ジャンル:しんけん!! お題:緩やかな失踪 必須要素:化粧水 制限時間:2時間 読者:25 人 文字数:1891字 お気に入り:0人

細かい日常

(刀匠いるよー)

【緩やかに、緩やかに】

斎庭白秋はこの屋敷町では地位としては上位に入るというか、真剣少女のお守り役とも取れる刀匠だ。
刀匠ではあるが、真剣少女通しの喧嘩などはよっぽどではない限り、仲裁には入らない。
のだが。

「あーしの化粧水知らない?」

「へちまのあれ? 知らん。お前の鞄の中にないのか」

自室である二階から一階に降りた白秋は真剣少女の芦葉ごうに聞かれ、答えた。
真剣少女も常日頃からツクモとの戦闘ばかりしているが女の子である。
身だしなみには気をつける。
芦葉は常に大きい肩掛け鞄をかけていて、その中に入っているのではないかと
白秋は想ったのだが、

「それが、使おうとして出してたらさ。消えちゃって。先生、物探しとか得意でしょ。
探せない?」

芦葉の話を聞きつつ白秋は懐から煙草を取り出すと、ライターで火を付けた。
ヘビースモーカーである彼は常日頃から、煙草を吸っていないと落ち着かない。煙草の煙を肺に吸い込む。
これでも、目の前で吸っても良い相手や吸う場所は選んでいる。

「やってもいいが、その代わり、掃除とか手伝えよ」

「先生の部屋の」

「自室は自室で解るんだよ。他の部屋のな」

「よろしく」

芦葉はその条件を飲んだ。白秋は懐から和紙を取り出す。煙草をくわえながら、折り紙を始めた。
出来たのは折り鶴だ。
指で弾けば勝手に鶴が羽ばたき出す。

「こっちだ」

「簡単にやるよね」

「やれるしな」

細かい条件は必要ではあるのだが、この屋敷も白秋の術が使いやすいようにしてある。
煙草を携帯灰皿でもみ消すと白秋は芦葉と共に化粧水のありかを辿った。



屋敷の軒下にネコが居た。
ネコの周囲には屋敷から取ってきたようなものがいくつもいくつもあり、その中には、

「あーしの化粧水!」

「……コイツが犯人か」

猫はすぐに逃げてしまった。芦葉はがらくたにみえるものの中から化粧水の瓶を取るが、
瓶だけとなっていた。中身が無い。
芦葉がどうにか下に入っていた。そこから外に出る。
今日の天気は晴れていて、寒くはない、

「物、取り出しておくけど、先生……」

「別の処は見てるから」

「えー」

「どういう反応をしろと」

面倒そうに白秋が返す。妹の一人を思い出した。活発な方の妹だ。
この世界には居ない白秋の身内である。
芦葉が軒下に入るとスカートの中身が見えるからとかそういうのかもしれないが、白秋は興味が無いというか
あってほしいのかとなりつつこの年頃の子は扱いが共なっていたが、

「軒下の掃除ですか」

「あつみとらでんか。らでん……」

「真っ直ぐ歩いていたつもりなのに迷ってしまって」

「自分が連れてきたのです」

籐四郎あつみと毛抜らでんが白秋に話しかけてくる。
らでんの方はどうせいつもの方向音痴だろうなとなっていたが実際の処、そうだった。

「毎度、助かる」

「先生が探しものが上手くなったのってらでんちゃんのお陰?」

「……前から使えたが精度は上げた」

探すのは大変と言うか、屋敷町は安全を確保するようにしているが、この世界はポストアポカリプスまっしぐらだ。
滅びかけていて、常日頃から失踪者も珍しくはない。
人捜しを依頼されて探してみたら死体になっていたなんて話もそうだ。

「聞いてよ。あーしの化粧水、ネコに取られて」

「それは大変でしたね」

「化粧か……」

「お前の場合、髪の毛の手入れの方がきつそうだけどな」

ライオンの髪の毛というかどうみても縦ロール系ドリルというかそういえばネコとか入っていた気がしないでもない
らでんの髪だ。ボリュームがありすぎる。

「先生は男だから女の身だしなみの整え方とか配慮がないんだ」

「するときはするって。それに男も大変なんだぞ」

「棚に上げた」

「まあまあ、刀匠殿、それと話しておきたいことが」

芦葉の話をあしらっているとあつみが真剣な表情で言ってくる。

「……事件か?」

「失踪と言いますか、あるようで」

「部屋に戻るぞ。それから聞く」

「はーい。らでんちゃんはあーしたちに着いてきてね」

「手を握っておけ」

そのままにしておくとらでんは何処かに行ってしまう。芦葉が、らでんの手を握りしめた。
ポストアポカリプスになろうとも人間は生きているし、生きるしかなく、
騒動も含めつつ時間は進む。
そのことを噛みしめながら、

「がらくたどうするの」

「あつみ、手伝ってくれ。運んで欲しい」

「解りました」

日々を,過ごしている。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

秋月蓮華の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:テニスの王子様 お題:簡単な祖母 必須要素:3000字以上 制限時間:30分 読者:19 人 文字数:923字 お気に入り:0人
(オリ設定キャラ居ます)【お婆ちゃんとの話】「観月くーん、宅配便来とるよ。君の実家から」日曜日の朝、聖ルドルフ学院の男子寮のリビングルームで朝からパンケーキを食 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:刀剣乱舞 お題:裏切りの笑顔 必須要素:3000字以上 制限時間:1時間 読者:23 人 文字数:3342字 お気に入り:0人
【とある宗教の撲滅】明石国行は決意した。必ず、必ず、この宗教は消し去らなければならないと。「……ヒツキさん……」「主、おはようございます」審神者のプライベートス 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:しんけん!! お題:緩やかな失踪 必須要素:化粧水 制限時間:2時間 読者:25 人 文字数:1891字 お気に入り:0人
(刀匠いるよー)【緩やかに、緩やかに】斎庭白秋はこの屋敷町では地位としては上位に入るというか、真剣少女のお守り役とも取れる刀匠だ。刀匠ではあるが、真剣少女通しの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:血界戦線 お題:出来損ないの小説家 制限時間:30分 読者:29 人 文字数:1644字 お気に入り:0人
(オリキャラ居るよー)【ライブラのとある日】その日、レオナルド・ウォッチがライブラの執務室に入るとソファーでエルセリーザ・ディライトが仰向けに寝そべりながら小説 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:戦国BASARA お題:疲れた、と彼女は言った 必須要素:美容整形 制限時間:1時間 読者:40 人 文字数:867字 お気に入り:0人
(オリキャラ居るよー)【綺麗になるために】「疲れた」「本っ当にすみません!! 椿さん!」大阪城。城下にある古い神社にて島左近はこの神社の主である御巫椿に謝った。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:真・三國無双 お題:正しいお尻 必須要素:村上春樹 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:359字 お気に入り:0人
(現パロで晋面子)【あうあわない】「鍾会様」とあるクラスにて帰ろうとしていた鍾会に会いに来たのは梁紫緒、鍾会の家の居候だ。ある日突然、兄が連れてきた少女だ。教室 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:テニスの王子様 お題:淡いぷにぷに 必須要素:100字以内 制限時間:2時間 読者:26 人 文字数:129字 お気に入り:0人
【ふじゆうたのおやつ】(たいとるぬいて100文字以内)冷蔵庫に自分用とでかでかと書いておいてあった紙箱を不二裕太は手に取ると中身を皿に移した。「ババロア」人気店 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:テニスの王子様 お題:12月の税理士 必須要素:スケベ人間 制限時間:1時間 読者:68 人 文字数:2621字 お気に入り:0人
【冬の日に君と僕は】U-17強化合宿に招待された氷帝学園中等部三年、忍足侑士は手伝いとして招集された中等部二年のアディシア・スクアーロを探していた。「忍足先輩。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:テニスの王子様 お題:暴かれた風邪 制限時間:15分 読者:66 人 文字数:1183字 お気に入り:0人
(ルドルフのある日)【風邪引きのこと】「……風邪が流行しとるねぇ」「してますね……無事なのが俺ぐらいって……」「柳沢君に留守はお願いしてきたけど、木更津君に観月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:秋月蓮華 ジャンル:テニスの王子様 お題:絵描きの草 必須要素:テレビ 制限時間:15分 読者:70 人 文字数:756字 お気に入り:0人
(ルドルフで管理人さんとかいるよ)【とある日のやりとり】休日、聖ルドルフ学院の男子寮にて不二裕太がようやく起きてくる。欠伸をした状態でリビングルームに行けば管理 〈続きを読む〉