ジャンル:文豪とアルケミスト お題:残念な経験 制限時間:4時間 読者:84 人 文字数:1134字 お気に入り:0人

菓子の行方

【味覚の話】

有碍書の浄化作業は帝國図書館分館の仕事の中でも最も重要な部類に入る。
高村光太郎は自分達文豪を指示する特務司書の少女に紅茶とお菓子を出した。今は第一会派の潜書中だ。

「どうしたの?」

「……何でも」

潜書先は山月記だ。彼女が言うにはどうも文豪達のレベルが一定に達さないと行けないらしく
どうするかといえば日々鍛錬らしい。出した紅茶を飲んで彼女が眉を上げた。

「淹れたのはウヴァだけど」

「ミルクティーにしても美味しいですよね」

「牛乳入れるかな」

「このままで」

彼女は笑顔を浮かべる。紅茶の葉やお菓子は飲食室に置いてあるものを出してはいるがいつの間にかアレは
補充されているのだ。謎である。
特務司書の少女が帝國図書館の敷地外から滅多に出ることはないのは皆知っている。

(どうやってコレは補充されているんだろう……)

高村の疑問だった。



「<女王>。いきなりお菓子買ってこいとか言ったから適当に買ってきたんだけど……」

その疑問が解けたのは夜のことだった。
帝國図書館分館の管理者である少女とその封印者と自称する青年が現れたのだ。彼等は彼等で図書館を
アップデート、直すらしいのでこれから作業のようだが、心配なのか他の文豪達も居る。高村もある意味ではそうだ。

「もしかして、君が、ここのお菓子やお茶を」

「適当に共有分は買ってるよ」

彼らしい。

「司書さん、ウヴァのフレーバーが強いのを苦手にしていたから」

「……店員のおすすめをとりあえず買ってきてるからな。あれ」

ウヴァは紅茶の葉の一種だ。渋めというかミルクティーにしたりすると美味しい葉だが大まかに言うと二種類あり
ウヴァフレーバーという独特の匂いが強いかそれ許ないかの葉に区分される。
前者は苦手な人は苦手なのだ。

『出されればとりあえず食べたり飲んだりするから。あの子。とりあえず胃に入れるレベルだと何でも入れるし』

「それ、無理をしてないかな」

飲食は重要だ。
気をつけていなければいけない項目である。加護者の方は黒いテディベアのぬいぐるみを抱えて言っていた。

「好み、いまいち解らないんだよな」

『そうねぇ。あの子、言うときは言うけど言わないときは言わないし』

「君は好みの方、知っているよね」

高村は加護者に話を振る。加護者はええ、と話、

『それなりに』

「教えて欲しいんだ。僕も探るようにしているけれどね。司書さん、これからもっと負担がかかるだろうし、かけてしまうだろうから」

高村は言う。
加護者は黒目で高村の方を見て

『解ったわ』

と答えた。
高村としては彼女に残念な経験は余りして欲しくないのだ。


【Fin】

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪とアルケミスト お題:ゆるふわなうどん 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:802字 お気に入り:0人
ここは食堂。文豪達が並んで食事を受け取っている。「わぁ~~、今日のご飯はおうどんだ~~!!」 南吉が嬉しそうに言葉にした。「うどんか……。二日酔いにはもってこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
怖い話の代償 ※未完
作者: ジャンル:文豪とアルケミスト お題:黒尽くめの妹 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:745字 お気に入り:0人
「ねぇねぇ八雲さんっ、怖いお話聞かせてほしいな」 南吉と賢治は目を輝かせながら、小泉八雲に問いかける。「こわい……話、ですか??」 突然の振りに驚いた八雲は、再 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
冬の話(芥藤) ※未完
作者:おとない@アクティブ散財マン ジャンル:文豪とアルケミスト お題:女同士の秋雨 制限時間:30分 読者:55 人 文字数:693字 お気に入り:0人
お題無視「君も、物好きだね」「そっくりそのまま返してあげるよ」はぁ、と吐き出した息が白かった。寒さで赤くなった鼻と指先を気にするように触りながら、隣で紫煙を燻ら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小夜子 ジャンル:文豪とアルケミスト お題:箱の中の弔い 制限時間:15分 読者:29 人 文字数:5480字 お気に入り:0人
普段使われている丸テーブルがいくつか置かれ、ある程度の広さとにぎわいをもつ文豪食堂とは別の、どうやって来たのか忘れるくらい奥まったところの、忘れ去られた元食堂の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小夜子 ジャンル:文豪とアルケミスト お題:自分の中の勇者 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:460字 お気に入り:0人
勇者は常にその手に剣(つるぎ)を握っているものだ――。その本はそのような書き出しで始まっていたように思う。さてその剣とは如何様なものか。現代において剣とは、なに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪とアルケミスト お題:穏やかな悪人 制限時間:30分 読者:125 人 文字数:1022字 お気に入り:0人
水面が揺れる。透き通った水の、その色が、音も立てずに揺れている。ともすれば、凪いでいる。蓮のよく似合う静かなみずうみが、瞼に隠された。一秒と立たずにまた姿を現 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪とアルケミスト お題:記録にない犯人 制限時間:15分 読者:100 人 文字数:713字 お気に入り:0人
いつ図書館を訪れても、ある一冊は、常にその姿を隠している。いつだって貸し出し中。ただ、不思議なことに、貸し出しの記録は残っていない。ゆえに、誰がいつから借りて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪とアルケミスト お題:調和した心 制限時間:1時間 読者:109 人 文字数:3380字 お気に入り:0人
人は嘘をつく。物語は嘘で出来ている。数字は嘘を構成する。誤謬。交絡。因果。相関。粒子のように世の中に満ちて、蒙昧の闇だけが疑いようもなく確かに広がる。世の中に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小夜子 ジャンル:文豪とアルケミスト お題:遠い快楽 制限時間:30分 読者:83 人 文字数:3961字 お気に入り:0人
「来客、ですか。」「何言ってるんですか、あなたが呼んだんでしょう。」「覚えていますとも。ようこそ、木曜の茶会へ。」「あれ?他の人はいないんですか?芥川くんとか。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小夜子 ジャンル:文豪とアルケミスト お題:永遠のヒロイン 制限時間:15分 読者:90 人 文字数:3732字 お気に入り:0人
「今日の晩ご飯はロールキャベツなんだねぇ。いただきます!」そう言ってロールキャベツにナイフをたてる。外側の見た目に反し、ロールキャベツの中には肉がぎっしり入って 〈続きを読む〉

秋月蓮華(もしくは高槻翡翠)の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:テニスの王子様 お題:12月の税理士 必須要素:スケベ人間 制限時間:1時間 読者:38 人 文字数:2621字 お気に入り:0人
【冬の日に君と僕は】U-17強化合宿に招待された氷帝学園中等部三年、忍足侑士は手伝いとして招集された中等部二年のアディシア・スクアーロを探していた。「忍足先輩。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:テニスの王子様 お題:暴かれた風邪 制限時間:15分 読者:32 人 文字数:1183字 お気に入り:0人
(ルドルフのある日)【風邪引きのこと】「……風邪が流行しとるねぇ」「してますね……無事なのが俺ぐらいって……」「柳沢君に留守はお願いしてきたけど、木更津君に観月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:テニスの王子様 お題:絵描きの草 必須要素:テレビ 制限時間:15分 読者:39 人 文字数:756字 お気に入り:0人
(ルドルフで管理人さんとかいるよ)【とある日のやりとり】休日、聖ルドルフ学院の男子寮にて不二裕太がようやく起きてくる。欠伸をした状態でリビングルームに行けば管理 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:しんけん!! お題:鳥の夏 必須要素:太宰治 制限時間:2時間 読者:39 人 文字数:1831字 お気に入り:0人
【ある夏の日に】今年は猛暑だと言っていた。刀匠である斎庭白秋は屋敷内の庭で休憩をしていた。木によりかかり、煙草を吸いながら本を読んでいる。白秋はヘビースモーカー 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:テニスの王子様 お題:打算的な食事 制限時間:30分 読者:42 人 文字数:464字 お気に入り:0人
(U-17合宿にて)【作りたくなったから】「こう、合宿所の食事は味が濃くてなぁ……」「自分で調整すると楽って奴ですか。寮は平均で作ってるんですよ」U-17合宿所 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:テニスの王子様 お題:忘れたい善人 制限時間:4時間 読者:49 人 文字数:1623字 お気に入り:0人
(オリキャラ居るよ【忍足侑士と幽霊との雪の日】「遊びに来たぜ。侑士!」「寒いよ」「ここまで来るのが大変だったんだぜ」雪によって東京都中の小中学校が休校になった日 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:テニスの王子様 お題:黒いアレ 制限時間:30分 読者:45 人 文字数:1430字 お気に入り:0人
(オリキャラ居るよー)【忍足侑士と幽霊とのあれやこれ】U-17の合宿所にて忍足侑士は散歩をしていた。片手には雑誌を持っている。この雑誌はU-17の施設にあったも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:テニスの王子様 お題:純粋な哀れみ 必須要素:リアルな描写 制限時間:1時間 読者:46 人 文字数:2804字 お気に入り:0人
(寮母と管理人でオリキャラ居るよー)【雪が降った日】「明日は東京都の学校、全部休校になるって。雪が酷くてなぁ……」聖ルドルフ学院の男子寮にて、観月はじめは寮の管 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:文豪とアルケミスト お題:阿修羅悪魔 制限時間:30分 読者:38 人 文字数:1603字 お気に入り:0人
【おやつの恨み】「オジサンとおやつ、食べに行こう、な」「……」「パンケーキにするか。白玉善哉にするか」「どっちも」不機嫌な特務司書の少女を井伏鱒二は背後から抱き 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華(もしくは高槻翡翠) ジャンル:文豪とアルケミスト お題:小説家たちの傑作 制限時間:1時間 読者:48 人 文字数:2282字 お気に入り:0人
【傑作とは】「うたいきてる」『うたあんどん。わざとね』特務司書の少女は帝國図書館分館の本棚で泉鏡花著『歌行燈』を手に取る。文庫本サイズだ。タイトルの訂正を入れた 〈続きを読む〉