間違った哀れみ ※未完
おそ松がそれを見つけたのは九月一日である。最寄りのパチンコ屋は小さい。駐車場もたかだか五六台しか止まれない狭さの片隅、ゴミ箱の間にうずくまるようにしてあったのは、小さなお地蔵様である。
いや、もしかしたらお地蔵様ではないのかもしれない。にんまりと細める目とこじんまりとした頭身が雰囲気が似ているだけでよく見ると意匠も違うような気もする。残暑厳しく生ゴミの臭いが蒸す中に鎮座されたそれは、どことなくうらぶれているようである。大きさはこぶし二つぶん。負けのこんだどこぞのやからがご利益をもたらさなかったそれを哀れにも捨てていったに違いない。
一方今日はとんとんと言ったところで、負けもしなかったが勝ちもしなかったおそ松は、どことない空しさを追いやる気まぐれを抱いた。
懐を探ると有った飴ひとつ、その地蔵のような物の前に備えた。
「お前も可哀想だな、こんなところに捨てられて」
そう言って手を合わすと、こんなことを言った。
「かわいそーなお地蔵様、ツキがこまない俺に次こそは玉を恵んでください」
何となく一日の無為を払拭できた気がして、その日は浮かれた気分で家に帰った。
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