ジャンル:カルジュナ お題:楽しかった大学 制限時間:15分 読者:156 人 文字数:1383字 お気に入り:0人

【カルジュナ】洋裁専攻学科xモデル志望6

アルジュナが教員控室に乗り込んでいる一方、カルナの方は少しだけ時間を遡って動き出すことになる。

生まれて初めてモデルにしたいと思った人間にすげなく断られたカルナは、しばらくその衝撃に呆然と立ち尽くし、周囲の学生たちから励まされたり肩を叩かれたりとせわしなかった。皆はカルナがどんな服を作るか、どんな評価を得ているかを知っている人間たちであったため、この機会にカルナへと取り入ろうとする者も何人かいた。
しかしカルナは全ての言葉に軽く返事を返した後、勢いよく走り出した。そして今しがた飛び降りてきた二階の教室まで、階段を場違いなほどの勢いで駆け上がり、力いっぱいにドアを開けた。これはカルナが乱暴にしようとしたからではなく、勢い余ってそうなっただけだということだけ訂正しておく。
そしてカルナは開口一番、教室内のチームメンバー全体に聞こえるように叫んだ。

「オレはチームからしばらく外れる!」
「はぁ!? どうしたんだよ!?」
「ちょっと待って辞退!?」

チームリーダーにも等しいカルナの台詞に教室内が一気にざわつく。が、カルナの言葉を待つよりも早く、声を上げるものが居た。

「はっはっは! なんじゃお主、在奴に惚れたか!」

清々しいほどの笑い声に、全員の視線がそこへ無垢。ノッブこと、信長がさもおかしそうにカルナを指差していた。

「あの交換学生、手に入れるには生半可なものでは足りんぞ」
「交換学生?」
「ム? 知らんのか? 次の個人コンペがあるじゃろ? それの『景品』じゃぞ、在奴らは」

にたり、と信長が笑うと、カルナの双眸が細められる。信長は、今まで腰掛けていた実習用机から降り、パーカーのポケットに両手を突っ込みながらカルナへと歩み寄った。

「てっきりお主、個人コンペで一位が取りたいからチームを抜けるもんだとばかり。しかしその様子だと知らんと見えた」
「あぁ、今知った。が、礼を言う」
「そうじゃろうそうじゃろう? 手に入れる手段を教えてくれたノッブに、ちと褒美をくれても良いのだぞ?」
「オレにできることならば」

信長は、カルナの前に立ち、その細身からは想像できない程の眼力でカルナを見上げてくる。
ちろ、と信長の舌がさもごちそうを前にした蛇のように動いた。

「あの交換学生、ワシにも味見させよ」
「断る」

ばっさり。
断頭台もかくや。
先程自分がかけられたギロチンの下に、今度は他者をひっかけることになろうとは。カルナは底冷えする瞳で信長を見下ろしている。

「アレはオレのものだ」
「ほーぅ? またまた、施しの気鋭は冗談が上手いのう。今の今まで、お主は在奴のことをこれっぽっちも知らなんだ」

けけけ、と信長は心底楽しそうに笑う。
こうした、他人をおもちゃにするときの信長の笑みは、まるで魔王のようだと言われる。信長に、目の前でじっとりと笑われると、その瞳の奥に心根さえを焼き尽くしてくる炎を見せられるのだと。
しかしカルナは信長の視線を如何ともせず、ただ静かに見返すのみだ。
何故ならカルナは知ってしまった。自分の心の中の炎を、自覚してしまった。
流れ星が落ちてきたように、轟く雷鳴に導かれたように。

「それでも、オレはあいつを待っていた。誰にもやることはできない」

カルナの心へ向かって、真っ逆さまに、彼は落ちてきたのだ。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

梟光司*21584の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:モージュナ お題:灰色のボーイズ 制限時間:30分 読者:48 人 文字数:1474字 お気に入り:0人
「モードレッド、そこへ直りなさい」唐突なガウェインの言葉に、は?と眉を寄せたモードレッドは椅子の上で足を組んだ姿勢のまま声の主を見た。小春日和とも言える太陽光が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:カルジュナ お題:ぐちゃぐちゃの結末 制限時間:30分 読者:63 人 文字数:2621字 お気に入り:0人
「お主の実力、測らせてもらおう!」アルジュナは逃げ出した。もう、これは受け入れられないと思ったからだった。しかし今回のネロはまたも違う分岐点のネロらしい。アルジ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:カルジュナ お題:寒い貯金 制限時間:30分 読者:55 人 文字数:3185字 お気に入り:0人
翌日、アルジュナは今度こそ資料を取りに行こうと同じ時刻に図書館への道を急いでいた。ネロが現れたのは図書館がある西棟のロビーであった。そこを横目で通り過ぎ、四階に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:モージュナ お題:突然の戦争 制限時間:15分 読者:59 人 文字数:1447字 お気に入り:0人
モードレッドのバイクに揺られている間、アルジュナはカルナのことなど一切考えなかった。というよりも、考えられなかった。猛スピードで黄色信号を突っ切っていくモードレ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:カルジュナ お題:東京の母 制限時間:15分 読者:73 人 文字数:1439字 お気に入り:0人
「我が名はネロ! 学生の中でも抜きんでた存在感と、モデルまでを自分でこなしてしまうこの才能! 真紅の絨毯を歩く余を人はこう呼ぶ、夢薔薇の皇帝、ネロ・クラウディウ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:カルジュナ お題:ラストは神話 制限時間:30分 読者:72 人 文字数:1843字 お気に入り:0人
「行きたまえ。どのみちコンペティションが終わらなければ君たちの身の振り方も決まるまい。マリー、君に課した先日のショーの体感レポートがまだ未提出だ。提出日は四日後 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:モージュナ お題:暑いサーブ 制限時間:15分 読者:98 人 文字数:1319字 お気に入り:0人
「――っし、行くか!」「しばしお待ちを」「アァ?」モードレッドに手を引かれて立ち上がったアルジュナはくるりと周囲を見回し、近くにいた女生徒へ微笑みかける。「これ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:カルジュナ お題:栄光の町 制限時間:15分 読者:111 人 文字数:1364字 お気に入り:0人
「カルナよ、この者は何だ」「パーティの同伴者だ」「確かに余は言ったな、今宵の授賞式にはパートナーを連れて来いと」「あぁ」「……………こ奴がか?」いつもの高笑いと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:エリジュナ お題:コーヒーと小説修行 制限時間:15分 読者:116 人 文字数:1451字 お気に入り:0人
「そういえば僕、アルジュナのショー見たことないんだよね」ビリーがそう言うと、アルジュナは手元のダージリンティーを一飲みして、「そうでしたか」と返した。そもそもア 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*21584 ジャンル:モージュナ お題:鈍い外資系企業 制限時間:15分 読者:201 人 文字数:1497字 お気に入り:0人
その日、アルジュナの機嫌は悪かった。ドレスの修正のために試着をして欲しい、という旨は前々から聞いていたし、試着自体は早々と終わった。あとは縫製の修正待ちのみとい 〈続きを読む〉