ジャンル:おそ松さん お題:求めていたのは悲劇 制限時間:15分 読者:115 人 文字数:722字 お気に入り:0人
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排気煙の秘密 ※未完

屋上に上ってマッチを擦った。どれだけ古臭いと言われようとも、どうしてもライターを使う気にはなれない。そのまま咥えた煙草に火を点け、煙を肺腑に染み込ませるように深く吸う。夜中の、誰もが寝静まっている時間にこうしている時だけは、酷く心が落ち着く。街の雑踏、自動車の排気、人の呼吸音、そういった煩わしいものから一切解き放たれたこの場所に、私と冷たい夜風だけ。そういう人間になりたいなと、いつも思う。存在感のない、透明な、いるのかいないのかわからない、そんな、儚い存在になりたいと思う。そうしたら、あの人に捕まえておいてもらえるかもしれないから。風のように、どこか遠くへ飛んで行けたら、あの人に探してもらえるかもしれないから。馬鹿みたいなことを考える。ゆらゆらと、煙草から白煙が立ち昇ってやがて消えていくのが、まるで火葬場のようで目を細めた。
彼が私に縛られる日などきっと来ない。そんなことは、とっくの昔にわかりきっていた。私なんかの手のひらに収まるような人じゃあない。こんなところにいつまでも、留まったままで動けない私のような、救いようのない人間とは、まるで、違う。
ああ、そういえば、彼も煙草を吸っていたな。偶に、弟たちが寝静まったあと、二階のベランダに腰掛けて吸う、赤いマルボロ。その甘い香りが漂ってくると、決まって彼のことを思い出す。それがみっともなくて、私は違う銘柄を選んだ。メンソールのキツイそれを、こんなに沢山吸ってしまえば、今夜もまた上手く寝られないのだろう。赤子のように毛布に包まって、静かに涙を流すのだろう。あの人のことを思い出さないようにと、そうしたことも全部、無意味でしかなくて、結局私はいつまで経ってもあの人のことをわすれられ

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UB
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