ジャンル:刀剣乱舞 お題:箱の中の深夜 必須要素:「ひょえー」 制限時間:30分 読者:22 人 文字数:1275字 お気に入り:0人

真昼の夜 ※未完

鶴丸の部屋には驚きが詰まっている。などと皆一様にして同じ言葉を発した。だから御手杵はつい、好奇心をむきだしにしてしまったのだ。
いけないことだということは頭で理解している。背徳感からか、罪悪感からか人の身を得た体躯の真ん中がいつも以上にドクドクと音を鳴らす。痛いぐらいだ。しかし、こうして部屋の主に無断で忍び込んでしまったのだからどう足掻いても手遅れである。
鶴丸国永の部屋には数度招かれたことはある。片手で数えられる程度だ。こう忍び込むのは初めてであるけれど。
印象は意外と殺風景。物で溢れているという予想に反して、物はほとんどない。招かれるたびにそう思っていた。忍び込んだいまも印象は変わらない。
だから、鶴丸の部屋には驚きが詰まっているなど口を揃える仲間たちの言が分からない。きょろきょろと視線を彷徨わせても、散らかってなどおらず座卓も綺麗なものだった。書類は載っていないし飲みかけの湯飲みも置いていない。
ならば、押入れか。
かといって、他刀の私的な空間を覗き込むのは気が引ける。ここがやめ時だろうという自身と、鶴丸は出陣中でまだ帰ってくるには時間があるのだから軽く覗いてしまえという自身がせめぎあう。ううむ、と唸ってしまった声がいやに大きく聞こえる。ばれなきゃいいのだ。ばれなきゃ。いや、でも、もしばれてしまったら?
鶴丸は礼儀を重んじるし、好奇心旺盛だといっても他刀の部屋に忍び込んでまで覗くような刀ではない。はっきりと自身が叱られて向こう一週間は口をきいてもらえない未来が容易く瞼の裏に見えた。止めよう。そうしよう。
押し入れにかけた手をひっこめた、その時だった。

「やあやあ、我が恋槍殿は我が部屋で何をしていらっしゃるのか」

楽しそうに歌うように決められた台詞詠む芸者のような声音が、御手杵の後ろから降ってきた。
あ、俺、折れたな。瞬時にそう思うだけの判断はあったが、恐ろしくて振り向く勇気はなかった。思わず「ひょえー」と普段よりもはるかに間抜けな音を口にするぐらい。驚いた。凄く驚いた。

「俺の好きな顔を見せてはくれないかい」

どうする? どうすれば、怒られない?
などという思考がぐるぐると御手杵の脳内を回っているが、すでに手遅れだということは伝達されていない。すでに手遅れという前提条件からどうすれば、罪状が軽くなるかを考えた方がよっぽど建設的だったが、そこまで回る余裕はなかった。
予想の数十倍速い帰還を疑問に思う余裕もない。

「御手杵」
「う、うえー!ごめん!鶴丸、ごめんなさい!」
「は」

素直に謝ろうそうしよう。押入れは幸いに悩んでいて開けてはいないし、見てもいない。無断で部屋に入ったということだけだ。確かに押入れの襖に手はかけた。それだけだ。まだ怒られても、軽いはず。判断してからの行動は早かった。
鶴丸を視認する前に畳に頭を付けた。いわゆる土下座だ。勢いをつけすぎて鈍い音をたてたが気にしない。

「部屋に入ったのは本当に悪かった!!!押入れは見てない!!!!」
「お、おい。土下座は望んでないんだが」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:刀剣乱舞 お題:残念な動揺 必須要素:口臭 制限時間:30分 読者:7 人 文字数:543字 お気に入り:0人
※未完第一部隊が出陣から帰ってきた時、本丸は仲間の声で賑やかだったことにすぐに気づいた。それが剣戟の音もせず、緊迫したものでもなかったから彼らは緊張をほぐして中 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Aruco ジャンル:刀剣乱舞 お題:きちんとした正義 制限時間:30分 読者:52 人 文字数:1725字 お気に入り:0人
体温計とポ●リと薬研の薬と水差しが乗せられたお盆を脇に置くと鶴丸は彼女に体温計を手渡した。30秒程でぴぴっとお知らせしてくれる優秀なやつだ。手渡されたそれを着物 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Aruco ジャンル:刀剣乱舞 お題:黄色い悪 制限時間:30分 読者:72 人 文字数:1971字 お気に入り:0人
「わるものはくろいろなのですか」今日の内番を終えたらしい今剣がテレビを見ながら言った。何時だったかな、と彼女はぼんやりと捲っていた雑誌から目を上げて時計を確認し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:刀剣乱舞 お題:裏切りのところてん 制限時間:30分 読者:74 人 文字数:1529字 お気に入り:0人
「あつい・・・」鶴丸国永は畳にだらしなく寝転がったままつぶやいた。現在の本丸は夏の景趣だ。青々とした緑。遠くまで見渡す限りの青空。川遊びを楽しむ短刀たちの歓声。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
太陽の男 ※未完
作者:匿名さん ジャンル:刀剣乱舞 お題:夏のあそこ 制限時間:30分 読者:61 人 文字数:1188字 お気に入り:0人
みーんみんみんみんみん甲高いセミの鳴き声が耳に障る。冷房のスイッチを入れようとがば、と身体を起こして気づく。そういえばここは家ではなかった。小さく息を吐いて眼下 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
エロい切清 ※未完
作者:匿名さん ジャンル:刀剣乱舞 お題:フニャフニャの快楽 必須要素:北海道 制限時間:30分 読者:78 人 文字数:1050字 お気に入り:0人
ゼエ、ゼエ、と荒い呼吸の音だけが聞こえる。そういえば、お風呂のお湯、ちゃんと抜いたんだっけ。よく覚えていない。お風呂から上がってすぐ二人で布団に潜り込んで、その 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:やすひと。 ジャンル:刀剣乱舞 お題:阿修羅惑星 制限時間:30分 読者:84 人 文字数:694字 お気に入り:0人
ガンッ、カッ、ガキッ、ギチギチギチ…乾いた木が打ち付けあう音が鍛錬場にこだまする。返す刀に隙を突こうともそれを真っ向から受け止めつばぜり合いが続く。「待て」「ち 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: ジャンル:刀剣乱舞 お題:戦争と霧 制限時間:30分 読者:98 人 文字数:500字 お気に入り:0人
遠くで銃声や大砲の音が聞こえる。周りは倒れて動かない兵士ばかり。森の中、俺の主は気絶してるだけ…だと信じたい。けど、もう俺は駄目みたい…刀身がボロボロでもはや使 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
巴形薙刀 ※未完
作者:小夜子 ジャンル:刀剣乱舞 お題:トカゲの即興小説 制限時間:30分 読者:112 人 文字数:2016字 お気に入り:0人
「おもい………………」ふと、こぼれた。「重い、」ああ、ほんとうに。このままつぶれて、この地面をつきぬけて、どこか、じごくのような場所へ行けたらいいのではないか。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:刀剣乱舞 お題:簡単な道 必須要素:まいたけ 制限時間:30分 読者:72 人 文字数:333字 お気に入り:0人
「見て、一期!この道、まいたけが生えてるんだよ~?」目をきらきらさせてきのこを指差す彼女は、ほめてほめてオーラをかもし出していた。「主殿は素晴らしい観察眼をお持 〈続きを読む〉

からすうりの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:からすうり ジャンル:刀剣乱舞 お題:生きている犬 制限時間:30分 読者:19 人 文字数:802字 お気に入り:0人
バタバタと忙しない足音が、近づいてくる。何だ?と一期一振は首を傾げる。これが万が一、自身の兄弟たちであれば理由を聞いた上で場合によっては叱らねばなるまい。そう思 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
真昼の夜 ※未完
作者:からすうり ジャンル:刀剣乱舞 お題:箱の中の深夜 必須要素:「ひょえー」 制限時間:30分 読者:22 人 文字数:1275字 お気に入り:0人
鶴丸の部屋には驚きが詰まっている。などと皆一様にして同じ言葉を発した。だから御手杵はつい、好奇心をむきだしにしてしまったのだ。いけないことだということは頭で理解 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:からすうり ジャンル:刀剣乱舞 お題:子供のにおい 制限時間:30分 読者:14 人 文字数:1209字 お気に入り:0人
軽い足取り。パタパタと忙しなく右左。今日も元気に賑やかだ。珈琲が美味い。「つるまる、またさぼってる!」小さな体躯で、胸を張って怒る仕草は微笑ましく茶色の髪がふわ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
春の美 ※未完
作者:からすうり ジャンル:刀剣乱舞 お題:美しい整形 制限時間:30分 読者:9 人 文字数:750字 お気に入り:0人
桜の花びらが舞う。ほのかに甘い香りが鼻腔に辿り着く。体感する温度は寒気とは違い、温く巨躯を包んでいく。なるほど、これが春か。「とうとう一巡りしたな」弾んだ声。そ 〈続きを読む〉