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勝つことだけが全てじゃない

私は高校を卒業し大学で麻雀を打つという道を選んだ。
私自身、麻雀が強いわけではない。インハイに出て世間を賑わせていた子のように特別な能力があるわけでもないし、かと言って能力がないなりに雀力が高いというわけでもない。
私はただあの時のようにみんなで麻雀が打ちかったのだ。

そんな考えを持って大学に入学してからもうすぐ3年が経過しようとしてた。
私ごときがレギュラーに選出されるほど大学麻雀のレベルは低くなかった。インカレに出場している選手は、インハイで名を残した人ばかりでインハイと何ら変わらないような試合風景がインカレでも繰り広げられていた。

「私だってあの人達と同じ舞台に立ってたのになぁ…」
「落ち込まないでくださいよ新井先輩」

私もかつて1度だけインターハイに出場したことがあった。結果は2回戦敗退だったが、私達にとっては全国の舞台で1勝できただけでも考えられないぐらい嬉しかったのだ。

「お前は2年生にして団体戦レギュラーなんていいよなぁ。私なんて4年生にもなって1度も団体戦のレギュラーに選ばれずじまいなんだぞ」
「そうふてくされないでくださいよ。先輩だって大学生活最後の個人戦が控えてるじゃないですか?それに向けて…」
「なぁ…」
「ん?どうしたんですか?」
「私にとって個人戦なんてどうでもいいんだ。私はただみんなと麻雀が打ちたくて大学に入ったようなもんなんだから」
「そうなんですか…」
「…なんか暗くしちゃってゴメンな。何か飲むか?」
「え?いいんですか。それじゃあ…」

おわり

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