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masqu ※未完

それは洋服というよりもっとぴったりと寄り添う小物のような。帽子であったり、ポシェットであったり、そういうものだと思う。ただ、彼にはそんなものに例える必要もなく、バスケットボールがいつも、そうやって寄り添っていた。まるで子分のように、ボールは彼から離れず、彼もボールから離れなかった。大人に負けてビービー泣いて、涙と鼻水を拭って、もう一本と怒鳴り、くそーっ!と怒鳴って、もう一本と叫び、日の暮れるまで、足を擦り剥こうとも唾をつけたくらいで、彼は毎日ボールと戯れていた。彼はシュート練習をしただろうか。そんな姿は見たことがなかった。お遊びで、ハーフラインから勢いをつけてボールを放る、ということをしていたけれど、それは練習ではない。遊びだ。彼は遊びの中でバスケットボールを覚えた。ルールを、シュートを、その他、たくさんの技術を、学ぼうという意思はなく、彼は自然に身につけていった。年齢不相応の技術も、習おうとしたわけではない。彼はその相手に勝とうとして、その技術を交わす術を身につけた。習うより慣れろ。そして慣れた先に完成したものは。才能がそれに結びついた、その先にあったものは。
黒子を紹介された時、小さいな、と思った。気配も薄く、それでも青峰が彼を気に入っている、そのパスをすごく気に入っていると言っていた。そして彼のパスを見た時、彼がパスを受け取った時、私はあの時のボールを思い出したのだ。彼にまとわりついていた、あのボール。彼が自分でドリブルをして、バウンドさせてキャッチする。その力加減、肩の抜き方、一歩踏み出し方、彼の意思によってコントロールされているだけあって、その力の動きは彼の意志そのものだ。そして黒子のパスはそれと同じ動きをした。青峰の動きをまったく妨げないパス。彼の意志であるかのようなパス。そんな人がいるのか、でも、確かにNBAやそれに類するレベルの試合では、そういったパスをする選手もいた。つまりそういうことなのだ。黒子はそういうパスを出せる人なのだ。
よかったね、テツ君がいて
中学の頃、部活後の練習で、黒子がコートの端で力尽きている時、青峰にそう言ったことがあった。
何が
だって、大ちゃん、もっと先に行ける
俺も、そう思う。
ほんと?
何となくだけど

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