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たぶん、一つじゃない解き方のこと【京天】

 剣城は真面目だ。俺が宿題やるの忘れてきたから見せて!って言っても見せないし、自分の責任だろって怒るし、ねーお願い!ってしつこく言ったら折れてくれるかな、って思ったけどげんこつを二つ作って頭にぐりぐり押し付けてくる男だ。みんな最初は見た目とか目つきとかで怖がるみたいだけど、とにかくやることなすことちゃんとしてて、サッカーくらいしか頑張れない自分からみたら惚れちゃうな〜って、ボロッと口から漏れてしまう。
 そうやってなんとなしにこぼした言葉を剣城は3秒咀嚼した後に恥ずかしいことを言うな、って言ってくるけど、またお得意の照れ隠しなんだろうなって嬉しくなる。何考えてるのかわからないときもあるけど、意外と不器用でボロがでて素直に見えるんだ。なんだか独り占めしたくなっちゃう剣城のころころ変わる表情。みんなの前でも随分柔らかい顔するようになったけど、やっぱり俺の前の剣城が一番たくさんの顔を見せてくれる。これはウヌボレじゃないもんね。自慢したいけど自慢したらばれちゃうし、どうしようかなあ。

「……手が止まってるぞ」
「ふえ? あ、あっ、えへへ、ごめん」
「誘いに来たのはお前なんだからな」

 今日は宿題を忘れて来たぶん出されてしまった数学の課題を剣城に付き合ってもらっていた。自力で解けって言いつつわからなくなったら教えてやる、だって。最初にプリントをちらっと見た剣城は自分の数学の教科書を開いて、しろくてすらっとした指揮棒みたいな指で赤いラインの引いてある(こうしてちゃんと線まで引いて授業を受ける姿を想像すると笑っちゃうんだ)数学の公式を俺に見せる。「公式があればだいたい解けるだろ。お前いつも覚えてるので無理やりやろうとするだろ」って言われて、バレてた。それより、剣城の示す公式よりうすもも色の剣城の爪とか、綺麗にされてる甘皮とかが気になっちゃうから、おかしかった。
 数学のプリントは、さっきみたいに注意を受けながらも半分以上終わらせることができていた。消しゴムのカスを出していた筈なのにいつのまにかなくなっている。ぼうっとしている間に片付けてくれたのかな。まめなんだから。未だにちゃんとした持ち方をしてないシャーペンを滑らせながら、忘れないようにプリントの右上に書いた解くための公式をちら見する。恋愛も公式みたいにうまくいけばいいのにねえ、って狩屋が柄にもなく悩んだようなことを言ってたのを思い出す。恋愛がなんたるかを知る前に剣城と付き合ってしまった自分はよくわからない。あと、サッカーだってこうしたら確実にできる、なんて決まってたらつまらないし。そうしていたら、目の前でベッドの上に置きっ放しだったサッカー雑誌をパラパラ読みながら、出したコーラとチーズ味のクラッカーを食べている親友兼コイビトに聞いてみたいことが浮かんだ。

「あのさあ、」
「……なんだ。わかんないところは途中まで書いてから言えよ」
「俺と剣城のレンアイってさあ、公式みたいにうまくいったから叶ったのかなあ」

 俺の口から飛び出してきた色恋事の話に、猫のきいろい目がきゅっとした。突然聞きすぎちゃったかな。剣城は雑誌を置いて、そうしてコップに入っていたコーラをぐっと一気飲みすると、俺に近づいてため息をついてから頭にふたつの拳を近づけた。……えっと。

「い、いたいいたい」
「突然変なことを聞くな」
「う、うん……」

 でもその顔は思ったより怒ってなかった。剣城は手を離すと抱きしめてきて、顔が俺から見えなくなったあとに口を開いた。

「……さいしょからうまくいってたら、入学式みたいにはならないだろ」

 そうだねって、ちょっと笑っちゃった。でも、それでいいかもしれない。












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