ジャンル:アイドルマスターsideM お題:最弱の国 制限時間:1時間 読者:143 人 文字数:1288字 お気に入り:0人

【P類】ウィークポイント

「どうしても駄目かい?」
「どうしても駄目」

静かな事務所で交わされるこのやり取りも、今日で五回目だ。
自身の外見の良さを理解している類は、可愛らしく首を傾げて「何故?」という視線を送ってくる。
それに少し罪悪感を抱きながら、俺は再び「駄目です」と言って首を横に振った。
むう、と類がむくれる。

「Why?どうしてさ」
「だからあれだよ。アイドルが簡単に男の部屋に上がっちゃいけません」
「俺も男なのに?」
「男だけども」

俺の返答に、類は不服そうな顔をする。
いや、そうだろうな。その反応はご最もだ。
そもそも、そんなことを言ったら毎日のように次郎の部屋に遊びに行っていることをまず咎めるべきだろう。
納得なんて出来るわけがない。
わかっている。けれど、どうにも丁度良い言い訳が思いつかないのだ。

「Shoot!もう!どうしちゃったのさプロデューサーちゃん!そんなに俺に遊びに来られるのが嫌なのかい?」
「や、嫌とかじゃないんだけど」
「だけど?」
「………」
「プロデューサーちゃん!」

ぐい、と類が俺に詰め寄る。距離が近い。
思わず視線を横に反らしてしまう。
やめてくれ類、顔が熱くなってしまう。

「類、るい。ちょっと、近い」
「プロデューサーちゃんは俺が嫌いなのかい?」
「いや、嫌いじゃない。嫌いじゃないんだけど、ちょっと近い」
「もう!プロデューサーちゃん!」

ガクガクと肩を掴まれ揺さぶられる。
彼の細い身体の一体何処にこんな力があったのだろうか。結構強い。

「ちょ、ちょい、類、一回離れて…」
「No!絶対嫌だね!きちんと理由をDescriptionしてくれるまで離さないよ!」

ぎゅう、と肩を掴む類の力が強まる。
はた、と彼を見ると俺を睨む目にはうっすらと涙を浮かべていた。
むっつりと唇を引き結んだ唇が少しわなないているようにも見えた。
泣かせた、と思った瞬間に俺の身体から血の気が引いて、慌てて類の腕をつかんだ。

「ま、待って、類。違うんだ、お前が嫌いとかそう言うんじゃなくて」
「What?じゃあなんだっていうのさ!」
「あの、そのですね」

言おうか、言うまいかまた少し悩んでから類を見る。
つり上がった眦には涙が溜まっていて、今にも零れ落ちそうだ。
チクリと胸が痛んで、俺はため息をついた。
腹をくくるしかないと思った。

「あのね、俺って結構ダメな男だから」
「Huh?」
「その、好きな子をね、家に上げちゃうとその、色々とだね」

そこまで言って、やはり恥ずかしくて耳が熱くなる。顔も熱い。
でもここまで言ってしまったら逆に引くわけにはいかないだろう。
ええいままよ、ときっちりと類へと視線を向ける。
彼もまた少し、顔が赤い気がした。

「好きな子が家にいると興奮しちゃうんです」
「…Oh…」
「おわかりですか」
「…あ、あいしー…」
「外で類と会うときは我慢できるんだけどね、部屋で二人きりとなると」
「わー!Stop!」

そこまで言って、類が慌てて俺の口を手で塞ぐ。
お判り頂けたようで何よりだ、と赤い耳で想った。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:豆子 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:穏やかな夏 制限時間:1時間 読者:231 人 文字数:1118字 お気に入り:0人
硲から見た舞田のはなし(教師時代捏造)※1stパンフレットインタビュー内容に触れています※ゲーム中では舞田・山下「くん」呼びですが、過去話なのでわざと漢字表記に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:豆子 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:夜と狼 制限時間:1時間 読者:429 人 文字数:1012字 お気に入り:0人
※SEM。やまはざにしたかったが…※何一つお題に添えなかった「はぁ~、夜は急に寒くなっちゃいましたねー」日も暮れゆく夕刻。事務所を出た途端の北風に山下は肩をすく 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ひじき ジャンル:アイドルマスターsideM お題:騙された流刑地 制限時間:1時間 読者:336 人 文字数:2610字 お気に入り:0人
※朱雀×玄武 寮住み(一人部屋)設定 ただいま、と口にした言葉が、しんと静まり返った室内に無為に響く。木霊のように返される声はなく、ついそう発してしまった苦々し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
めも ※未完
作者:なつこ/実験 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:急なヒーロー 制限時間:1時間 読者:392 人 文字数:1338字 お気に入り:0人
風薫る五月、その日はやたらと太陽が高い位置にある気がして、なんとなく手を伸ばすのも億劫に感じた。別に、普段から頻繁に空を見上げているというわけでもないのだが。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちょろいみくろ ジャンル:アイドルマスターsideM お題:フハハハハ!それは悪役 制限時間:1時間 読者:648 人 文字数:1578字 お気に入り:0人
わああ、と歓声が沸いた。 それは四角く切り取られた世界だ。その光景が、声が電波に乗り、ハイビジョンで全国のあちこちへと飛んでいく。 そして、それはこの狭い一室 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:tironu@ミラフェスI25bサインライト翔太 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:猫の潮風 制限時間:15分 読者:50 人 文字数:722字 お気に入り:0人
ミャーミャーと空に猫が鳴く声が響く。はてさてここは、と周りを見渡すと、なんのことはない、港に着いただけである。タラップを降りる足音は軽く、パッと開いた日傘は朝顔 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:捨てられたパイロット 制限時間:30分 読者:41 人 文字数:773字 お気に入り:0人
漂流してから52時間が経過しようとしていた。否、正確には、通信機の不調で母艦の座標が特定できなくなり、訓練生時代に座学で習った漂流時マニュアルを思い出して内蔵ラ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:誰かの雑踏 制限時間:15分 読者:51 人 文字数:775字 お気に入り:0人
翔太は人混みが嫌いだ。そもそも好きなものなんか僕にあったっけ? という中学二年生的そもそも論は横に置いておいて、人混みとか繁華街とか雑踏とか、そう言ったものが嫌 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
雑踏(冬北) ※未完
作者:あくお@ミラフェスI54b ジャンル:アイドルマスターsideM お題:誰かの雑踏 制限時間:15分 読者:61 人 文字数:1168字 お気に入り:0人
電気くらいつけろよ、と言った天ヶ瀬冬馬が部屋の電気をつければ。真っ暗な部屋のソファの上で目を瞑っていた北斗は、ゆっくりとその瞳を開き、「よく俺が居るってわかった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:たな ジャンル:アイドルマスターsideM お題:小説家たちのサーカス 制限時間:30分 読者:50 人 文字数:688字 お気に入り:0人
冬馬の家には恋人の伊集院北斗が暮らしているが、翔太の家にも、御手洗家の次女の婚約者として北斗が暮らしている。二重生活ではない。それぞれの家の伊集院北斗は、それぞ 〈続きを読む〉

七市の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:素朴な兄 必須要素:ロシア語 制限時間:30分 読者:142 人 文字数:892字 お気に入り:0人
事務所の一角に設けられた談話スペースは、いつも誰かしら人がいる。もふもふえんと神速のメンバーがトランプをやっていたり、硲さんと古論さんが何か難しい討論を繰り広げ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:生かされたヒロイン 制限時間:30分 読者:141 人 文字数:867字 お気に入り:0人
カットの声がかかって、地に倒れ伏した俺は目を開いた。飴で湿ったコンクリートの上。頬に小石が喰いこんで落ち着かない。スタッフの「OKです」という言葉に、身体を起こ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:箱の中の恋 制限時間:30分 読者:129 人 文字数:1237字 お気に入り:0人
仕事が終わって、報告の為に事務所に向かう。任された仕事は無事こなしたと、忙しそうにデスクに向かう番長さんにそう告げるために。そんなこと電話の一本入れてしまえばそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:かたい僕 必須要素:ハッピーエンド 制限時間:30分 読者:114 人 文字数:1135字 お気に入り:0人
彼の大きくて熱い掌が、俺の背中を撫でる。心地が良くて、思わず寝てしまいそうだった。それを察してか、頭上から彼の「寝ても良いっスよ」という優しい言葉が降ってくる。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:小説家の世界 制限時間:4時間 読者:140 人 文字数:1386字 お気に入り:0人
それはいつだって自分の頭の中の物語だった。他人の目には見えず、聞こえず、理解の出来ない代物だった。だから描いた。文字を使って、はっきりと可視化できるように色を付 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:純白の職業 制限時間:30分 読者:167 人 文字数:433字 お気に入り:0人
くるくると巡る毎日の中、衣装を変え、表情を変え、視線を変える。進む先はいつだって自分の正面。真っ直ぐに前へ、前へ。胸を張って顔を上げて、時に人を魅了する笑顔を浮 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:生かされた船 制限時間:1時間 読者:137 人 文字数:825字 お気に入り:0人
「クリスさん、何してるの?」北村の声に、名前を呼ばれた古論が振り返る。手には三十センチほどの木の棒が握られており、川辺に生えた茂みへと向けられている。早朝六時の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:最弱の国 制限時間:1時間 読者:143 人 文字数:1288字 お気に入り:0人
「どうしても駄目かい?」「どうしても駄目」静かな事務所で交わされるこのやり取りも、今日で五回目だ。自身の外見の良さを理解している類は、可愛らしく首を傾げて「何故 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:可愛い小説新人賞 制限時間:1時間 読者:123 人 文字数:793字 お気に入り:0人
「大きな休みが取れたらどうしたい?」俺の言葉に、道流が手に持っていたグラスをテーブルに置いて、ううんと首を捻った。俺としては酒の席のちょっとした雑談のつもりだっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:七市 ジャンル:アイドルマスターsideM お題:安い孤島 制限時間:1時間 読者:145 人 文字数:1301字 お気に入り:0人
男の一人暮らしには十分すぎるサイズのベッド。不満に思うことなどない、これから先も思うことなどないだろうと考えていたベッド。その上で、なんでこうなってしまったんだ 〈続きを読む〉