ジャンル:アイドルマスターsideM お題:かたい僕 必須要素:ハッピーエンド 制限時間:30分 読者:100 人 文字数:1135字 お気に入り:0人

【P道】夜はお静かに

彼の大きくて熱い掌が、俺の背中を撫でる。
心地が良くて、思わず寝てしまいそうだった。
それを察してか、頭上から彼の「寝ても良いっスよ」という優しい言葉が降ってくる。
道流は何でも御見通しなんだなあ、なんて思いながら俺は首を横に振った。
「いやいや。マッサージまでして貰って寝るなんて、贅沢すぎる」
「はは、何言ってるんスか。たまにそんな贅沢したって、罰は当たらないっス」
「そうかなあ」
「そうっスよ」
会話を交わしながら、彼は俺の身体をもみほぐしていく。
筋肉が柔らかくなり、血流も良くなったのか身体が温かい。
ぐっと背中を柔らかく圧迫されると、少し苦しいが気持ち良さの方が勝って声が出る。
「あぁ~…気持ちいい…」
ぐぐぐ、と背筋が伸びる。
今まで凝り固まっていた筋肉が解されていくのがわかった。
全身の力が抜けていく。
道流の手のひらや指が俺の身体へ沈むたびに、俺は声をあげてしまう。
おっさん臭くてだらしないと道流に思われてしまうかもしれないが、こればっかりはどうしようもない。
だって気持ちが良いんだもん。
「…っあ、ああ…ん~…そこいい…」
「……師匠」
「ん~?」
「なんかちょっと…もう少し声抑えて貰って良いっスか…」
道流が少し気まずそうに言う。
しまった、少し声が大きかっただろうか。
このアパートの壁はちょっと薄いから、お隣さんに聞こえてしまうかもしれない。
夜の騒音はご近所トラブルにも繋がりかねないからなあ、なんて心地よさに緩んだ頭で思う。
「あ~ごめん、うるさかった?」
「いや…うるさいって言うか…その…」
道流が歯切れ悪く、口の中で何かもごもごと呟く。
なんだろう、そんなに言い辛い事なのだろうか。
俺は少し不安になって、首を少し捻って背後を見る。
俺の背中に跨っていた道流は、何やら気まずそうな顔をしていた。
えっ、そんな顔するほどに?俺なんかした?
「え、ごめん道流。どうした、俺なんかやっちゃったか」
「や、そういうわけじゃないんすけど…」
口元を手で覆いながら、道流が言い淀む。
心なしか顔が赤い気がする。気のせいだろうか。
俺が頭にクエスチョンマークを浮かべてから少しして、道流が意を決したように「その」と声をあげる。
「師匠の声」
「うん」
「その、すごい、気持ちよさそうな声なんで、その……シてるみたいで…」
「えっ」
「喘いでる、みたい、っス」
「えっ、あっ、嘘マジで?ちょっと待って、マジで?」
「…ッス」
道流が頷く。
マジか、そんなに艶っぽい声出しちゃってたか俺。
完全に無意識だった。

とりあえず、恥ずかしそうにそう言った道流の顔が凄く可愛かったので。
俺も少し起ってしまったわけだが。
さて、どうしようか。

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