ジャンル:カルジュナ お題:楽しかった大学 制限時間:15分 読者:276 人 文字数:1383字 お気に入り:0人

【カルジュナ】洋裁専攻学科xモデル志望6

アルジュナが教員控室に乗り込んでいる一方、カルナの方は少しだけ時間を遡って動き出すことになる。

生まれて初めてモデルにしたいと思った人間にすげなく断られたカルナは、しばらくその衝撃に呆然と立ち尽くし、周囲の学生たちから励まされたり肩を叩かれたりとせわしなかった。皆はカルナがどんな服を作るか、どんな評価を得ているかを知っている人間たちであったため、この機会にカルナへと取り入ろうとする者も何人かいた。
しかしカルナは全ての言葉に軽く返事を返した後、勢いよく走り出した。そして今しがた飛び降りてきた二階の教室まで、階段を場違いなほどの勢いで駆け上がり、力いっぱいにドアを開けた。これはカルナが乱暴にしようとしたからではなく、勢い余ってそうなっただけだということだけ訂正しておく。
そしてカルナは開口一番、教室内のチームメンバー全体に聞こえるように叫んだ。

「オレはチームからしばらく外れる!」
「はぁ!? どうしたんだよ!?」
「ちょっと待って辞退!?」

チームリーダーにも等しいカルナの台詞に教室内が一気にざわつく。が、カルナの言葉を待つよりも早く、声を上げるものが居た。

「はっはっは! なんじゃお主、在奴に惚れたか!」

清々しいほどの笑い声に、全員の視線がそこへ無垢。ノッブこと、信長がさもおかしそうにカルナを指差していた。

「あの交換学生、手に入れるには生半可なものでは足りんぞ」
「交換学生?」
「ム? 知らんのか? 次の個人コンペがあるじゃろ? それの『景品』じゃぞ、在奴らは」

にたり、と信長が笑うと、カルナの双眸が細められる。信長は、今まで腰掛けていた実習用机から降り、パーカーのポケットに両手を突っ込みながらカルナへと歩み寄った。

「てっきりお主、個人コンペで一位が取りたいからチームを抜けるもんだとばかり。しかしその様子だと知らんと見えた」
「あぁ、今知った。が、礼を言う」
「そうじゃろうそうじゃろう? 手に入れる手段を教えてくれたノッブに、ちと褒美をくれても良いのだぞ?」
「オレにできることならば」

信長は、カルナの前に立ち、その細身からは想像できない程の眼力でカルナを見上げてくる。
ちろ、と信長の舌がさもごちそうを前にした蛇のように動いた。

「あの交換学生、ワシにも味見させよ」
「断る」

ばっさり。
断頭台もかくや。
先程自分がかけられたギロチンの下に、今度は他者をひっかけることになろうとは。カルナは底冷えする瞳で信長を見下ろしている。

「アレはオレのものだ」
「ほーぅ? またまた、施しの気鋭は冗談が上手いのう。今の今まで、お主は在奴のことをこれっぽっちも知らなんだ」

けけけ、と信長は心底楽しそうに笑う。
こうした、他人をおもちゃにするときの信長の笑みは、まるで魔王のようだと言われる。信長に、目の前でじっとりと笑われると、その瞳の奥に心根さえを焼き尽くしてくる炎を見せられるのだと。
しかしカルナは信長の視線を如何ともせず、ただ静かに見返すのみだ。
何故ならカルナは知ってしまった。自分の心の中の炎を、自覚してしまった。
流れ星が落ちてきたように、轟く雷鳴に導かれたように。

「それでも、オレはあいつを待っていた。誰にもやることはできない」

カルナの心へ向かって、真っ逆さまに、彼は落ちてきたのだ。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

梟光司の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:素晴らしい外側 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:1611字 お気に入り:0人
申し上げましょう、申し上げましょう。この僕の言葉で事足りるのであれば。えぇ、時間は大丈夫です。今はちょうど休憩時間ですから。刑事さんたちも、つい先日までこちらに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:神の夕飯 制限時間:15分 読者:37 人 文字数:1435字 お気に入り:0人
「何故あやつに執着する」信長は特盛の豚骨ラーメンを今まさにすすろうとしながらカルナに問いかけた。カルナはというと、こちらも特盛の、味噌バターラーメンの麺をすすれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:殺されたガール 制限時間:15分 読者:45 人 文字数:1601字 お気に入り:0人
「付き合ってもらえませんか」俺の言葉に、アルジュナは目を丸くして、え、と一つの音を呟いた。俺とアルジュナは同じ大学で違う専攻を持つ学生だった。それが、バイト先が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:阿修羅極刑 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:1426字 お気に入り:0人
申し上げます、申し上げます。私はひどいやつです。そうとはこれっぽっちも思ってなんかいませんが、私はひどいやつだと言っておきます。何故なら、きみがそう望むから。さ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:見憶えのある解散 制限時間:15分 読者:44 人 文字数:1408字 お気に入り:0人
【或る依頼者の証言】申し上げます、申し上げます……っていうフレーズがあったじゃない?あれは告発をする人間の言葉だったけど。いや、うん、そういうものだと思って欲し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:空前絶後のボーイ 制限時間:15分 読者:60 人 文字数:1356字 お気に入り:0人
大学の掲示板に貼られていたのは、短期バイトのお知らせ。昼休みに一時間、指定された部屋できちんと機械が動いているかを監視するだけのお仕事。その時給の良さと、飲食し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:恥ずかしい彼女 制限時間:15分 読者:71 人 文字数:1433字 お気に入り:0人
「ッッ――ラァッ!」来る、と思ったのは、決してカルナの思い違いではなかった。鮮烈な赤。血よりももっと明度の高い、林檎や苺のような緋色。それが眼前に迫り、カルナは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:戦争と悪人 制限時間:15分 読者:72 人 文字数:1468字 お気に入り:0人
従業員の顔が一瞬で青褪め、道を開けた。というよりも、脱兎のごとく逃げ出した。カルナとビリーは一気に走り出し、ピアノの乗るステージの横を通り抜けて二階への階段に足 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:もしかして凡人 制限時間:15分 読者:61 人 文字数:1258字 お気に入り:0人
ガゴンッ!と車体が揺れ、カルナが一瞬だけシートから浮く。咄嗟に庇ったベレッタをセットし直しながらフィンを見ると、どうやら運転席から何かを外へと投げているようだっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:愛のプレゼント 制限時間:15分 読者:69 人 文字数:1297字 お気に入り:0人
「大層なご登場なこって」「いつもはデスクワークばかりだからね。たまに現場に戻ると良い刺激になる」「まぁいいや、カルナが君と行くと申し出た」「そうか」フィンはウィ 〈続きを読む〉