リハビリ作
照「ツモ…6000オールの5本場は6500オールです」
完全王者。この言葉は彼女のためにあるようなものだ。
先鋒で他家を飛ばし勝利したのにもかかわらず、彼女はどこか退屈そうな顔をしていた。
淡「照ーおつかれー」
照「ただいま…」
菫「お疲れ様。いつも思うのだが勝ったのだからもう少し嬉しそうに出来ないのか?」
照「このくらい当然…」
照は話しかけてくる私達の方を向くこと無く、返事だけをして目の前においてあった駄菓子を食べることだけに集中している。これもいつもの事だ。
誠子「そういえば、宮永先輩は麻雀で負けたことないんですか?」
菫「何を馬鹿な事を。そんなのあるわけ…」
照「あるよ。一度だけ」
菫「あるのか!?いつ?誰に負けたんだ?」
照「…」
私達の期待とは裏腹に、照は口を開くことはなかった。それほど負けたことが悔しいのだろうか…
菫「わかった…そこまで話したくないのなら聞かないでおこう」
尭深「なんの話をしておられたのですか?」
菫「あれ?お前控室に居なかったのか」
尭深「気づかないなんて酷いですね」
菫「すまない。話っていうのも、照が一度だけ麻雀で負けたことがあるということを聞いてな」
尭深「あぁ、その話ですか」
菫「あぁ…って、お前はこの話知ってるのか!?」
尭深「知ってるも何も、その話は私のことですから」
おわり