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【モ+ジュナ】よろしくお姫様!2

「――っし、行くか!」
「しばしお待ちを」
「アァ?」

モードレッドに手を引かれて立ち上がったアルジュナはくるりと周囲を見回し、近くにいた女生徒へ微笑みかける。

「これを、洋裁専攻のカルナへお渡しいただけますか?」
「はっ、はいっ!」

ぴっと背筋を伸ばしながら返答した女生徒の顔はみるみるうちに赤くなり、アルジュナが、では、と背を向けた途端、その場が黄色い歓声に満ち溢れた。
モードレッドはうげぇ、と苦虫をかみつぶしたような顔をしたが、アルジュナは平然としている。見目が良いのは理解している(というと語弊があるが、アルジュナは自分の見目をそこそこ、程度に認識している)し、それを利用することも悪とは思わない。特にカルナへ再び近付くくらいならば荷物を丸ごと捨てても良い、とも考える。

「しかしどちらへ?」
「決まってんだろ、作戦会議すんだから秘密基地だよ!」
「ひみつきち」

ずんずんと進むモードレッドは、まるでモーセのように人垣を掻き分けていく。ぐるりとアルジュナが人混みを見回しても、皆、モードレッドに視線を向けている。アルジュナが注目されないのは久しぶりのことだ。アルジュナはモードレッドの、揺れる後れ毛を眺めながら心の中でモードレッドの認識を改めた。

「んで? 忘れ物は?」
「はぁ。カルナの首くらいでしょうか」
「早く言えよ!取り損なっちまったぞ!くっそ、今から行くか」
「ちょっとお待ちなさい、本気ですか?」
「はぁ!?本気じゃねーなら首なんざ望むんじゃねーよ!」

モードレッドの言い分に、確かにと軽く納得しつつ、アルジュナは手を引かれたまま駐輪場まで歩いてきた。
そしてモードレッドは自分のジャケットの裏から鍵を取り出し、一台のバイクに近付く。バイクに詳しくないアルジュナでもひときわ目を引く、フォーシリンダーの998cc。四つのマフラーと、全面に目の覚める太陽の色が広がる、真紅を隠さないボディ。

「おら、乗れ」
「え、えぇ…」
「横に乗んな!ガキがチャリ乗ってんじゃねーんだぞ!メットかぶれ!」

おそるおそると腰を下ろせば姿勢から正され、ぐい、とフルフェイスのヘルメットを被せられる。初めての経験に、アルジュナの心臓のリズムが少しだけ早くなった。皆、アルジュナの身体に傷がつくのを厭うために、バイクに乗った経験が無いのだ。ギルガメッシュあたりに言えばハーレーを飛ばして高笑いと共にやってくるかもしれないし、確かアーラシュもバイクに乗っていた筈だ。

「おっと、王子様のお出ましか?」

モードレッドがニタリと笑った先、アルジュナも視線を向ければ、そこにはこちらへ走り寄ってくるカルナの姿があった。
知らず、前に乗ったモードレッドの肩を掴む手のひらに力がこもる。

「ハン!そこで指くわえて見てなァ!」

ハンドルを回して十秒で最高水準。謳い文句に相応しい加速度に、アルジュナの背にたちまち稲妻が走る。

「夜は短い朝は儚い!森は消えるし海は干上がる。夜でなくても人は死ぬ、朝になっても人は死ぬ!あばよ天才、オレの名前を憶えておけ!我が名はモードレッド、我が往くは覇道! すべての王道を蹂躙するものなり!」

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