ジャンル:メギド72 お題:かゆくなる「えいっ!」 制限時間:30分 読者:124 人 文字数:1324字 お気に入り:0人

飴玉あげると静かになるやつ

「へくし! へくし! へくし! えっきし! ぺくし! べっくし! へくし! へくし! へくし! えっきし! ぺくし!」
「うるさい」
 シャックスがひっきりなしにくしゃみをしている。
「いやいや、わざとではないんだろうし、ね?」
 バルバドスがフォローを入れるが――というのも、シャックスの花粉症を知らなかったバルバドスが、うっかり花束なんか持ってきたのが原因だったから、ちょっと責任を感じていたのである。
「……それでも、うるさい」
「ただいまー、あ、ウェパルがシャックス泣かせてやーんの」
「ただの花粉症でしょ。くだらない……とっとと寝たら?」
「あ。パルパル、ちょっと心配してくれてたりするする?」
「おやすみ」
 そう言って、ウェパルはさっさと部屋に戻ってしまった。
「パルパル、冷たい……ひーん……ひっくし」
 ちょうどブネが戻ってきて、ぽろぽろと泣いているシャックスにおののいた。
「戻ったぜ。と、うおっ、なんだ、どうした? 修羅場か?」
「花粉症だって」
「なんだ、泣いてるんじゃないのか。驚かせやがって」
「泣いてるってことにしたら、アニキ、びっくりするかもな~」
「やめとけ、ろくなことにならねえぞ」
「ずー……うう……ヴィータってツラい!!!」

***

「なるほど、そうか。すぐラクになる薬と、じわじわ効いてくる薬、どっちがいい……?」
「もちろんもちろん、すぐにラクになるほう!」
 事情を知ったソロモンは、とりあえず取り合ってくれそうな医者、ということでアンドラスを呼び出した。アンドラスは小瓶をもてあそびながら、いつもの奇妙な笑みを浮かべている。
「待った! それってそのー、薬なんだよな?」
「そりゃあ、強力な分、副作用もいくらかあるけどね」
 ソロモンはアンドラスを見た。いまいち冗談なのか本気なのか、判断しかねる。
「悪いこと言わないからじわじわ効いてくる方にしよう、な?」
「あたし、すぐラクになるほうが嬉しい嬉しい」
「いや、なんかやばい気がする!」
「……じゃあ、じわじわ効いてくる方をどうぞ」
 アンドラスがポケットから取り出したのは、紙に包まれたなんだか丸い物体だ。
「あれ。これって?」
「わーい、アメだネ!」
「そうだよ。スーっとするよ」
「なんか拍子抜けしたな……いや、副作用がないならいいんじゃないか」
「あまい~あまい~……」
 花粉症、役得かもネ! などと思っていたのだった。

***

 飴のおかげか、すっかり症状は治まったようである。
「……」
「…………」
(なんていうか、静かだな)
 シャックスが飴を舐めているからだろう。一行は普段にもましてとても静かだ。
 黙々と歩いていると、ウェパルが立ち止まった。
「ねぇ、……もしかして怒ってるの?」
「! !!?」
 ウェパルの言葉に、シャックスが目を丸くする。
「はるはる~、はんのはなしらっけ???」
 しばらく沈黙があって、ウェパルが震えだす。
「ちょっと、飴を舐めてるなら言って!」
 笑いをこらえていたブネが思わず噴き出し、ウェパルはますます気を悪くした。モラクスはとばっちりを受けないように何気に離れた場所に避難していた。

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