遠距離鶴さに現パロ
がたんごとん。もう何度乗ったかわからないこの電車。離れ離れの場所に住んでいる恋人、鶴丸のところまで会いにきて、そして帰るときに乗る夕方の電車。いつになるかまだ分からないけど絶対にまた会おう、そう約束して、キスをして、好きだと伝えあって、またね、と手を振って、その寂しそうな笑顔に背を向けて、乗り込む。やがてガタン、と小さく揺れたあとゆっくりと外の風景が動き出して、それを追いかけるように鶴丸もホームを走る。わたしに手を振りながら、懸命に電車を、わたしを追いかけてくれる姿に涙が出そうになる。わたしはいつもそれを押し殺して無理やり笑顔をつくって手を振る。いつもいつも、最後の一瞬まで鶴丸に会っていたくて、わたしははしたなくも窓の端にべとりと頰をくっつけて最後まで鶴丸をこの目に焼き付ける。がたんごとん。いよいよ彼の姿が見えなくなった。ここは田舎だ。とても見晴らしのいい、晴れの日の夕方だった。手の甲で涙を拭った。
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