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【P類】ウィークポイント

「どうしても駄目かい?」
「どうしても駄目」

静かな事務所で交わされるこのやり取りも、今日で五回目だ。
自身の外見の良さを理解している類は、可愛らしく首を傾げて「何故?」という視線を送ってくる。
それに少し罪悪感を抱きながら、俺は再び「駄目です」と言って首を横に振った。
むう、と類がむくれる。

「Why?どうしてさ」
「だからあれだよ。アイドルが簡単に男の部屋に上がっちゃいけません」
「俺も男なのに?」
「男だけども」

俺の返答に、類は不服そうな顔をする。
いや、そうだろうな。その反応はご最もだ。
そもそも、そんなことを言ったら毎日のように次郎の部屋に遊びに行っていることをまず咎めるべきだろう。
納得なんて出来るわけがない。
わかっている。けれど、どうにも丁度良い言い訳が思いつかないのだ。

「Shoot!もう!どうしちゃったのさプロデューサーちゃん!そんなに俺に遊びに来られるのが嫌なのかい?」
「や、嫌とかじゃないんだけど」
「だけど?」
「………」
「プロデューサーちゃん!」

ぐい、と類が俺に詰め寄る。距離が近い。
思わず視線を横に反らしてしまう。
やめてくれ類、顔が熱くなってしまう。

「類、るい。ちょっと、近い」
「プロデューサーちゃんは俺が嫌いなのかい?」
「いや、嫌いじゃない。嫌いじゃないんだけど、ちょっと近い」
「もう!プロデューサーちゃん!」

ガクガクと肩を掴まれ揺さぶられる。
彼の細い身体の一体何処にこんな力があったのだろうか。結構強い。

「ちょ、ちょい、類、一回離れて…」
「No!絶対嫌だね!きちんと理由をDescriptionしてくれるまで離さないよ!」

ぎゅう、と肩を掴む類の力が強まる。
はた、と彼を見ると俺を睨む目にはうっすらと涙を浮かべていた。
むっつりと唇を引き結んだ唇が少しわなないているようにも見えた。
泣かせた、と思った瞬間に俺の身体から血の気が引いて、慌てて類の腕をつかんだ。

「ま、待って、類。違うんだ、お前が嫌いとかそう言うんじゃなくて」
「What?じゃあなんだっていうのさ!」
「あの、そのですね」

言おうか、言うまいかまた少し悩んでから類を見る。
つり上がった眦には涙が溜まっていて、今にも零れ落ちそうだ。
チクリと胸が痛んで、俺はため息をついた。
腹をくくるしかないと思った。

「あのね、俺って結構ダメな男だから」
「Huh?」
「その、好きな子をね、家に上げちゃうとその、色々とだね」

そこまで言って、やはり恥ずかしくて耳が熱くなる。顔も熱い。
でもここまで言ってしまったら逆に引くわけにはいかないだろう。
ええいままよ、ときっちりと類へと視線を向ける。
彼もまた少し、顔が赤い気がした。

「好きな子が家にいると興奮しちゃうんです」
「…Oh…」
「おわかりですか」
「…あ、あいしー…」
「外で類と会うときは我慢できるんだけどね、部屋で二人きりとなると」
「わー!Stop!」

そこまで言って、類が慌てて俺の口を手で塞ぐ。
お判り頂けたようで何よりだ、と赤い耳で想った。

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