ジャンル:おそ松さん お題:春の整形 制限時間:30分 読者:80 人 文字数:1211字 お気に入り:0人

帰り道のこと

「あの時やめていればなぁ…」

とぼとぼと帰り道を歩くおそ松は小さく呟いた。お昼時に、見切り発車で家を飛び出して駆け込んだパチンコ屋では勝つことが出来たのだか調子に乗ったおれはまだまだ勝てるんじゃねぇ!?って万札抱えていたのに別のパチンコ屋で僅かばかりの小銭に変えてしまった。
懐のさみしさに、はぁ…と深いため息をついていた時、路地の方でごそりと動く何かを見つけた。
また一松だろうかとそちらに足を向けてみれば倒れ掛けのゴミ箱の横に小さく体を縮こまらせた子供が座っていた。普段のおれならばめんどくせってそのまま立ち去っていたんだろうけど
ほんのちょっとの気まぐれではおれは子供に声をかけた。

「こーんなところで隠れんぼでもしてんの?」

おれの声にびくりと身を震わせ、恐る恐ると言ったふうに子供は顔を上げた。
瞼を真っ赤にぼんぼんに腫らしてはいたが、それでも顔立ちが整っていることが伺えた。大きな目を潤ませ顔をくしゃりと歪めた子供に、抱きつかれ大泣きされ道行く人々が不振な顔をして路地裏を覗き始めたのには流石に焦って子供を抱えてすたこらと退散した。



ぎゅっとパーカーの裾を握りしめる子供をなんとか言い聞かせ公園のベンチに座らしたおれは小走りで近くの自販機で水を買った。所持金ギリギリの買い物ではあったが、あんなに腫れてしまっているのをほおっておける訳でもなくベンチに戻り子供に目を冷やさせた。
そこでようやっと一息付けたおれはベンチの背もたれに腕を伸ばしちらりと子供に目をやる。
やけにいい素材で出来てそうな服に傷一つない手、手入れの行き届いた髪の毛。靴はどうやら履いていなかったようで足には切り傷なんかがあった。そう言えばとポケットを探ると中からティッシュが出てきた。店の前で頭を下げながら渡されたそれを水道で濡らし子供の足を拭くのに使う。ティッシュを何枚か消費しやっと綺麗になった足を見て子供は小さく「ありがとうございます」といった。



公園のスピーカーから五時のお知らせが流れ始め当たりもすっかりオレンジ色になっていた。
靴がない子供のためにおそ松は背中に背負い公園をあとにする。子供が言うには迷子になり犬に追いかけられうろうろと彷徨いあんなとこにいたというのだ。
それならばきっと親も探しているのだろうと、子供の目的地である店の方へ向かっているのだった。先程まで色々とおそ松に質問をしたりしてはしゃいでいた子供ではあったが今では背中ですうすうと寝息をたてて寝ていた。
とくりとくりと伝わって来る心音に不思議と頬が緩んだ。
店の近くまできたところ電話をかけながらあちらこちらに歩き回る男の姿が見えた。手に持っている小さな靴を見たおそ松は、おーいと呼んだ。



後日、おそ松宛に手紙が届いたという。可愛らしい封筒に入れられたそれをにやにやしながら見ているおそ松は同封されている写真を財布にしまった。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:ろと@モブサイ舞台最高でした ジャンル:おそ松さん お題:純白の大学 制限時間:30分 読者:85 人 文字数:972字 お気に入り:1人
「松野って大学に行きたかったの?」「なんで?」「いや……わざわざ大学生だとか詐称するくらいだし、本当は大学でやりたい事あったのかと思って」「別に。キャンパスライ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@モブサイ舞台最高でした ジャンル:おそ松さん お題:出来損ないの風 制限時間:30分 読者:88 人 文字数:1174字 お気に入り:0人
例えば社会の枠組みから外れて、国民の義務である労働と納税を行っていない僕らニートは、他人から見た時に出来損ないと言われてしまうのも致し方ない事なのだろう。僕にも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:抹香鯨とうみ@8/20ガタケ@9/12〆 ジャンル:おそ松さん お題:100の、と彼は言った 制限時間:30分 読者:139 人 文字数:1209字 お気に入り:0人
「全国猫カフェスタンプラリー?」 カラ松は不思議そうに返答した。「しっ、声が大きい」 一松の手にはチラシのようなものが握られている。どうやら手書きのそれには、全 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:南サイダー ジャンル:おそ松さん お題:勇敢な儀式 制限時間:30分 読者:137 人 文字数:1279字 お気に入り:0人
ほんの数年前まで引きこもりで所謂ニートと呼ばれ世間様から疎まれる存在だった。そんな自分からしたら自ら物語を生み出そうとしたのはとてもすごいことだ。すごいじゃ足 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:おそ松さん お題:破天荒な独裁者 制限時間:30分 読者:216 人 文字数:661字 お気に入り:0人
十四松がホテルのベッドに腰掛けて、俺をじっと見つめる。そして俺はその十四松の前で床に跪いていた。組み直した十四松の足を取り、唇を寄せようとした。「一松兄さん、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:おそ松さん お題:少女の春 制限時間:30分 読者:106 人 文字数:539字 お気に入り:0人
注:十四松の女体化、一人称は「僕」 苦手な方は回れ右でお願いいたします。 昔の僕は泣き虫だった。何処でもすぐに泣いてしまうから、いつも一松兄さんが隣にいてくれて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:おそ松さん お題:トカゲの海辺 制限時間:30分 読者:87 人 文字数:363字 お気に入り:0人
ヒトデって、トカゲだよねぇ、十四松が千切れて再生しかけている4本足のヒトデをつまみ上げて言った。 真夏の部屋で扇風機に当たりながら寝ていたら、急に海に行きたい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:おそ松さん お題:意外な螺旋 制限時間:30分 読者:199 人 文字数:546字 お気に入り:0人
なぜあの時逃げなかった、1時間前の僕。おそ松兄さんに声を掛けられたとき、あ、これ面倒くさいやつだって分かってたじゃん。「ねぇ、トッティ、聞いてるぅ?」おそ松兄 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:おそ松さん お題:遅い火 制限時間:30分 読者:120 人 文字数:796字 お気に入り:0人
一松兄さん、呼ばれて振り向くと十四松が顔のすぐそばまで迫ってきていて思わず声を上げてしまった。「ど、どうしたの、十四松」「これ、兄さんも食べてみ! あんまいよ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:おそ松さん お題:12月の雨 制限時間:30分 読者:95 人 文字数:640字 お気に入り:0人
目を開けると、外からザァザァと音がした。ソファから体を起こすと、外は土砂降りの雨が降っていた。いつの間に眠っていたのだろう。寝起きで痛い頭を振った。今は12月 〈続きを読む〉

はたかそャーす低浮上気味になりますの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:来年の殺人犯 制限時間:30分 読者:43 人 文字数:3210字 お気に入り:0人
凍えてしまうような夜だった。赤い月が空に煌めき、霧の深い赤塚の街にひとつの影が怪しく動き回っていた。…しんぶんしっ!!外からの冷気に身体を震わせ冷えきった冷たい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:記録にない排泄 制限時間:1時間 読者:37 人 文字数:2135字 お気に入り:0人
白髪に染まっていく頭に不思議と底知れぬ恐怖を感じていた。弟達は何一つ変わってないのに、俺だけ白くなっていくのはまるで違う人間だと言われているようで怖くて怖くて俺 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:何かの蕎麦 制限時間:15分 読者:73 人 文字数:1959字 お気に入り:0人
くぅ…と小さく鳴ったお腹に時間を確認してみればお昼をすぎた頃だった。もうこんな時間かと机の上に広がる消しゴムのカスを床に落とさないようにまとめゴミ箱に捨てる。軽 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:春の整形 制限時間:30分 読者:80 人 文字数:1211字 お気に入り:0人
「あの時やめていればなぁ…」とぼとぼと帰り道を歩くおそ松は小さく呟いた。お昼時に、見切り発車で家を飛び出して駆け込んだパチ○コ屋では勝つことが出来たのだか調子に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:弱虫ペダル お題:哀れな耳 制限時間:15分 読者:71 人 文字数:412字 お気に入り:0人
僕が小学生の時、道行くおじさんに君にはきっとこれが似合うよって渡された小さな箱。なんで僕にくれるの?と聞けば、私はねサンタクロースなんだよって教えてくれた。君は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:去年の行動 制限時間:30分 読者:94 人 文字数:804字 お気に入り:1人
寝れない日が続き、その代わり日中ぐーすか眠っていたがだんだんと起きてる時間の方が多くなっていった。数十分くらいの感覚で目が覚めたり、眠っていても眠っている感じが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:弱虫ペダル お題:暴かれた小説 制限時間:30分 読者:88 人 文字数:468字 お気に入り:0人
道を歩いている時、空き瓶を見つけた。僕はそれを持ち去ることにした。少し入り組んだ路地裏を通り抜けしばらくゆくと廃れた工場につく。長い間雨風に晒されてきたためか色 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:哀れな祝福 制限時間:15分 読者:133 人 文字数:857字 お気に入り:0人
小学生の頃おれは足をおったことがある。事故とかそーゆーのじゃなくて遊んでいた時に折ってしまったのだ。度胸比べという名目で高いところから飛び降りるという遊びが流行 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:冷たい君 必須要素:ガラパゴス諸島 制限時間:15分 読者:89 人 文字数:500字 お気に入り:0人
雨の日にてんとう虫のカッパや長靴はいてついでに傘もさして外に出る。行ってきまーすと母さんに声をかけ水たまりを飛び越え歩き出す。ザァァと降る雨になんだかウキウキと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はたかそャーす低浮上気味になります ジャンル:おそ松さん お題:混沌のこだわり 制限時間:30分 読者:151 人 文字数:1476字 お気に入り:0人
僕らの先頭に立って先をゆく長男に憧れを抱いたのはいつだったか。その憧れが嫉妬となりおそ松兄さんから距離を置いたのは学生時代で今思えばそれは反抗期みたいなものだっ 〈続きを読む〉