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クロマゼにニッチな要求をしたがる文字数

※「マゼンダの背中には天使の翼が生えている」(http://cosmo.deci.jp/shiftup/flash/sim/newbbs/patio.cgi?mode=view&no=20004&p=72&p2=1)の続き。


 またしても俺とマゼンダは見知らぬ部屋に監禁されてしまった。日常風景で連想するような、箪笥やベッドがしつらえられた質素な部屋。そのくせその質素な空間には決して似合わないほどの、鉄の扉がひとつの壁を陣取っている。窓はなく、ただ蛍光灯のあかりが短い電流の音を染み渡らせていた。
『ようこそいらっしゃいました! クロウさん、マゼンダさん』
「なんなの。またぁ?」
「また背中を掻けばいいのか」
 二人して不平を口々にする。スピーカーから『ドゥフww』と声が漏れた。
『一緒に抗議するクロマゼとか尊いかよ……あ、いえ。今回は〈お互いの背中を掻きあわないと出られない部屋〉ではありません」
「じゃあなんの部屋なんだ」
『ずばり、〈あなたの耳の裏を撫でたいと言い合わないと出られない部屋〉です』
 わけがわからない。
『実際に耳の裏を撫でるのではなく、そうお願いをするというのがミソなんですよ。セクシーな希望でしょ? やばいでしょ?』
 わけがわからない。
「ねえクロウ。耳の裏を撫でさせてくれない?」
 マゼンダがそう話してきた。そういえば確かに、この声の主は俺たちを拉致監禁するような野蛮なやつだが、希望を満たしてやれば普通に出してくれる話のわかるやつではあった。しかも今回はただお願いをしあうだけでいいのだ。さっさと済ませてしまおうということだろう。
「え、いやだ」
 しかし俺は、つい断ってしまった。
「はぁ? 私に撫でられるのがそんなに嫌なわけ?」
「なんでそうなる」
「この前はあんなに背中を掻きたがっていたくせに」
「それはそうしないと出られないからだろ」
『口論するクロマゼとかえっちすぎない? 大丈夫? ソーセージ食べる?』
「あんたは黙ってなさい!」
『はい……あ、希望は満たせたので扉開けときますね』
 こうしてまた、無事に部屋を出ることができたのだった。
 マゼンダとの口論は、もうしばらく続いたのだが
 
 

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