ジャンル:黒子のバスケ 黒子 お題:正しいボーイズ 制限時間:15分 読者:107 人 文字数:1022字 お気に入り:0人

天使を追う者

がむしゃらになることができたならば、まだよかったのかもしれない。出会ったのが人生で初だった。そこから始めなくてはならなかった。誰でもない自分の人生。誰もかかわることができない、彼と、自分との関係。誰も手助けすることはできない。すべてを自分の頭で考え、答えを見つけ出さなくてはならなかった。しかし、自分が持っているのは、これまで大人たちが描いてきた物語、大人たちが知っている物語、自分で作り出せたものなど、何一つなかった。この世に生まれてたった十四年。何ができよう。善悪すら、まだ誰かからの借り物なのだ。
答えは分からぬまま、僕たちは感情に流された。あるいは、それを選ぶことしかできなかった。彼は自分の意志で離れ、僕は自分の意思でその場から立ち去った。それは答えではなかった。逃げだった。逃げることしかできなかった。自分で見つけられるものなど、何もなかった。
僕は考えた。すべてから離れて、静かな場所にいた。自分が思い描いていた時より、そこはずっと静かで、時間を忘れて考えていた。思考の底まで沈みこんだように静かな世界で、僕は過去の記憶を繰り返していた。どこで間違えたか。どこを正せばよかったのか。自分には何が足りなかったのか。自分に何ができたか。過去は沈んでいく。冷えた鉄のように確固とした形のまま、そこにあった。押したところで、形は変わらない。その形を何度もなぞるようなことをしていた。――何も、変わらないのに。
しかし、それは必要だったのだろう。なぞってもなぞっても、形は変わらない。変わることを願っても無駄だった。どうして変わると思ったのだろう、と今なら思う。あれは確認だったのだろうか。そこから離れるための、儀式だったのか。
ある朝、僕は目覚めた。部屋の天井は変わらなかった。何も変わらない、ここにいては何も変わりはしない。僕はそんな単純な事実を思った。そして自覚した。
ここにいては駄目だ
願いはここにいて、こうして思考の淵に沈んでいて、かなうものではない。僕は進まなければならない。彼らは翔けていく。羽の生えた天使のように、あっという間に見えなくなってしまう。それでも僕は彼らを追わなくてならない。僕の夢は彼らだった。彼らが僕に振り向くこと、僕に気づくことだ。僕は彼らに伝えたいことがある。伝えなくてはならない。僕は、僕の天使を捕まえなくてはならなかった。その美しさを伝えるために、そんな顔ではなく、天使には美しい微笑があることを。

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