ジャンル:東方Project お題:消えた勝利 制限時間:1時間 読者:95 人 文字数:1723字 お気に入り:0人

消えた勝負

カップリング:屠自古×衣玖
お題:文 屠自古 衣玖

真夏のある日、屠自古は射命丸を睨みつけていた。
それもこれも唐突に呼び出しをしたかと思えば無礼な事を言い出すのだ。
腹正しい事この上なく、怒鳴りつけてやろうかとも思ったが人前であるため怒りを堪えた。
「我ら二人を呼び出して取材というから来てみれば、どちらの雷が凄いのか腕比べをせよとは。
失礼極まりないの」
「無理を承知ですが、どうにもうちの上司が煩くて敵わないのですよ。
雷を操るものが二人もいるとは珍しい。
是非とも腕を競い合って貰いたいものじゃと命じられては私としても断れません。
それに一記者として興味があったのですよ。
かの希少な竜宮の使いと怨霊どちらが優れた雷を打つのかは紙面を飾るには十分なネタです」
射命丸はそう言うと、パシャパシャとカメラで撮り始める。
写真を撮る前に確認も取らずマナーのなっていない様子に頭へ血が昇るのを感じる。
「随分とご機嫌に口が回るな。
我は好奇心だけで見世物をしてやるほど暇ではない。
それにの、あちらも乗り気になるとは思えん。
企画倒れだ。
帰れ」
「それはどうかと。
私としては衣玖さんがこの話に乗らない訳がない、と見当をつけておりますが如何でしょうか。
その問いにクスリ、と笑った瞬間を屠自古は見逃さなかった。
「そうですね……
私としては是非とも試させていただきたいと思っております」
「……何故?」
「それを聞くのは野暮と言いませんか?」
「このような戦いなぞ見世物の猿と何が違う」
「猿は自らの行いを理解していないから面白いのですよ」
衣玖はふわっと浮き上がったかと思えば、屠自古を見下ろすように高い位置へ陣取り腕を突き上げる。
雲一つないカラッカラに乾ききっていた空にけたたましい雷鳴が鳴り響いた。
あてこするように屠自古の傍へ雷を落として。
「いやー痺れるような雷ありがとうございます!
こんな天気でも雷を落とせるのですね」
「そこはほら。
腕の見せ所と申しましょうか。
並の者では静電気すら起こせませんよ。
ねえ?」
勝ち誇る衣玖とそれを持ち上げる射命丸。
急に呼び出されたかと思えば良く知らぬ二人に小馬鹿にされている。
屠自古の堪忍袋も限界だった。
「よい。
そこまで言うのなら見せてやろう。
我の雷を起こす程度の能力というものを」
「あの程度の雷であれば軽く起こせるので凄いのをお願いしますね」
「だまらっしゃい!
貴様の雷とは訳が違う。
我が怒りを持って放つは自然の雷とは似て非なるもの!
怒りを怨みに変え、その目に焼き付けてくれよう!」
屠自古が使う雷は怨霊のそれとは違う性質のものだ。
怨みを乗せずとも操ることが出来る秘儀である。
しかし、その上に怨みを乗せる事は可能なのだ。
自らが短気であるとは理解している。
だがしかしこの二人には立場というものを分からせなければ我慢がならない。
「この土地全て、我が怨みの雷に逃げ場はないぞ!」
自らの怒りを叩きつけるかのように、ただただ雷を打ち続けた。
先ほどの晴天はどこへやら。
雷を生み出すために生まれた黒雲は幻想郷中を多い、矢雨の如く雷が降り注ぐ。
「衣玖。
貴様の雷など我の矢一本に過ぎぬ」
「確かに。
これほどの規模となると私にはとても生み出せません」
「ほう……
あっさりと認めるのだな。
つまらぬ言い訳をするのならば雷を落としてくれようと思ったがその潔さに免じて許してくれよう」
屠自古は高らかに笑い、雷を止める。
そして射命丸に告げた。
「たとえ風神の片割れと言えどつまらぬ事を言えば打ち落とすと心に銘じよ。
さすれば先ほどの無礼も許してやらん事もない」
「いえいえ、滅相もない。
私としては争う気などこれっぽっちもなく」
「なにが争う気などないだ。
あれほど人を煽っておいて。
それ以外に理由があるのか」
「ええ、あるんですよね。
衣玖さんにはご理解頂いているようですが」
射命丸の強がりか。
そう屠自古は考えたが二人して天を仰いでいる。
どんよりとした曇り空にぱらぱらと雨が降り始めていた。
「古来より日照りからの雨は雷様がお伝えをしてから降るといいますね」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:東方Project お題:薄汚いダンス 制限時間:1時間 読者:18 人 文字数:1350字 お気に入り:0人
ひどいにおいだ。レミリア・スカーレットはそうひとりごちる。自分も吸血鬼などと呼ばれてはいるが、やはりやつらとは別種の存在なのだろう、こんな汚い環境は我々の趣味と 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:百合街@紅楼夢G15bネムノコス ジャンル:東方Project お題:自分の中の屍 制限時間:1時間 読者:98 人 文字数:1615字 お気に入り:0人
得体のしれない想いが、身体中を駆け巡ることがある。 妖怪の寿命は長い。果てしない時を、同じような暮らしをして淡々と過ごしていく。そのうちに、具体的な事象こそ忘 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:情熱的な、と彼は言った 制限時間:1時間 読者:101 人 文字数:2850字 お気に入り:1人
『結局のところ、私に何をさせる気だよ!』「あら、ここまで来たんだから自分で分かってるんじゃないの? あんな大言壮語を吐いたんだから、【妹様の遊び相手】頑張ってね 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちょうできるねこのひと ジャンル:東方Project お題:軽い水たまり 制限時間:1時間 読者:102 人 文字数:1518字 お気に入り:0人
空気の澄んだ朝。昨日までの暗い空とは違い、山の向こうがグラデーションに彩られる心地良い空。「そうだ、湖、行こう」私は気の赴くままに、晴れた空へと飛び出した。私は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:見憶えのある小雨 制限時間:1時間 読者:107 人 文字数:1896字 お気に入り:0人
暦の上での秋にも入り、寝苦しい夜もだいぶ減ったある日の事だ。それでも日中はまだ暑いと、白狼天狗の犬走椛に誘われて、「どこかに涼みに行きましょう!」と誘われた。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かぼちゃ ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:122 人 文字数:2559字 お気に入り:0人
二度と見ることの出来ない景色。 そもそも、早苗自身が己の目で見た景色ではない。もう、どこで見たのかも覚えていない。何かの本だろうか? それともテレビだろうか? 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
20170904 ※未完
作者:さとうとしお_友の会緋19,20売り子 ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:99 人 文字数:589字 お気に入り:0人
未完ワンドロお題:雷鼓 妹紅 ミスティア 赤提灯と言えば、うまい酒、うまい飯、賑やかな空気! 三つのうちどれが欠けても成り立たないのです。賑やかにするのが私の腕 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:気持ちいい冥界 制限時間:1時間 読者:105 人 文字数:2406字 お気に入り:0人
貸本屋という職業上、よくよく立ち会いたくない場面に首を突っ込むことがある。 ん? ただ店の奥にこもっているだけのくせに何を言っているのか。ですって? 『本を貸 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:小説家たちのヒーロー 制限時間:1時間 読者:105 人 文字数:2280字 お気に入り:0人
『キャラクター』 それは創作上の登場人物で、虚構の存在だ。 紙の上、画面の向こう、頭の中……様々な場所で苦悩して、不正をして、堕落して、逃避して、奮闘して、打破 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
20170902 ※未完
作者:さとうとしお_友の会緋19,20売り子 ジャンル:東方Project お題:小説家たちのヒーロー 制限時間:1時間 読者:96 人 文字数:472字 お気に入り:0人
※未完成です『すべてちがう』ワンドロお題:雛 八橋 ドレミー「いいですか、聞こえますか、白鷺と獏が相思相愛になる話を書くのです」「ちゃんちゃかちゃんちゃん」「獏 〈続きを読む〉

川後の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:ゆるふわな食事 制限時間:1時間 読者:59 人 文字数:2228字 お気に入り:0人
お題は霊夢 永琳 響子手紙はいつも渡すものだった。命蓮寺にはいつも大量の手紙がやってくるのでそれを受け取り、そしてそのお返事を郵便屋さんに手渡す。門前で修行する 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:メジャーな失望 制限時間:1時間 読者:82 人 文字数:2089字 お気に入り:0人
お題はレミリア 美鈴 雷鼓私は昼間っから人里の外れにある蕎麦屋で酒を飲んでいた。ここの蕎麦屋はそう美味い訳ではなく、さりとて不味いと言い切るほどではないがあまり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:情熱的な、と彼は言った 制限時間:1時間 読者:122 人 文字数:1468字 お気に入り:0人
お題:パチュリー こいし 正邪カップリング パチュリー×こいし遥か昔に動かない大図書館と自称した事がある。私の中では中々に効いたフレーズで自己紹介する時にもつい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:消えた勝利 制限時間:1時間 読者:95 人 文字数:1723字 お気に入り:0人
カップリング:屠自古×衣玖お題:文 屠自古 衣玖真夏のある日、屠自古は射命丸を睨みつけていた。それもこれも唐突に呼び出しをしたかと思えば無礼な事を言い出すのだ。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:楽観的な声 制限時間:1時間 読者:103 人 文字数:1994字 お気に入り:0人
カップリング:清蘭×スターお題:清蘭 小鈴 スター 暗い小屋の中。 私達は三人で蠟燭を囲んで座り込んでいた。 暑さからだろうか。 私の頬に汗が流れ落ちる。「あら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
輪廻 ※未完
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:見憶えのある小雨 制限時間:1時間 読者:107 人 文字数:2125字 お気に入り:0人
カップリング さとり × 村紗「はいはいオンステージいくよー!」「突飛な事を言い出しても私が困るのですが」「はいはいさとりんノリ悪いよー!今は空気読もうよKYっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:110 人 文字数:1534字 お気に入り:0人
カップリング 響子 × 聖「では、あなたも命蓮寺に入りたいという事ですね」「はい!是非とも聖様の元で学びたいと思います!」元気な声で響子は答える。門前の小僧を辞 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:小説家たちのヒーロー 制限時間:1時間 読者:81 人 文字数:2791字 お気に入り:0人
カップリング 小鈴 × パチュリー「パチュリーさん。海に関する資料って何処にありましたっけ。ほら、船に乗って……」「魚でも釣るの?」「雲居さんからのお手紙では何 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:私とあの人 制限時間:1時間 読者:105 人 文字数:2247字 お気に入り:0人
カップリング 天子 × 針妙丸「嫌です!変態の所なんて絶対行きたくありません!」夏の暑さも和らいだ頃。今日も博麗神社では居候達が飛んだり跳ねたりの大騒ぎ。それも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:許せない狐 制限時間:1時間 読者:80 人 文字数:2375字 お気に入り:0人
カップリング 藍 × ルナサまただ。また間違えた。とても簡単な計算間違い。数学とも言えない簡単な算数を間違えるだなんてどうかしている。何故自分でも間違えたのかよ 〈続きを読む〉