ジャンル:刀剣乱舞 掘安 お題:黒い瞳 制限時間:1時間 読者:10 人 文字数:957字 お気に入り:0人
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君の幸せを ※未完

君の幸せを

※刀剣破壊描写あり。


彼が好きだった。彼の瞳が愛しかった。彼に生きてほしいと思った。それは僕の我儘だった。
ただ、彼の隣にいたかった。

「ごめんね。堀川くん…君と一緒に生きたかったよ。」
彼は最期にそう言って、見たこともないような綺麗な笑顔を見せた。

僕と安定くんは所謂『恋仲』だった。でもそれは、他から見たら「本当にそれが恋仲なのか」と言われるようなものだ。
僕の一番は勿論兼さんだったし、安定くんの一番は清光くんだった。
お互いに「最優先」が居るということ。兼さんと安定くんだと、と聞かれれば僕は迷わず兼さんと答えるだろうし、安定くんも僕と清光くんなら、と聞かれれば清光くんを選ぶだろう。
僕らはそれで良かった。一緒に居られれば幸せだったんだ。
ずっと一緒に、隣に彼を感じていれば何もいらなかった。

「堀川くん。和泉守と僕が死にそうだったら、君はどっちを助ける?」
安定くんと縁側でお茶を飲んでいたら、不意に彼がそう聞いてきた。僕は金箔の飾られた羊羹を一口食べて答える。
「んー……兼さんかなぁ。」
「だよね。知ってた。僕も清光を選ぶもの。」
彼は「たはは」と気の抜けた笑いをこぼした。
「いきなり如何したの?そんなこと聞いて。」
「……ちょっと不安になったんだ。君が僕を先に助けちゃったら如何しようって。」
「え……」
僕は思わず声を漏らした。
「だって、ほら。堀川くんの一番は和泉守でしょう。……だから、僕が折れそうになっても助けに来ては駄目だよ。」
「駄目、なの……?」
「うん。絶対駄目。前置きはしたからね。来ることはないと思うけど、もしも君が助けに来たら僕は君を呪うよ。」
「……うん。」
安定くんは少し寂しそうに笑って、「ごめんね」と呟いた。


……恐れていたことが、起こってしまった。
「堀川さん!大和守さんが重傷の和泉守さんを庇って……!」
池田屋への出陣中のことだった。
「っ……!分かった、助けに行く!」
僕は兼さんの無事を祈って走っていた。……なのに。兼さんじゃない、彼の顔が脳裏に浮かんでいた。
「兼さん!」
「……くに、ひろ」
「兼さん、すぐ戻ろう。今なら間に合うから……」
「やす、さだが……あいつ、胸……ぶち抜かれて」
「……!」
頭が、真っ白になった。

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