ジャンル:東方Project お題:メジャーな失望 制限時間:1時間 読者:182 人 文字数:2089字 お気に入り:0人

フードファイター雷鼓

お題はレミリア 美鈴 雷鼓

私は昼間っから人里の外れにある蕎麦屋で酒を飲んでいた。
ここの蕎麦屋はそう美味い訳ではなく、さりとて不味いと言い切るほどではないがあまり客のいない店だった。
妖怪が人里にいる間は目立たず騒がずが暗黙の了解となっている。
静かなランチを楽しみながらお酒を少し飲もうと此処に寄ったのだが、残念ながら今日は騒がしい客と相席となった。
それも、だいぶん迷惑な方向の。

「今度の飲み会で一発芸をやらなくちゃいけなくなったの」

沈痛な面持ちで美鈴はため息を付きながらそう漏らす。
普段は生真面目な彼女にしては珍しく、顔が真っ赤になるほど酒を呷っている。

「一発芸ね。
美鈴さんはそういうのお得意そうなイメージがあるわ」
「そりゃ得意ですよ。
板の向こうに置いたコップだけを割る技とか、包丁の早業で大根を奇麗な花に仕上げたりとか……
でもね、私だってレミリア様とは何百年も一緒にいるんです。
いい加減被らないネタを探すのも無理があるんですよー!」
「忠義も時には考えものね。
でも何十年も昔のネタなら案外覚えてないんじゃない?」
「私もそう思ってやってみたんですけど……
それは100とんで8年前の3月第二金曜日にやったネタねって事細かに突っ込まれたんです。
今まで食べたパンの枚数だって覚えてないのに何で一発芸の事そこまで覚えてるんですか」
「美鈴さんの一発芸によほど期待しているのね。
頑張って新しいの覚えないと後が怖そう」
「怖そうっていうより怖いんですよ。
その日なんてフラン様と三日間ずっと遊ぶ羽目になりましたし」
「それは……
大変そうね」
「分かってくれますかー!」

それとなく返す相槌に美鈴はよほど嬉しいのか涙を流している。
自分が頼んだお蕎麦を食べる事も忘れて。
私は既に食べ終えていたので、乾いてカピカピになったお蕎麦をどうするのだろうとちらちらと見ていると美鈴はハッとして私のザルと入れ替える。
……別にお腹がすいていて食べたかったわけじゃない。

「なので雷鼓さんに是非ともお力をお借りしたくー!」
「…ええっ!
今の話で私に出来る事あるの?」
「あなたのその付喪神としての能力で出来る一発芸を今考えついたんです」
「そんな急に拵えたネタであのご当主様が納得するのかしら……」
「ネタを詰めてる時間がないんです。
何せ今日の夕方から飲み会が始まっちゃいます」
「私に出来る事なら力になるわ」

食べ残しは良くないと思い、差し出されたお蕎麦も何とか完食するのだが何故か美鈴はさらに二杯注文する。
……もしかしたら助力への報酬のつもりなのだろうか。
喉をお蕎麦がせりあがってくるのを頑張って堪えているのだがこの酔っ払いはどうも気づかないらしい。
それどころかどうぞどうぞとお酌までしてくる。
私ってそんなに大食らいに見えるのだろうか。
今度ダイエットに挑戦しなければ。

「雷鼓さんに手伝ってもらうのはコレ!
コレに乗り移ってほしいのです」
「これって……何?
ギター?」
「ええそうですギターです。
ちゃんと音も出ますよ」
「いやいや音は出るけどこれちゃんとしたギターじゃないじゃない!
何よこのまるい顔のキャラクター!
どうみたって子供用じゃない!」
「そうですそこがいいんです。
このモチーフのキャラクターはレミリア様も気に入っているのでこれで凄い音を出して演奏すればきっと大受け間違いなし!」
「……もしかして」
「ええ、私ギター弾けないので乗り移って頑張ってそれっぽく音を出してください」
「このギターにかー……」
「是非とも私を助けると思って!」
「ま、いいわ。
私の力なら歪んだ本物の音だって出せるし一発芸にはちょうどいいのかも」
「ありがとうございます」

大喜びした美鈴はようやくお蕎麦に取り掛かる。
もしかしたらあのお蕎麦も私が食べなければならないのかと戦々恐々としていたのだがどうやらその心配はないようだ。
私も胸のあたりが苦しいが頑張って三杯目を何とか完食し、一息つけた。
お蕎麦屋さんのお婆ちゃんがその食べっぷりを見ておはぎでも食べなさいと三つくらいおおきなおはぎを渡してくれなければよかったのだが。

「これで今日の飲み会も安心して過ごせます。
いやーレミリア様も私の一発芸がないと盛り上がらないのか毎回やってやってってねだられますからね。
あの姿らしいかわいいところもありまして」
「だーれがかわいらしいって?」
「そりゃもうレミリア様が……
あれ?」
「誰がおねだりしてるって?」
「ひゃあレミリア様!
いやこれは言葉のアヤというか誤解でして……
ちなみにどこから聞いてました?」
「あんたがこの付喪神にぐちぐち言い始めた所からよ」
「それって最初からじゃないですかー!」
「美鈴。
今回はその一発芸は禁止よ。
ちゃーんと自分だけで芸は完成させなさい。
これは命令よ」
「そ、そんなー!」

人里離れた蕎麦屋での大騒ぎ。
私はどうも断れずに受け取ってしまったおはぎを頑張って食べようと四苦八苦していた。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:東風谷 早苗 ジャンル:東方Project お題:調和した惑星 制限時間:1時間 読者:47 人 文字数:549字 お気に入り:0人
「大っ嫌い!」そんな事を言ってしまった。この喧嘩は些細な事であり、悪気もなかった。「…」 彼女を悲しませてしまったかな…。謝りたい。*** 湖がある。霧が掛かり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:東方Project お題:つまらない宴 制限時間:1時間 読者:76 人 文字数:455字 お気に入り:0人
「はぁ。今回は人が少なすぎね」私レミリア・スカーレットはそう呟く「今回はせっかくここで宴なのに…まっ楽しも」フランは楽しそうに振る舞う「咲夜。一緒に飲みましょ」 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:東方Project お題:薄汚いダンス 制限時間:1時間 読者:128 人 文字数:1350字 お気に入り:0人
ひどいにおいだ。レミリア・スカーレットはそうひとりごちる。自分も吸血鬼などと呼ばれてはいるが、やはりやつらとは別種の存在なのだろう、こんな汚い環境は我々の趣味と 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:百合街@紅楼夢G15bネムノコス ジャンル:東方Project お題:自分の中の屍 制限時間:1時間 読者:177 人 文字数:1615字 お気に入り:0人
得体のしれない想いが、身体中を駆け巡ることがある。 妖怪の寿命は長い。果てしない時を、同じような暮らしをして淡々と過ごしていく。そのうちに、具体的な事象こそ忘 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:情熱的な、と彼は言った 制限時間:1時間 読者:188 人 文字数:2850字 お気に入り:1人
『結局のところ、私に何をさせる気だよ!』「あら、ここまで来たんだから自分で分かってるんじゃないの? あんな大言壮語を吐いたんだから、【妹様の遊び相手】頑張ってね 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちょうできるねこのひと ジャンル:東方Project お題:軽い水たまり 制限時間:1時間 読者:157 人 文字数:1518字 お気に入り:0人
空気の澄んだ朝。昨日までの暗い空とは違い、山の向こうがグラデーションに彩られる心地良い空。「そうだ、湖、行こう」私は気の赴くままに、晴れた空へと飛び出した。私は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:見憶えのある小雨 制限時間:1時間 読者:187 人 文字数:1896字 お気に入り:0人
暦の上での秋にも入り、寝苦しい夜もだいぶ減ったある日の事だ。それでも日中はまだ暑いと、白狼天狗の犬走椛に誘われて、「どこかに涼みに行きましょう!」と誘われた。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かぼちゃ ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:213 人 文字数:2559字 お気に入り:0人
二度と見ることの出来ない景色。 そもそも、早苗自身が己の目で見た景色ではない。もう、どこで見たのかも覚えていない。何かの本だろうか? それともテレビだろうか? 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
20170904 ※未完
作者:さとうとしお_友の会緋19,20売り子 ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:184 人 文字数:589字 お気に入り:0人
未完ワンドロお題:雷鼓 妹紅 ミスティア 赤提灯と言えば、うまい酒、うまい飯、賑やかな空気! 三つのうちどれが欠けても成り立たないのです。賑やかにするのが私の腕 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:藤月カゴメ ジャンル:東方Project お題:気持ちいい冥界 制限時間:1時間 読者:181 人 文字数:2406字 お気に入り:0人
貸本屋という職業上、よくよく立ち会いたくない場面に首を突っ込むことがある。 ん? ただ店の奥にこもっているだけのくせに何を言っているのか。ですって? 『本を貸 〈続きを読む〉

川後の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:ゆるふわな食事 制限時間:1時間 読者:157 人 文字数:2228字 お気に入り:0人
お題は霊夢 永琳 響子手紙はいつも渡すものだった。命蓮寺にはいつも大量の手紙がやってくるのでそれを受け取り、そしてそのお返事を郵便屋さんに手渡す。門前で修行する 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:メジャーな失望 制限時間:1時間 読者:182 人 文字数:2089字 お気に入り:0人
お題はレミリア 美鈴 雷鼓私は昼間っから人里の外れにある蕎麦屋で酒を飲んでいた。ここの蕎麦屋はそう美味い訳ではなく、さりとて不味いと言い切るほどではないがあまり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:情熱的な、と彼は言った 制限時間:1時間 読者:211 人 文字数:1468字 お気に入り:0人
お題:パチュリー こいし 正邪カップリング パチュリー×こいし遥か昔に動かない大図書館と自称した事がある。私の中では中々に効いたフレーズで自己紹介する時にもつい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:消えた勝利 制限時間:1時間 読者:192 人 文字数:1723字 お気に入り:0人
カップリング:屠自古×衣玖お題:文 屠自古 衣玖真夏のある日、屠自古は射命丸を睨みつけていた。それもこれも唐突に呼び出しをしたかと思えば無礼な事を言い出すのだ。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:楽観的な声 制限時間:1時間 読者:185 人 文字数:1994字 お気に入り:0人
カップリング:清蘭×スターお題:清蘭 小鈴 スター 暗い小屋の中。 私達は三人で蠟燭を囲んで座り込んでいた。 暑さからだろうか。 私の頬に汗が流れ落ちる。「あら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
輪廻 ※未完
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:見憶えのある小雨 制限時間:1時間 読者:197 人 文字数:2125字 お気に入り:0人
カップリング さとり × 村紗「はいはいオンステージいくよー!」「突飛な事を言い出しても私が困るのですが」「はいはいさとりんノリ悪いよー!今は空気読もうよKYっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:清い修道女 制限時間:1時間 読者:187 人 文字数:1534字 お気に入り:0人
カップリング 響子 × 聖「では、あなたも命蓮寺に入りたいという事ですね」「はい!是非とも聖様の元で学びたいと思います!」元気な声で響子は答える。門前の小僧を辞 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:小説家たちのヒーロー 制限時間:1時間 読者:162 人 文字数:2791字 お気に入り:0人
カップリング 小鈴 × パチュリー「パチュリーさん。海に関する資料って何処にありましたっけ。ほら、船に乗って……」「魚でも釣るの?」「雲居さんからのお手紙では何 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:私とあの人 制限時間:1時間 読者:191 人 文字数:2247字 お気に入り:0人
カップリング 天子 × 針妙丸「嫌です!変態の所なんて絶対行きたくありません!」夏の暑さも和らいだ頃。今日も博麗神社では居候達が飛んだり跳ねたりの大騒ぎ。それも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:川後 ジャンル:東方Project お題:許せない狐 制限時間:1時間 読者:173 人 文字数:2375字 お気に入り:0人
カップリング 藍 × ルナサまただ。また間違えた。とても簡単な計算間違い。数学とも言えない簡単な算数を間違えるだなんてどうかしている。何故自分でも間違えたのかよ 〈続きを読む〉