ジャンル:HTF ランモル お題:茶色いこだわり 制限時間:2時間 読者:95 人 文字数:1179字 お気に入り:0人

チョコレート

甘い香りが漂うキッチンでランピーは忙しなく作業していた。
「チョコの量はこれくらいで……湯煎の温度は……」
失敗しないようにレシピとにらめっこしながらチョコを刻み、湯煎で溶かす。
「あ、忘れるところだった」
ランピーは湯煎の作業を中断し、おもむろに包丁の刃先を指先に押し当てる。
「いてっ……」
刃先が数ミリ程度肉を裂き、ぷつ、と血が玉になって溢れ出す。
そしてジンジンと痛む指先の腹を湯煎したチョコの上にかざし、血を数滴落とした。
「おまじない完了っと」
ランピーは満足気に鼻歌を歌いながら指先に絆創膏を貼り、湯煎の作業を再開した。



「モール〜居る〜?」
翌日、ランピーはモールの家の前にいた。
インターホンを鳴らし、大声で呼びかける。
「いま開けます」
家の中からモールの声と足跡が響き、ドアが開く。
「やあ、ランピーだよ、突然ごめんね」
「ランピー?どうしたんですか?」
「モール、手を出して」
モールの怪訝そうにおずおずとを差し出された片手に、ランピーは綺麗にラッピングされた箱を乗せた。
「これは……?」
「トリュフ、僕が作ったんだ」
モールは小さな箱を両手で何度も触ると、目を細める。
「ありがとうございます……開けても良いですか?」
「是非開けてみてよ!」
モールはリボンをほどき箱を開ける。
「良い香りです……」
ふわりとチョコの甘い香りが広がり、モールはタートルネックで隠れた口元を綻ばせる。
「自信作なんだ、一口食べてみてよ」
ランピーはトリュフを一つ摘むと、モールの口元に持っていく。
「あーん」
モールはタートルネックを軽くずらし、口元を露出させると慎ましく口を開け、ランピーからトリュフを受け取る。
「……とっても美味しいです」
外側のチョコを噛み砕くと中からとろりと溶けたチョコが溢れ出す。
「良かった〜喜んでもらえてうれしいよ」
ランピーは嬉しそうに鼻を鳴らし、そろそろ帰るね、お菓子作ったらまた持ってくるから、とモールに伝え、踵を返した。



モールはランピーと別れ家の中へ戻ると、トリュフをもう一口、口へ運ぶ。
甘い、美味しい。
ランピーの朗らかな声を思い出しながらモールは、次はいつ来てくれるだろうか、と表情を綻ばせた。



「でーきた」
チョコとケーキの焼ける香ばしい香りが漂うキッチンでランピーはブラウニーを切り分け、箱詰し、ラッピングをする。
「今日のおまじないも効くといいなあ」
根元から切り落とし、包帯の巻かれた左手の小指をそっと撫でるとランピーは微笑む。
「モールのところへ行かなくちゃ」
愛情と劣情を込めたブラウニーを手に取るとランピーは外へ飛び出した。










同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

紅ゐしの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:紅ゐし ジャンル:HTF お題:最後の壁 制限時間:2時間 読者:74 人 文字数:2022字 お気に入り:0人
今日は春の陽気が暖かく絶好のデート日和だ。 心はウキウキ、デートの最後にはキスとかしちゃったり…… 素晴らしい一日!!……になるはずだった。 ……なるはずだった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:紅ゐし ジャンル:HTF ランモル お題:コーヒーと君 制限時間:2時間 読者:83 人 文字数:1339字 お気に入り:0人
ふわりと広がるコーヒーの香りにモールは口元を綻ばせる。 「ごめんね、モール。インスタントしかなくて」 ランピーはインスタントコーヒーの瓶を棚に戻しながら申し訳な 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:紅ゐし ジャンル:HTF ランモル お題:とびだせ魚 制限時間:1時間 読者:84 人 文字数:965字 お気に入り:0人
「人魚姫ってさ、最後泡になっちゃうの幾ら何でも可哀想だよね」 ランピーは童話集をめくりながら上っ面だけの台詞を呟く。 「むしろ人魚の状態で王子様と結ばれないと本 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:紅ゐし ジャンル:HTF ランモル お題:茶色いこだわり 制限時間:2時間 読者:95 人 文字数:1179字 お気に入り:0人
甘い香りが漂うキッチンでランピーは忙しなく作業していた。 「チョコの量はこれくらいで……湯煎の温度は……」 失敗しないようにレシピとにらめっこしながらチョコを 〈続きを読む〉