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帰り道のこと

「あの時やめていればなぁ…」

とぼとぼと帰り道を歩くおそ松は小さく呟いた。お昼時に、見切り発車で家を飛び出して駆け込んだパチンコ屋では勝つことが出来たのだか調子に乗ったおれはまだまだ勝てるんじゃねぇ!?って万札抱えていたのに別のパチンコ屋で僅かばかりの小銭に変えてしまった。
懐のさみしさに、はぁ…と深いため息をついていた時、路地の方でごそりと動く何かを見つけた。
また一松だろうかとそちらに足を向けてみれば倒れ掛けのゴミ箱の横に小さく体を縮こまらせた子供が座っていた。普段のおれならばめんどくせってそのまま立ち去っていたんだろうけど
ほんのちょっとの気まぐれではおれは子供に声をかけた。

「こーんなところで隠れんぼでもしてんの?」

おれの声にびくりと身を震わせ、恐る恐ると言ったふうに子供は顔を上げた。
瞼を真っ赤にぼんぼんに腫らしてはいたが、それでも顔立ちが整っていることが伺えた。大きな目を潤ませ顔をくしゃりと歪めた子供に、抱きつかれ大泣きされ道行く人々が不振な顔をして路地裏を覗き始めたのには流石に焦って子供を抱えてすたこらと退散した。



ぎゅっとパーカーの裾を握りしめる子供をなんとか言い聞かせ公園のベンチに座らしたおれは小走りで近くの自販機で水を買った。所持金ギリギリの買い物ではあったが、あんなに腫れてしまっているのをほおっておける訳でもなくベンチに戻り子供に目を冷やさせた。
そこでようやっと一息付けたおれはベンチの背もたれに腕を伸ばしちらりと子供に目をやる。
やけにいい素材で出来てそうな服に傷一つない手、手入れの行き届いた髪の毛。靴はどうやら履いていなかったようで足には切り傷なんかがあった。そう言えばとポケットを探ると中からティッシュが出てきた。店の前で頭を下げながら渡されたそれを水道で濡らし子供の足を拭くのに使う。ティッシュを何枚か消費しやっと綺麗になった足を見て子供は小さく「ありがとうございます」といった。



公園のスピーカーから五時のお知らせが流れ始め当たりもすっかりオレンジ色になっていた。
靴がない子供のためにおそ松は背中に背負い公園をあとにする。子供が言うには迷子になり犬に追いかけられうろうろと彷徨いあんなとこにいたというのだ。
それならばきっと親も探しているのだろうと、子供の目的地である店の方へ向かっているのだった。先程まで色々とおそ松に質問をしたりしてはしゃいでいた子供ではあったが今では背中ですうすうと寝息をたてて寝ていた。
とくりとくりと伝わって来る心音に不思議と頬が緩んだ。
店の近くまできたところ電話をかけながらあちらこちらに歩き回る男の姿が見えた。手に持っている小さな靴を見たおそ松は、おーいと呼んだ。



後日、おそ松宛に手紙が届いたという。可愛らしい封筒に入れられたそれをにやにやしながら見ているおそ松は同封されている写真を財布にしまった。

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