ジャンル:Fate/Grand Order(腐) お題:ひねくれた微笑み 必須要素:手帳 制限時間:15分 読者:71 人 文字数:1197字 お気に入り:0人
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あんたに近づきたい






『シャルル=アンリ・サンソンは、戦闘中に微笑みを浮かべている』

こう言ってしまえば不謹慎に思えるかもしれないが、ところがどうして彼ほど人の命というものに敬意を払うものはいないとすら思えた。
ならば彼はなぜ、微笑みを浮かべるのだろうか。

カルデアに常駐している彼は微笑むどころか眉間に皺を寄せ、誰とも目線を合わせないように、と言わんばかりに地面を睨みつけている事が多い。もしくは馬の合わない音楽家と言い合ったり、苦労性仲間のような騎士と雑談をしたり……敬愛する王妃様の前では、たまに、笑っていないこともない。
不器用で、笑うことに慣れていないというのが透けて見えるぎこちない笑顔は、自分という存在を忌み嫌っているような冷えきった陰鬱な表情よりよっぽど彼らしい。
だが、それは戦闘中に見かける微笑みとは違う…もっと穏やかで優しいものだ。

敵を見据え、その白く美しい手に似つかわしくない大剣を振りかぶり、薄ら光の灯るアイスブルーをそのままに目の前を一面の赤へと変えるあの笑顔の、意味とはなんなのだろう…


***


古くなった革製の表紙の手帳をみやり、ロビンフッドはため息をついた。
これは、日記だ。
中に記されるのは日々の記録…主に、シャルル=アンリ・サンソンについての。

彼のことを気にかけ始めたのはいつからだったか。設備の都合で、と同室になった召喚当日?初めて同じ戦場に立ったあの聖地?それとも…カルデア最後のレイシフトとなった、あの異端の地での出来事の後?

そんなこと覚えてはいない。ただ何となく、どうしても、彼を何かしらの形で残しておきたかった。
彼の言葉を、視線を、笑顔を、優しさを、愛情を、この世から消し去ってしまうのは、はばかられた。
気の迷いと笑ってもいい。
日記をつけるなんてどこの中学生だとからかっても構わない。
でも、ロビンはそうしたいと思ったのだ。

心優しい、悩める処刑人が、なぜ戦闘中に微笑みを浮かべているのか。
それが分かれば、自分は、もう少し彼に近づけるのではないか。
そうなったら、自分は…彼の霊基に、遺れるだろうか。
自分の霊基に、彼の存在を刻むことはできるだろうか。

彼の白く美しい手が不必要な血にまみれるのは見たくない。
聖杯戦争なんて所詮は魔術師のエゴ、サンソンのようなタイプは苦悩して苦悩しておかしくなってしまうのではないかとすら思える。だから、召喚なんてされなきゃいい。
彼の中に自分が、自分の中に彼が遺ることが出来たなら、もしかしたら、座に還っても会いに行けるのではないだろうか。

馬鹿な考えだ。そうだろうとも。
それでも、退去まで秒読みとなったカルデアにおいては、とても魅力的に思えたのだ。

ぱたり、良質な皮の表紙を閉じ、ロビンは人知れずひねくれた愛に唇を吊り上げた。

ねぇ坊ちゃん、オレ、頑張って会いに行きますから

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