだいぶ浮かされていたのかもしれない。成人してからそこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:今年の殺人犯 制限時間:15分 読者:90 人 文字数:740字 お気に入り:0人
ただいま。予定よりも少し早く済んだものだから、ちょっと買い物をして来たよ。牛乳と缶詰がもうすぐ切れて来た頃だったからね。あなたはもうシャワーを浴びたの。じゃあ僕 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:あきれた笑い声 制限時間:15分 読者:104 人 文字数:638字 お気に入り:0人
何か物語を紡がなければいけないだなんて幻想は、捨てることにしたんだ。昔から、氷の上に残された自分の跡を眺めてずっと考えていたことがある。僕というスケーターはどの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:日本式の顔 制限時間:15分 読者:103 人 文字数:674字 お気に入り:0人
「『メンタルの弱さが露呈してしまったんだと思います』だってさ、ユウリ。こんな勝手なコメントをほざいてるのはいったいどこの誰なんだろうね」どん、と音がするほどぞん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:僕が愛した雲 制限時間:15分 読者:85 人 文字数:435字 お気に入り:0人
ヴィクトルの相棒が旅立ってしまった日も、ピーテルは曇り空だった。元来晴れの日の少ない街だが、この日ばかりは感謝した。快晴の華々しい光を受け止めるにはあまりにひ弱 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:絵描きの心 制限時間:15分 読者:82 人 文字数:725字 お気に入り:0人
目が覚めた瞬間、自分が少しばかり眠り過ぎたことに気づいた。窓から鼻先に送られる外気はもう暑くはなくて、外を見なくても空の紅色が脳裏に浮かぶ。1時間くらい体を休め 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:針@YOI ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:愛と死の模倣犯 制限時間:15分 読者:170 人 文字数:1355字 お気に入り:0人
勇利に鼻を寄せた時ヴィクトルの片眉をあげさせたのは彼の一言。「僕、バージンだよ」責任をかぶせたいのか。気軽に彼をついばみたかったヴィクトルは「キスもまだ?」とま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐づ子 ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:暗黒の誤解 制限時間:15分 読者:99 人 文字数:773字 お気に入り:0人
ピーテルに来てから一番くらい、風の強い日だった。日差しは乾いて暖かいのだけど、頬をすり抜ける冷気が体温を奪っていく。この街の春に多い風だった。ヴィクトルは僕の数 〈続きを読む〉

キネズミの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:キネズミ ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:かゆくなる発言 制限時間:15分 読者:142 人 文字数:377字 お気に入り:0人
僕って結構、状況に影響されやすいタイプだ。 長谷津にいるとおおらかな気分になるし、ディズニーランドみたいなところに行くと楽しくなっちゃうし。 試合の時でも衣装 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:キネズミ ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:いわゆる孤独 制限時間:15分 読者:155 人 文字数:638字 お気に入り:0人
美術館でチケットを買うとき、はじめて、あ、今日は1人なんだな、と思った。 今日は週に一度の休日で、珍しくヴィクトルが遠い知り合いに会いに行くから、と朝から出か 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
金に光る記憶 ※未完
作者:キネズミ ジャンル:ユーリ!!! on ICE お題:真実の喜び 制限時間:15分 読者:91 人 文字数:194字 お気に入り:0人
一番嬉しかったことはなんですか、と聞かれたときは、「世界ジュニア選手権で最初に金メダルを獲ったとき」と答えるようにしている。 俺はヴィクトル・ニキフォロフ、フ 〈続きを読む〉