ジャンル:東方Project お題:マイナーな天国 必須要素:書類 制限時間:15分 読者:185 人 文字数:778字 お気に入り:0人

マイナーな天国


「マイナーな……天国?」

今日もいつものように竹林の中を散歩していた私は、とある一つの紙束を拾った。
表紙にそうデカデカと記されたその一冊の資料は、随分とボロボロだ。
察するに、昨晩ここへ迷い込んできた外の人間が、慌てて落としていった物だろう。

「どれどれ……?」

私はその場に腰を下ろすと、ぼんやりとそれを開いてみた。

『貴方も行けるかも知れない!もっともマイナーでありながら、もっとも究極な極楽浄土!』
「……ふむふむ」

どうやらその冊子は何かの旅行案内のようなだが、どうにも胡散臭い。

『方法は簡単!皆が知ってるあの樹海の中で、指定の地点まで自力で歩いていくだけ!時が来ればやがて貴方も向かう事が出来るでしょう!』
「なにそれ、自殺でも促してるかっての」

バカバカしくなりながらも、鼻で笑ってページをめくる。

『その極楽は、様々な姿形をした少女達が暮らす、夢の理想郷!懐かしの日本の原風景が広がるその場所で、ゆっくりと憩いのひと時が過ごせます!』
「はっ、そんなとこ、馬鹿な男しかいかないでしょうね。暮らすだけでも大変なこことは大違い」

やがてぱらぱらとページをめくっていった私は、最後の注意書きに目を向けた。

『尚、帰りは保証できません』
「ははっ、面白い事言うわね。天国に行って日帰りしようなんざ、出来るなら私は往復旅行してるよ」

とうとう馬鹿らしくなった私は、その冊子を燃やしてしまった。
その紙は非常に脆く、直ぐに灰となって風に漂い、竹林の中へと消えて行った。

「しっかしこれを落とした奴も災難なものでしょうね。天国どころか妖怪だらけの魔境に来る事になっちゃうなんて」

私は立ち上がると、軽く尻を叩いてから、その場を後にした。

そもそも死ねない私にとって、どんな極上の場所であろうと、天国などとは無縁なのだから。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
縁の下の蚤 ※未完
作者:縞馬のきぐるみ ジャンル:東方Project お題:優秀なピアノ 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:535字 お気に入り:0人
幻想郷のどこかしらで開かれる妖怪たちの演奏会には、わたしたちプリズムリバー三姉妹はほとんど必ず参加していた。 もともと騒ぐしかないポルターガイストとして生きて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
虫意 ※未完
作者:縞馬のきぐるみ ジャンル:東方Project お題:箱の中の戦争 制限時間:15分 読者:38 人 文字数:546字 お気に入り:0人
浅い木箱に虫を入れて闘わせる遊びが、妖精たちのなかで流行っていた。「いいなぁ……あんたら三匹は」 拗ねるような口吻でチルノは言った。あんたらと呼ばれたサニーミ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
新聞と風 ※未完
作者:縞馬のきぐるみ ジャンル:東方Project お題:彼が愛した夜風 制限時間:15分 読者:50 人 文字数:558字 お気に入り:0人
外の世界が辛気くさい世の中になるにつれ、となり合わせの幻想郷は娯楽に満ちていく。反対に外の世界が長閑さをとり戻したときは、代わりに幻想郷が物騒な空気につつまれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
膿脂 ※未完
作者:縞馬のきぐるみ ジャンル:東方Project お題:黄金の目 制限時間:15分 読者:46 人 文字数:612字 お気に入り:0人
みんなが言うから――あの子はこころを閉ざしたんだとか、意識の外に住みはじめたとか、そういう風に言うから、戻りにくくなった。もとの覚妖怪としての生活に戻りにくく 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
羽根突き ※未完
作者:縞馬のきぐるみ ジャンル:東方Project お題:免れた顔 制限時間:15分 読者:57 人 文字数:624字 お気に入り:0人
正月になるとしみったれた旧地獄の妖怪たちもすこしは明るくなり、溺れ死ぬように酒に酔いながら夜通し遊んだり語り明かしたり――もっとも旧地獄に陽は出ないが――しな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:東方Project お題:走る人々 必須要素:大道具さん 制限時間:15分 読者:66 人 文字数:792字 お気に入り:0人
「今日はいい天気だねぇ」「お前、いつもそればっかだな」魔法の森の入り口近く。そこには謎の古道具屋があった。店主の名は森近霖之助。彼は一人で店を開き、生活している 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:東方Project お題:地獄発言 必須要素:ゴルゴンゾーラ 制限時間:15分 読者:68 人 文字数:769字 お気に入り:0人
ここは旧地獄。その旧地獄の奥。そこには地霊殿と呼ばれる館が立っていた。「はぁ、今日の晩御飯どうしようかしら」地霊殿の主、古明地さとりは呟いた。「昨日の残り物でい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:東方Project お題:春の百合 必須要素:バツ印 制限時間:15分 読者:68 人 文字数:794字 お気に入り:0人
春である。 陽はさんさんと幻想郷を全域に渡って柔らかに照らしており、小鳥たちは朝っぱらから元気いっぱい飛んで鳴いており、凍えるような寒さを耐え抜いた植物たちが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:月橋夜乃 ジャンル:東方Project お題:去年の宿命 制限時間:15分 読者:198 人 文字数:573字 お気に入り:0人
去年、やり残したことがあった。宿命の相手に勝つことができなかった。私は十六夜咲夜。普通の高校生だ。普通の、のはずである。ある日彼女とあってから私の人生は大きく変 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:月橋夜乃 ジャンル:東方Project お題:小説家の青春 制限時間:15分 読者:124 人 文字数:697字 お気に入り:0人
魔理沙はよく本を読む。それは魔法書に限ったことではない。小説も読む。これは魔理沙がまだ実家を出る前の話だ。「魔理沙ちゃん!一緒に帰らない?」寺子屋の友達だ。あま 〈続きを読む〉

影乃心 愛︰日恋の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:影乃心 愛︰日恋 ジャンル:東方Project お題:マイナーな天国 必須要素:書類 制限時間:15分 読者:185 人 文字数:778字 お気に入り:0人
「マイナーな……天国?」今日もいつものように竹林の中を散歩していた私は、とある一つの紙束を拾った。表紙にそうデカデカと記されたその一冊の資料は、随分とボロボロだ 〈続きを読む〉