ジャンル:刀剣乱舞 石かり お題:うるさい血痕 必須要素: 制限時間:30分 読者:112 人 文字数:1540字 お気に入り:0人

月一の秘密 ※未完

 腹の痛みで目を覚ます。と同時に、最悪だ、と青江は心の中で悪態をついた。
 よもや今その日が来るなんて。月に一度のアレが来た。
 温かい布団は名残惜しいが、一刻も早くここを離れなければ。なるべく、隣人を起こさないように。
 布団を暖かくしてくれている彼は、幸いにも深い夢の中を漂っているようで、青江が起きた様子に気付いてはいない。今のうちに、と腕の拘束をゆっくりと引き剥がし、蛇が這うように逃げ出す。
 布団の外は肌を刺すような冷気で満ちていて、こんな中廊下に出るのも躊躇うほどだ。けれども身体の変化が起きている以上、彼にこれを知られる訳にはいかない。
 薄着で寝ているせいでひんやりとした空気が地獄のようだ。身を縮め自らの腕を抱きながら、まだ誰も起き出していない静かな廊下を自室を目指し歩く。
 まだ陽も昇る前で、薄暗く静かだ。誰にも知られず部屋に戻って来れたことに安堵する。自分の布団を敷くとすぐその中にもぐって身体を丸めた。
 寒いだけが身体を丸める理由ではない。この身体の変化には腹痛が伴う。うぅ、と一人唸りながら鈍痛に耐え、もうひと眠りしたかったのに痛みでそれどころではなかった。
 どれだけそうして痛みに耐えていただろう。いつの間にか痛みは消えていたようだが、それと同時に青江は眠ってしまっていたようだった。部屋の中は薄明りに照らされていて、僅かに鳥の鳴き声も聞こえてくる。朝がきたか。朝餉には遅れてしまうかもしれないが、しっかり準備をしなければ。
 身体を起こして、自身の身体を確かめる。胸元を見下ろせば、男の身体にはないはずの乳房が山を作っている。股間に手をやれば、やはり、男にあるべきアレがない。はあ、と青江はため息をついた。
 月に一度、青江は何故か身体が女体になる。普段は男の身体をしているくせにだ。どうしてこうなってしまったのか、皆目見当がつかない。最初こそこんな現象は起こらなかった。なぜか、ある時期から急に女体になるようになってしまった。
 この事象は主である審神者には相談したものの、審神者にも原因がわからず首を傾げられた。しかしこの女体になる期間も一週間ほどで、まるで女性の月経のようだと審神者は言う。審神者も女性であるが故、その時期には霊力が乱れてこんな事象が起こってしまうのだろうか、と憶測を立てたが、それにしては青江だけ、というのもおかしいし、審神者のその時期以外でも青江の身体は変化することがあったので、いよいよ関連性はわからず仕舞いだった。結局、今も原因はわからず、青江は女体になった事を本丸の全員に隠している。
 それは勿論、恋仲になった石切丸も例外ではなかった。というのも、審神者からもかたく口止めするようにと言われている。ただでさえ男所帯のこの本丸の中に、一人女性が混じるなど。何かあれば青江を守る術はないから、万が一の事がないように、決して誰にも言うな、と。
 万が一の事については深くは語られなかったが、想像はついた。そうなってしまえば、戦えなくなる、と審神者に脅されれば、青江もそうなるわけにはいかない。この秘密はこの事象が起こらなくなるまで、守り通さねばならない。
 とはいえ、一週間という期間は思った以上に長い。食事も風呂も出陣も内番も、常に誰かと共に過ごしているとなると隠し通すのは至難を極める。非番の時でさえ、石切丸が青江を離さないというのに。
 この乳房は思った以上に質量がある。俗にいう貧乳とやらだったらよかったのに、どうやら青江はその枠からははみ出てしまうらしい。毎朝、起き出してすぐにこの乳房を隠すためにきつく胸を潰すさらしを巻く。ジャージは記事が薄く柔らかく、その体躯を隠してくれない為、いつもの軍服を着る。

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