ジャンル:メギド72 お題:蓋然性のある魔物 制限時間:1時間 読者:133 人 文字数:1192字 お気に入り:0人

お腹すくのってつらいよね ※未完

「あ、悪い」
 きっかけはほんのささやかなことだったのだが。
 誰かがコップを倒した音に、アモンがひどく反応した。派手な音を立ててガラスが砕け散る。椅子から立ちあがり硬直した拍子に、盆ごと食器を落としたのだった。
「アモン?」
 声をかけられて、アモンはようやく自失していたことに気が付いた。
「……なんでもねぇ」
「何でもないって顔じゃないだろ、具合が悪いんじゃないのか」
「なんでもねぇって、しつけえな!」
「本人がそう言ってるんだ。そっとしておいてやれ」
 ブネの言葉に、ソロモンは食器とアモンを交互に見たが、分かったと頷いて食器を拾う。それもなんだか情けなくて、アモンは押しのけて自分でも拾おうとしたのではあるが、残った食器はガープがとっとと拾い上げてしまった。
「具合が悪いんだろう。飯はあとで誰かが運ぶ、それでいいな」
「ここは片付けておきます。ゆっくり休んでください!」
「……」
 いい、と言おうか迷ったのだが、素直に頷いていたほうが返答が楽そうだった。いらないなどと言えば、2倍も3倍も返ってくるに違いないのだ。
「……悪い」
「いや、悪くないさ」
 バルバドスが不思議な物言いをした。不思議に思って顔を見やると、吟遊詩人はきざったらしく前髪を払った。
「ここのところ働きづめだったんだからさ。悪くないさ。たまにはそういうのも。ね?」

***

(結局、編成を代わってもらっちまったな。情けねえ)
 本来ならば討伐に加わる予定だったが、編成を変えて、ソロモンらは幻獣退治へと向かっていった。
「おーい、開けてもらってもいいか。今、手ぇふさがってるんだよな!」
 立ち上がって扉を開けると、赤い頭がひょっこりと見えた。
 声で分かっていたが、モラクスだった。両手に盆を抱えながら、なんとなく心配そうな顔をしている。
「別に平気だ」
 何か言われる前に言うと、そうかぁ、と笑った。
 少しだけ戸を開けてやると、器用に片足で扉を蹴って開けた。自分よりも小さいものを見ていると、なんとなくほっとしないでもない(力は自分よりも強いだろうが)。
「まあ、入れよ」
「おっ?」
「1人じゃ食えねぇよ、こんなに」
「へへっ、いいんだ!? 追い返されると思ってたぜ!」

「なー、アニキたちにおいてかれちゃったな」
 パンをもしゃもしゃとほおばりながら、モラクスは言う。
「仕事が減ったんだから、喜んでりゃいいだろ」
「俺はケンカしたかったし。暴れたりねーっていうか」
「……編成が変わって、悪かったな」
「そ、そんなんじゃねーって! 別に責めるつもりはないっていうかさー、ただ……」
「食えよ」
「もらう! ありがと! なんで?」
「貰ってから聞くなよ」
「なんていうかさー。死ぬほど腹減るのってつらいよなあ……」
 脈絡はなかったがなんとなくその言葉に同調して、アモンは頷いた。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:すの【新刊通販中】 ジャンル:メギド72 お題:素人のパソコン 制限時間:30分 読者:33 人 文字数:2420字 お気に入り:0人
素人のPC→使いこなせないもの 触ってないのに壊れるもの クロケルがフォカロルのフェイタルブレードを落として壊すからあれやこれやと修理しようって頑張るけどダメ 〈続きを読む〉

ぽつタイプライターの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:昼間の団地 制限時間:30分 読者:55 人 文字数:975字 お気に入り:0人
ほんのりソロモンとバラム/仲良しなだけかもしれないが/好物が楽しかった ソロモン王が不在であるがゆえか、戦いと戦いの間に、ほんの一筋の間隙が生まれていた。珍しく 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:恥ずかしい目 制限時間:30分 読者:83 人 文字数:1103字 お気に入り:0人
「なあマリー」「何、モラクス」「俺、マリーと似てる?」 まだガキだったころ、俺はマリーに幾度となく尋ねた。「似てないよ」 返ってくる答えはいつも一緒だ。 マリー 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:あいつの就職 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:758字 お気に入り:1人
雑魚メギド妄想その2「あの川を無事に渡り切ったら、俺たちの軍団に入れてやるよ」 そう言って、メギドはぺんと平たい石ころを放った。「おら、拾ってきな」 そんな無茶 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:疲れた逃亡犯 制限時間:30分 読者:46 人 文字数:872字 お気に入り:0人
※メギドラル時代のサレオスさんとすれちがう夢雑魚メギド妄想です 不意に姿を現した巨人の斧で、俺の軍団を率いていたメギドはあっさりと頭を勝ち割られていた。 何がそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:The Elder Scrolls お題:俺と母性 制限時間:30分 読者:64 人 文字数:1421字 お気に入り:0人
ルマーリンが着替えているほうから短い笑い声が聞こえてきて、俺はまたくだらないジョークのくだらない思い出し笑いでもしているのだろうと思って無視を決め込んだ。 そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:ぽつタイプライター ジャンル:世界樹の迷宮 お題:そ、それは・・・外資系企業 制限時間:30分 読者:61 人 文字数:1006字 お気に入り:0人
明日も知れぬ冒険者の一人として、カグツにも覚悟はそれなりにあったはずだった。 当たり前だと思っていたものが、一瞬でなくなる恐怖。確かなものなど、何一つとしてあ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:世界樹の迷宮 お題:ぐふふ、正義 制限時間:15分 読者:62 人 文字数:992字 お気に入り:0人
ひどい匂いのする腐った水をモロに浴びた仲間たち、そして私は、駆け出しの安っぽい生地でできた装備をばらばらと地面に一個ずつ置いていく。その姿が、なぜだか愉快で仕 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:帝王の絵描き 制限時間:30分 読者:79 人 文字数:1261字 お気に入り:0人
街道で幻獣と出くわした私は奇妙な集団に助けられた。 ソロモン一行と名乗る彼らは、年齢も性別もばらばらの、どこか歪な集団だった。町の衛兵が束になってもかなわなか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:彼女とロボット 制限時間:30分 読者:72 人 文字数:1584字 お気に入り:0人
「やあウヴァル、おかえり」「……ただいま、戻った」 ウヴァルは、おかえりという響きにまだ慣れない。ただいまと返事を返すのもだ。「おかえりおかえりー! 外が暑い暑 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:地獄克服 制限時間:30分 読者:105 人 文字数:1099字 お気に入り:0人
「ええ、マジかよ。さんざん水浴びたのに風呂はいらなきゃなんねーの?」「塩水じゃな、洗い流さなきゃあとあとやべーぞ」 道中、足を止めて海へとやってきたソロモン一行 〈続きを読む〉