ジャンル:東方Project お題:楽観的な声 制限時間:1時間 読者:103 人 文字数:1994字 お気に入り:0人

夏と言ったらやっぱりこれだね

カップリング:清蘭×スター
お題:清蘭 小鈴 スター

 暗い小屋の中。
 私達は三人で蠟燭を囲んで座り込んでいた。
 暑さからだろうか。
 私の頬に汗が流れ落ちる。
「あら、清蘭さんったら。
先ほどから汗が止まりませんね」
「そういうスターこそ私より汗をかいているじゃないか」
「私は汗っかきな体質でして。
夏になるとそれはもうハンカチが手放せないのですよ」
「ふん、どうだか。
先ほどから涼しい顔をしているが本当は小鈴の話が怖いんじゃないか?
先ほどのシウマイのお話でも目を白黒させていたじゃないか」
 そう、私達は夏の納涼大会と称して怪談話で盛り上がっていた。
 最初から企画していたわけではなく、私はちょうどこの小屋に用事があったので立ち寄っただけだったのだが奇しくもお二人と出会ってしまったのだ。
 此処に何しに来たのですか? などと白々しい事も聞けずに無言でいたのだがその空気に耐えられず、今年の夏は暑いですねとか幻想郷の夏はいつもこんなに暑いのですかと世間話を振ってみたのだが、話が進むと暑い夏には怪談話が一番でしょうという話になった。
 なってしまったのだ。
 仕事柄上、私は験を担ぐようにしているので怪談などもっての外……
 いや本音を言うとこの世で一番苦手なのは幽霊ってくらいには見る事聞く事したくない事なのだ。
 しかし私にも月の兎としてのプライドがある。
 やせ我慢の一つくらいこなす事だって難しくはない。
「目は口ほどに物をいう、という奴でしょうか。
私ももうちょっと気を付けないといけませんね」
「そうだとも。
私程訓練を積んだ物であれば顔の表情を意識して変える事くらい造作もない」
「私もずっと観察してましたけど本当に変わりませんよね。
顔の表情だけは」
 スターはそう言うと私のある所を指さす。
「自慢の耳が飛んだり跳ねたりするので見ていて笑いを堪えるのに苦労しましたよ」
「ぬわー!
耳だけはどうしても本能で動いてしまうんだ!」
「私としては面白くてどっちでもいいんですけど。
ずぶ濡れだから動くたびに水跳ねてます」
「自慢の羽毛だからそこは我慢してほしい。
この小屋は何より暑いし汗だって止まらないさ」
「ま、それもそうですねー。
私も汗のかきすぎでタオルがぐっしょりですよ。
小鈴さんもさっきから反応がありませんし」
「……何?」
 そういえば先ほどから小鈴の反応がない。
 彼女も例に漏れず汗をかきっぱなしなのだが、下を向いて息をするだけだ。
「おーい小鈴や。
大丈夫かーい?」
「あんまり大丈夫じゃありませーん……」
「んにゃ。
ちゃんと反応が返せるなら大丈夫だって」
「大丈夫じゃないですよーぅ……
私はただの人間なんですよ?
お二人みたいに頑丈じゃないんですぅ……」
「だってさ。
こりゃ納涼大会もここまでだね」
 ぐったりした小鈴に肩を貸して出口に向かって歩いていく。
 私にとっちゃ怖い話も厄介だがこの暑さも厄介だ。
 小鈴を理由にこのまま出ていくのも悪い選択肢じゃない。
「小鈴もうちのサニーと同じで我慢が足りないわ。
あの子は怖がりだから怪談話もすぐ逃げちゃうし」
「スターはホント我慢強いな。
お前の我慢強さをうちの連中に分けてもらいたいくらいだよ」
「それなら皆を此処に連れてくると良いわ。
少しくらい訓練にもなるでしょ」
「あのー……
二人で盛り上がるのはいいんですけど、私は絶対ここには寄り付きませんからね。
ホントちょっと興味が向いただけで長居するつもりなんてなかったんですから」
「それは残念ね。
かわいい兎を一緒にいじめてあげるチャンスだったのに」
「私の惨状みて言ってます?
きっと見て言ってますよね?」
「ええ、それはもう。
今にも泡を吹いて倒れそうなその姿を見て」
「あーもうやだー!」
 小鈴は涙を流しながら自らの行いを悔いているようだが、残念ながら本番は此処からだ。
 私たちは小屋を出ると各々が汗をぬぐう。
 そしてほてった体にぬるま湯を思いっきりかけるのだ。
 全身びしょ濡れだが汗は洗い流せた。
 暑苦しい小屋の中とは違い、ほんの少し流れる風に心地よさすら感じる。
 そして私は息を吐き、二人をちらりと見た。
「ま、それは置いておいて。
皆さま、ご準備はよろしいでしょうか」
「勿論いいわ。
むしろこの瞬間を待っていたのよ」
「あうう……
私これ苦手なんですよ……」
小鈴は少しおびえた様子だったが、私とスターはそんな小鈴を捕らえる。
「え、ちょっと!
なんで私つかまってるんですか!」
「そりゃもう。
あれをやるからだよ」
「あれをやるからです」
「そんなこと言って!
私はゆっくりやりたいんです!」
そんな悲壮な声を無視して、私たちは楽観的にこういった。
「サウナに入った後は水に飛び込むのが礼儀!」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:東方Project お題:薄汚いダンス 制限時間:1時間 読者:18 人 文字数:1350字 お気に入り:0人
ひどいにおいだ。レミリア・スカーレットはそうひとりごちる。自分も吸血鬼などと呼ばれてはいるが、やはりやつらとは別種の存在なのだろう、こんな汚い環境は我々の趣味と 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:百合街@紅楼夢G15bネムノコス ジャンル:東方Project お題:自分の中の屍 制限時間:1時間 読者:98 人 文字数:1615字 お気に入り:0人
得体のしれない想いが、身体中を駆け巡ることがある。 妖怪の寿命は長い。果てしない時を、同じような暮らしをして淡々と過ごしていく。そのうちに、具体的な事象こそ忘 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:情熱的な、と彼は言った 制限時間:1時間 読者:101 人 文字数:2850字 お気に入り:1人
『結局のところ、私に何をさせる気だよ!』「あら、ここまで来たんだから自分で分かってるんじゃないの? あんな大言壮語を吐いたんだから、【妹様の遊び相手】頑張ってね 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちょうできるねこのひと ジャンル:東方Project お題:軽い水たまり 制限時間:1時間 読者:101 人 文字数:1518字 お気に入り:0人
空気の澄んだ朝。昨日までの暗い空とは違い、山の向こうがグラデーションに彩られる心地良い空。「そうだ、湖、行こう」私は気の赴くままに、晴れた空へと飛び出した。私は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:見憶えのある小雨 制限時間:1時間 読者:107 人 文字数:1896字 お気に入り:0人
暦の上での秋にも入り、寝苦しい夜もだいぶ減ったある日の事だ。それでも日中はまだ暑いと、白狼天狗の犬走椛に誘われて、「どこかに涼みに行きましょう!」と誘われた。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かぼちゃ ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:122 人 文字数:2559字 お気に入り:0人
二度と見ることの出来ない景色。 そもそも、早苗自身が己の目で見た景色ではない。もう、どこで見たのかも覚えていない。何かの本だろうか? それともテレビだろうか? 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
20170904 ※未完
作者:さとうとしお_友の会緋19,20売り子 ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:99 人 文字数:589字 お気に入り:0人
未完ワンドロお題:雷鼓 妹紅 ミスティア 赤提灯と言えば、うまい酒、うまい飯、賑やかな空気! 三つのうちどれが欠けても成り立たないのです。賑やかにするのが私の腕 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:気持ちいい冥界 制限時間:1時間 読者:105 人 文字数:2406字 お気に入り:0人
貸本屋という職業上、よくよく立ち会いたくない場面に首を突っ込むことがある。 ん? ただ店の奥にこもっているだけのくせに何を言っているのか。ですって? 『本を貸 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:小説家たちのヒーロー 制限時間:1時間 読者:105 人 文字数:2280字 お気に入り:0人
『キャラクター』 それは創作上の登場人物で、虚構の存在だ。 紙の上、画面の向こう、頭の中……様々な場所で苦悩して、不正をして、堕落して、逃避して、奮闘して、打破 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
20170902 ※未完
作者:さとうとしお_友の会緋19,20売り子 ジャンル:東方Project お題:小説家たちのヒーロー 制限時間:1時間 読者:96 人 文字数:472字 お気に入り:0人
※未完成です『すべてちがう』ワンドロお題:雛 八橋 ドレミー「いいですか、聞こえますか、白鷺と獏が相思相愛になる話を書くのです」「ちゃんちゃかちゃんちゃん」「獏 〈続きを読む〉

川後の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:ゆるふわな食事 制限時間:1時間 読者:58 人 文字数:2228字 お気に入り:0人
お題は霊夢 永琳 響子手紙はいつも渡すものだった。命蓮寺にはいつも大量の手紙がやってくるのでそれを受け取り、そしてそのお返事を郵便屋さんに手渡す。門前で修行する 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:メジャーな失望 制限時間:1時間 読者:82 人 文字数:2089字 お気に入り:0人
お題はレミリア 美鈴 雷鼓私は昼間っから人里の外れにある蕎麦屋で酒を飲んでいた。ここの蕎麦屋はそう美味い訳ではなく、さりとて不味いと言い切るほどではないがあまり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:情熱的な、と彼は言った 制限時間:1時間 読者:122 人 文字数:1468字 お気に入り:0人
お題:パチュリー こいし 正邪カップリング パチュリー×こいし遥か昔に動かない大図書館と自称した事がある。私の中では中々に効いたフレーズで自己紹介する時にもつい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:消えた勝利 制限時間:1時間 読者:94 人 文字数:1723字 お気に入り:0人
カップリング:屠自古×衣玖お題:文 屠自古 衣玖真夏のある日、屠自古は射命丸を睨みつけていた。それもこれも唐突に呼び出しをしたかと思えば無礼な事を言い出すのだ。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:楽観的な声 制限時間:1時間 読者:103 人 文字数:1994字 お気に入り:0人
カップリング:清蘭×スターお題:清蘭 小鈴 スター 暗い小屋の中。 私達は三人で蠟燭を囲んで座り込んでいた。 暑さからだろうか。 私の頬に汗が流れ落ちる。「あら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
輪廻 ※未完
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:見憶えのある小雨 制限時間:1時間 読者:107 人 文字数:2125字 お気に入り:0人
カップリング さとり × 村紗「はいはいオンステージいくよー!」「突飛な事を言い出しても私が困るのですが」「はいはいさとりんノリ悪いよー!今は空気読もうよKYっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:110 人 文字数:1534字 お気に入り:0人
カップリング 響子 × 聖「では、あなたも命蓮寺に入りたいという事ですね」「はい!是非とも聖様の元で学びたいと思います!」元気な声で響子は答える。門前の小僧を辞 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:小説家たちのヒーロー 制限時間:1時間 読者:81 人 文字数:2791字 お気に入り:0人
カップリング 小鈴 × パチュリー「パチュリーさん。海に関する資料って何処にありましたっけ。ほら、船に乗って……」「魚でも釣るの?」「雲居さんからのお手紙では何 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:私とあの人 制限時間:1時間 読者:105 人 文字数:2247字 お気に入り:0人
カップリング 天子 × 針妙丸「嫌です!変態の所なんて絶対行きたくありません!」夏の暑さも和らいだ頃。今日も博麗神社では居候達が飛んだり跳ねたりの大騒ぎ。それも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:許せない狐 制限時間:1時間 読者:80 人 文字数:2375字 お気に入り:0人
カップリング 藍 × ルナサまただ。また間違えた。とても簡単な計算間違い。数学とも言えない簡単な算数を間違えるだなんてどうかしている。何故自分でも間違えたのかよ 〈続きを読む〉