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強奪





【緑高】

緑間の部屋に上がるのはこれで何度目だろう
初めから数えてはいないが、とうとう数がわからなくなるくらい、ここに来ていることになる
だが、その多くはテスト勉強であったり、敵情視察や趣味によるバスケ映像の観賞であることが殆どで、今日のようになんとなく休日にすることもなくて遊びに呼ばれた、なんてことは初めてだった
それなりに緊張するのはオレが真ちゃんに恋してるから
なんて恥ずかしいこと考えてみたりしても緊張は溶けない
緊張していることがバレたらめちゃくちゃ恥ずかしくないか?と恐ろしく思うが、どうしようもない
緑間なんか変な行動してくれねぇかな、そしたらバカ笑いして緊張なんて忘れられるのに、とかなんとか思っていたら、オレの右手と真ちゃんの左手がぶつかり、更にそれが出してもらった麦茶のグラスへとぶつかった

「ぅわっちゃぁ!ごめん!!」

「いや、オレも悪かった。濡れたか?」

幸いなことに麦茶は緊張から来る喉の乾きを潤すために殆ど中身が残っていなくて、オレの上着だけを濡らした

「いや、そこまでじゃねぇよ、すぐ乾きそう」

と伝えるも、緑間はムッと唸り、

「そのままにはさせられない。待ってろ今着替えを出す」

と言って、ごそごそとタンスを漁り、暫くすると1着のパーカーをどや顔で出してきた
ありがたく着るが、あまりにもサイズが合わない
それでも
ありがとう、真ちゃん
と心からのお礼を言う
きっとこのパーカーを返すことはないだろう
これはオレの宝物にするのだ


END

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