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いじわる ※未完

尚ちゃん、いい子なんだよ、と私がいうと、悪い子じゃないね、と征十郎さんは言う。
征十郎さんは尚を褒めない。不思議なほど褒めない。私のことは褒めてくれる。幼い頃は今の2倍以上褒められていた記憶がある。
別に。気にしてないもん
尚はあっけらかんとしていた。
征十郎に褒められたくて生きてるわけじゃないし。いいんじゃない? 褒めてくれない人がいても。世の中にはいろんな価値観を持った人がいるんだから、私のことを気に入らない人だっているわ
尚は強い。自信が服を着て歩いているみたいだ。でも、私は尚の良いところをたくさんしっていて、それを好ましいと思っていた。そこを征十郎さんにも理解して欲しかった。自分の好きな人たちが、仲良くしている姿を見たかった。
いいって、と尚は苦笑いする。
私だって征十郎のこと、すごいとか思わないもん。……まあ、ちょっとは思うときはあるけど、ちーちゃんみたいに手放しで褒めたくはならないよ。向こうも、そうなんじゃない?
尚は境界線がはっきりしている。自分は自分、他人は他人。両親はどちらも日本人だけれど、やはりある程度の年齢までフランスで育ったからだろうか。三つ子の魂、ということだろうか。
(少し、さびしい)
私はもっと尚に征十郎さんを好きになってほしかったのに、尚にその気がまったくない。それは寂しかった。
ちーちゃんは、そうやって何になりたいの?
何に?
私と征十郎を繋いだところで、どうしたいの?
(どう?)
……何にも
何にも、と繰り返して、尚は困ったような顔をした。
ちーちゃんは幸せになりたいんじゃないの?
そりゃ
私と征十郎が仲良いと、ちーちゃん、嬉しいんでしょ
うん
私は即答した。尚は肩まで伸ばしている彼女の髪の先をちょっといじった。何かをたくらんでいる時の癖だ。
残念でした
尚はべっとs



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