ジャンル:モージュナ お題:暑いサーブ 制限時間:15分 読者:100 人 文字数:1319字 お気に入り:0人

【モ+ジュナ】よろしくお姫様!2

「――っし、行くか!」
「しばしお待ちを」
「アァ?」

モードレッドに手を引かれて立ち上がったアルジュナはくるりと周囲を見回し、近くにいた女生徒へ微笑みかける。

「これを、洋裁専攻のカルナへお渡しいただけますか?」
「はっ、はいっ!」

ぴっと背筋を伸ばしながら返答した女生徒の顔はみるみるうちに赤くなり、アルジュナが、では、と背を向けた途端、その場が黄色い歓声に満ち溢れた。
モードレッドはうげぇ、と苦虫をかみつぶしたような顔をしたが、アルジュナは平然としている。見目が良いのは理解している(というと語弊があるが、アルジュナは自分の見目をそこそこ、程度に認識している)し、それを利用することも悪とは思わない。特にカルナへ再び近付くくらいならば荷物を丸ごと捨てても良い、とも考える。

「しかしどちらへ?」
「決まってんだろ、作戦会議すんだから秘密基地だよ!」
「ひみつきち」

ずんずんと進むモードレッドは、まるでモーセのように人垣を掻き分けていく。ぐるりとアルジュナが人混みを見回しても、皆、モードレッドに視線を向けている。アルジュナが注目されないのは久しぶりのことだ。アルジュナはモードレッドの、揺れる後れ毛を眺めながら心の中でモードレッドの認識を改めた。

「んで? 忘れ物は?」
「はぁ。カルナの首くらいでしょうか」
「早く言えよ!取り損なっちまったぞ!くっそ、今から行くか」
「ちょっとお待ちなさい、本気ですか?」
「はぁ!?本気じゃねーなら首なんざ望むんじゃねーよ!」

モードレッドの言い分に、確かにと軽く納得しつつ、アルジュナは手を引かれたまま駐輪場まで歩いてきた。
そしてモードレッドは自分のジャケットの裏から鍵を取り出し、一台のバイクに近付く。バイクに詳しくないアルジュナでもひときわ目を引く、フォーシリンダーの998cc。四つのマフラーと、全面に目の覚める太陽の色が広がる、真紅を隠さないボディ。

「おら、乗れ」
「え、えぇ…」
「横に乗んな!ガキがチャリ乗ってんじゃねーんだぞ!メットかぶれ!」

おそるおそると腰を下ろせば姿勢から正され、ぐい、とフルフェイスのヘルメットを被せられる。初めての経験に、アルジュナの心臓のリズムが少しだけ早くなった。皆、アルジュナの身体に傷がつくのを厭うために、バイクに乗った経験が無いのだ。ギルガメッシュあたりに言えばハーレーを飛ばして高笑いと共にやってくるかもしれないし、確かアーラシュもバイクに乗っていた筈だ。

「おっと、王子様のお出ましか?」

モードレッドがニタリと笑った先、アルジュナも視線を向ければ、そこにはこちらへ走り寄ってくるカルナの姿があった。
知らず、前に乗ったモードレッドの肩を掴む手のひらに力がこもる。

「ハン!そこで指くわえて見てなァ!」

ハンドルを回して十秒で最高水準。謳い文句に相応しい加速度に、アルジュナの背にたちまち稲妻が走る。

「夜は短い朝は儚い!森は消えるし海は干上がる。夜でなくても人は死ぬ、朝になっても人は死ぬ!あばよ天才、オレの名前を憶えておけ!我が名はモードレッド、我が往くは覇道! すべての王道を蹂躙するものなり!」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

梟光司*30315の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:モージュナ お題:彼女と絶望 制限時間:30分 読者:32 人 文字数:1817字 お気に入り:0人
「ったく、いつ来てもいけすかねぇ野郎だぜ」モードレッドはくるりと反転し、アルジュナの元へ戻ってくる。しかしモードレッドが戻ってくるより早く、アルジュナのソファ席 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:ロビジュナ お題:素晴らしい事件 制限時間:15分 読者:45 人 文字数:1128字 お気に入り:0人
※服飾パロでロビジュナが恋人同士で同棲してる久しぶりのゼロ泊三日チキチキ夜通しゲーム大会は、仲間内で一人だけ青春を謳歌しているロビンフッドの巣で行われることに決 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:モージュナ お題:灰色のボーイズ 制限時間:30分 読者:54 人 文字数:1474字 お気に入り:0人
「モードレッド、そこへ直りなさい」唐突なガウェインの言葉に、は?と眉を寄せたモードレッドは椅子の上で足を組んだ姿勢のまま声の主を見た。小春日和とも言える太陽光が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:カルジュナ お題:ぐちゃぐちゃの結末 制限時間:30分 読者:67 人 文字数:2621字 お気に入り:0人
「お主の実力、測らせてもらおう!」アルジュナは逃げ出した。もう、これは受け入れられないと思ったからだった。しかし今回のネロはまたも違う分岐点のネロらしい。アルジ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:カルジュナ お題:寒い貯金 制限時間:30分 読者:58 人 文字数:3185字 お気に入り:0人
翌日、アルジュナは今度こそ資料を取りに行こうと同じ時刻に図書館への道を急いでいた。ネロが現れたのは図書館がある西棟のロビーであった。そこを横目で通り過ぎ、四階に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:モージュナ お題:突然の戦争 制限時間:15分 読者:65 人 文字数:1447字 お気に入り:0人
モードレッドのバイクに揺られている間、アルジュナはカルナのことなど一切考えなかった。というよりも、考えられなかった。猛スピードで黄色信号を突っ切っていくモードレ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:カルジュナ お題:東京の母 制限時間:15分 読者:75 人 文字数:1439字 お気に入り:0人
「我が名はネロ! 学生の中でも抜きんでた存在感と、モデルまでを自分でこなしてしまうこの才能! 真紅の絨毯を歩く余を人はこう呼ぶ、夢薔薇の皇帝、ネロ・クラウディウ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:カルジュナ お題:ラストは神話 制限時間:30分 読者:79 人 文字数:1843字 お気に入り:0人
「行きたまえ。どのみちコンペティションが終わらなければ君たちの身の振り方も決まるまい。マリー、君に課した先日のショーの体感レポートがまだ未提出だ。提出日は四日後 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:モージュナ お題:暑いサーブ 制限時間:15分 読者:100 人 文字数:1319字 お気に入り:0人
「――っし、行くか!」「しばしお待ちを」「アァ?」モードレッドに手を引かれて立ち上がったアルジュナはくるりと周囲を見回し、近くにいた女生徒へ微笑みかける。「これ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司*30315 ジャンル:カルジュナ お題:栄光の町 制限時間:15分 読者:116 人 文字数:1364字 お気に入り:0人
「カルナよ、この者は何だ」「パーティの同伴者だ」「確かに余は言ったな、今宵の授賞式にはパートナーを連れて来いと」「あぁ」「……………こ奴がか?」いつもの高笑いと 〈続きを読む〉